退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「『ガンダムを描いた者』の過去あるいはキャラクターゆえに許されるもの」について

2019-04-18 02:17:32 | Weblog
雨。夜になって上がる。

安彦良和×斉藤光政「原点 戦争を描く人間を描く」を読む。

先日NHKで「ガンダム誕生秘話」を観て借りてきたもの。
不勉強にも「安彦」が「やすひこ」であることをその時初めて知る。

「安彦=あびこ」だと思っていたのだけれど。
先祖を辿ればそれもあながち間違いではないことを知ってホッとする。

何となく「全共闘絡み」の人だということは聞いたことがあったのだけれど
「連合赤軍」に近いところにいた模様。

弘前大学在学中に「大したこと」をしてないにもかかわらず逮捕されて除籍。
「ヘルメット」を拒否していたあたりが当時としてはなかなか。

学生運動特有のパターンとは異なる語り口に
周囲から背中を押されてついつい「中心的な存在」になってしまったとのこと。

金がなかったゆえに「東京=安田講堂」に行けなかった偶然の作用が趣き深い。
もっとも昔から絵の才能はあったようで。

「誰に倣ったわけでもない」というあたりが素敵。
元々は北海道は遠軽の出身。

本書で唯一のキズだと思われるのは「いちご白書をもう一度」に関する評価。
ただしそれは斉藤光政のそれ。

当時の同世代より年下の作者ユーミンの観察はある意味「正しい」が
「日和見」を「甘い過去」に歌い上げるのは微妙ではないのか。

「課長島耕作」の弘兼憲史や「沈黙の戦艦」のかわぐちかいじと安彦の違いも面白い。
「団塊の世代」のひとりの生き方としてそういうものなのだなあと思うことしきり。

宮崎駿の登場に「アニメ」から「マンガ」に移るのは「才能のなせる業」だろう。
残念ながらひとつも読んだことがないので今後の課題にしておく。

「スト破りの右翼の学生」に紹介されたマッチラベル描きによって「生き延びる」のにふむふむ。
「人生の複雑さ」をあらためて。

そういえば。

「ルパン三世」の作者モンキー・パンチが亡くなったニュースを見る。
彼は宮崎駿の「カリオストロの城」(’79)に描かれたルパンの姿に「刺激」を受けたらしい。

大昔に雑誌で読んだルパンはもっと「大人」。
エッチでハチャメチャなところが魅力だったはずなのだが。

いつのまにか「女性にやさしい紳士」になり。
新しい「LUPIN the Third 」にはあまり魅力を感じずに終わった。

作品の「センス」は評価してもいいが「物語」がダメだったので。
いずれが欠けても「オリジナル」と比べるとそういうことになる。

「♂」と「♀」による笑いが懐かしい。
「セクハラ」が「常識」になった時代に「男の美学」は「時代おくれ」か。

とはいえそれも「ルパンだからこそ許される」もの。
その辺のオヤジの勘違いとは全く異なるものであることを忘れずに。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする