退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「『現実』を認識することと好ましい『聖地巡礼』」について

2023-05-30 02:53:28 | Weblog
雨。終日そぼ降る。

小林秀雄「戦争について」を半分以上読む。

文庫オリジナルらしく。
「国民は黙って事変に処した」という一節の意味がどうやら「従来」とは異なり。

左右の「イデオロギー」とは無関係に。
「満州事変」という「現実」にきちんと対応出来ないことに苛立ち。

「事変」という名前は「自国の領土」という前提から(他国でないから「戦争」でなく)。
かの地にも「従軍記者」として出かけ「ルポ」を書き。

火野葦平「麦と兵隊」あるいは菊池寛「西住戦車長伝」を評価し。
要は「『途方もない現実』を理解する」ということの「難しさ」を忘れるなと。

現在のわれわれには十分に参考になる次第。
これまた明日読了予定。

ヴィム・ヴェンダース「東京画」(’85)を今頃観る。

小津安二郎「東京物語」(’53)の始まりと終わりの間で描かれるのは。
「1983年の東京の姿」。

パチンコにゴルフ、ゲームセンターに食品サンプルあるいは「竹の子族」など。
新幹線やその他の電車が走る姿とともに笠智衆とキャメラマン厚田雄春が。

「アギーレ 神の怒り」(’72)「フィッツカラルド」(’82)のヴェルナー・ヘルツォーク。
「ラ・ジュテ」(’62)のクリス・マルケルがカメオで。

「オタクの『聖地巡礼』」が40年前に始まっていたのを覚えておこう。
つい先日カンヌで監督の「パーフェクト・デイズ」の役所広司は「主演男優賞」を。

「監督の前世は日本人だったんじゃないか」と彼は言っていたけれど。
それはこの作品からすでにそうだったのだということを覚えておこう。

「国境あるいは言語の違い」を無意味にする「理解」があるということ。
ほぼ「奇跡」ではあるもののそれが「現実」になることを忘れずに。
コメント
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