もふもふランド♪

たくさんのわんこと もふもふしてます。
    by ぷーどる♂ & ぷーどる♀

へちまのこと

2020-04-10 09:28:30 | へちま(小夏・コツブ)
早いものでへちまが逝ってしまってからもうすぐで一月。
今でも台所に立つと、足元であの子が寝ているような気がして、
つい足元を探ってから動き出してしまっております。

さて、そんなへちまが我が家に来たのは、二年前のある夏の日
いきなり元気な小さい子がやってきたな、
おや?歯も全部しっかりあるから意外に若いのかな?
と思ったものの、獣医さんで診てもらったところ、おそらくは12~3歳くらいのりっぱなシニアさん。
そういうわけで、こりゃ誰にももらってもらえないだろうということで、
即我が家の一員として迎えることに。

ちょうどぷーが逝ってしまった直後だったので寂しさをずいぶん紛らせてくれました。

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小さくかわいらしいその姿と、何とも言えない被毛の色目が、
私には「本わらび餅」を連想させたので、最初についた名前は「ワラビちゃん」

ですが、その後あまりに渋すぎるとのことでこの名前は却下され、
ならばと、夏の日に来た小さい子なので「小夏のなっちゃん」と呼ぶことに。

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ですがですが、実はこの子どうも当初は猫をかぶっていたようで、
日を追うごとに家の中での態度が大きくなりはじめ、他の先住犬たちに対してやたら威張るしイケズする!
そして少しでも反撃されようものなら、大げさな鳴き声でアピールするという感じ。
ですので、その都度私は、
「こら!このアホ!バカ!ヘチマ!」
としかっているうちに、
「あんまり悪いともう名前をヘチマにするぞ!」
と、口にしたものの、その後も一向に態度を改めないので、
晴れて(?)へちまという名前になったのです。

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こんな感じで登場以来イケイケのへっちゃんなのでありましたが、
やはりそこはシニアさん、目に見えない体の中にはいろいろな病気を抱えていたようで、
まず最初にわかったのが「子宮蓄膿症」

年齢と病状を鑑みて手術に踏み切ったのがその年の暮れ。

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「あれはつらかったヘチな…」

ですが、幸い手術はうまくゆき、その後の回復も早かったので、
年明けには…

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「さあ、散歩に行くヘチな!」
「はいだポコ。」


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「おかぁさぁ~ん!」
「一人でしゃんと歩くヘチな!」


と、のちに老夫婦と呼ばれるポコとのコンビで元気にお散歩にも出てました。

ですがその春から、「重度の胃腸炎」「唾液腺嚢腫」とまたもや調子を崩し、
極めつけは、夏の夜の「心肺停止」
ですが、そのすべてを見事に乗り越え最初の一年目を超すことができました。

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「ヘチながらよく頑張ったものだヘチ…」


そしてその後も再発する病気と襲い掛かる発作とに悩まされながらも、
へちまはそれなりにご機嫌な毎日を過ごし、毎日の店番でも愛想よく看板犬を務め、
お客さんのいないときはこうしてお母さんの腕の中で気持ちよさげに寝ておりました。

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「お客さんが来ない方がいいヘチな。」

こんな感じでその後も相変わらずの病気と折り合いをつけながらも、
2年目の夏を迎えた頃、気づけば白内障が進み目が見えなくなってきてしまい、
また体力的にも歩くのがきつくなってきたので散歩に出ることはなく、
ほぼ一日中店と家の中で過ごすようになっておりました。
そういうわけで、24時間おむつ着用に。

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「パンツはレディーのたしなみだヘチ!」

またこのころから「腎不全」の症状も悪化しだしたので、以降毎日我が家で点滴をする生活となりました。


それでも調子のよいときは非常に元気で、時には他のわんこ達へのイケズや、
気に入らないお客さんを追い返したりと、驚くほど元気にこなしており、
あの子なりに、自由気まま、唯我独尊、やりたい放題背過ごしておりました。

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「何か問題でもあるヘチ?」

またこの時まではまだ食欲も旺盛で、
特に店番に来たらまず与えていたウエルカムおやつの牛肉がたいそうお気に入りで、
それゆえ、以降私はせっせとスーパーの精肉コーナーに顔を出すようになるのほどでしたが、
3年目の冬を越えたあたりからガクっと食欲を落とし、元気もなくし始めました。
腎不全がいよいよ悪化しそれによる貧血とのこと。
またそれと前後して、心臓の方の状態も悪くなり、頻繁に発作による痙攣に襲われることとなりました。
そしてとうとう二度目の心肺停止!

しかし、この時も寸前で踏ん張ってこちら側に戻ってきてくれ、
私たちはもちろんのこと、病院の先生方も驚かすほどの生命力を見せてくれたのです。

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「フフフ… ヘちを侮ってはいかんヘチな。」


ですので、そんなへちまを見た私は感心してしまい
思わず「へちまソング」という歌を作ってしまったりもしたのです。



ですが、さすがに体力も落ち、併せて食欲もガクっと落ちてしまい、
今までモリモリ食べていたフードや、好きだったおやつやお肉にもには全く見向きもしなくなりました。
ですがそんな中、私が作るプリンだけは美味しそうに食べてくれたので、
この時期私はせっせとプリン作りに励むのでした。

そんなこんなでその後ほぼ1か月の間はプリンと流動食のみでなんとか頑張りつつ、
だましだましではありますが、それなりに平穏に暮らしておりました。
ですが世の中が新型コロナでざわつき始めた2月下旬、
今度はミニーの病状が急変し我が家はいよいよ騒然となってまいりました。

そしてついに最後の日がやってきたのです。

いつものように、深夜ミニーとポコ、そしてへちまと3頭の世話を順番にし終え、やれやれと
やれやれ、どっこいしょ…と、寝床に潜り込むと。

「きゃん!」

とへちまが一鳴き。
ちょうどこの日から、1時間おきくらいにこの声を上げ、
そしてその都度抱きかかえ声をかけると落ち着いて眠るという感じだったので、
「ああ、この声は甘えてわたしたちを呼んでいるのだな。」とそう考えていた私は、
この時も、「よしよし…」そう声をかけながら体をそっとポンポンとなでるように叩いたのです。
すると案の定すぐにおとなしくなり静かに寝入りました。(ように見えました。)
この時午前4時。

その後ふと目を覚ますと午前6時。
何か気になっったのでへちまの様子を見てみると、全く動かないし息をしている様子もない。
そして体に触れると、まだ暖かいものの既に固くなってきている。

そこで初めて、「そうか、さっきのあの声が最後の挨拶だったのか。」と気が付きました。
そして最後はそう苦しむことがなくてよかったとも…

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こうしてあの子のことを思い返して書いてみると、
なんだかほとんど病気の話ばっかりで、かわいそうだと思われるかもしれませんが、
確かに病気に耐えて頑張っていたりはしましたが、
そのほとんどは、楽しく愉快に暮らしてくれておりましたので、
私たちも、同様に楽しく、明るく、愉快に、そして幸せな時を過ごすことができました。

毎回思うのですが、どの子もどの子も、それぞれが唯一無二の存在で、
魅力的で個性的なキャラクターを持っております。
ですが、このヘっちゃんについては、それが飛びぬけてユニークで、
「こんな子は今まで見たこともないし、これからも会えるかどうか…」
そう思えるほど。

それだけに、へちまと過ごせた2年半の時間は、私たちにとってはかけがえのない大切な時間で、
その実際の時間以上に長く長く感じるのです。

だからでしょうか。
へちまが旅立って以降しばらくの間、
私はほかのこの名前を「へちま」と呼び間違えて行っていることが度々あったようで、
その都度家族に指摘されたりしておりました。

ほんと、いい子だったな。


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「へちはずっとイイコだったヘチな!」


またいつか会える日までね~!

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「バイバイヘチな♪」



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不要不急のお出かけ ~JUWEJ 25~

2020-04-09 09:48:28 | ぷ♂の日記
あれこれいろいろ試しているけど、全く出口の見えてやこないここ最近。
不要不急の外出自粛中の毎日ですが、
思えば、私自身のおでかけなどはいつでも必ず不要不急。
だから、ここ最近は犬の散歩以外はほぼ家にこもってあれこれいたしております。

ですがそんな私でも必要な外出があるわけで、
この間の休日は決算書類を携えてお役所巡り。
しかし最近の街中はバイクですら止める場所がなかなかないので自転車で。
で、そうなると用事を終えた帰り道は、天気も良くなってきたのでふらふらと寄り道。

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お~、もう桜が咲いてるんか~。

そういうことならばと、チョイと桜の木の下に自転車を止めて。

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デンデンムシの登場だ!

こいつの正体は、以前もご紹介した1930年代のドイツのストーブJUWEL25
過去にご紹介したように、こいつにはバルブ開閉機能がないので、
燃料を入れたままにしておくとその後ニップルからダラダラ漏れ放題!

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ですので、携行時はニップル部分いキャップをはめておきます


ちなみに、同じ形D絵バルブ開閉機能のアルモデルもあり、
こちらは名前がJUWEL№22となります。
だからこの二機種には時代的な差があるのかなとも思いましたが、
番号の若い№22にバルブ開閉機能があって、№25にないのはどこかおかしいし、
なにより、

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№25のケースにハンドルを差し込む穴が開いている

これはつまり、同時期に存在し他機種であり、ケースは共通であったということでしょうから、
№22は№25の上位機種であると私は考えております。

さて、話が長くなりましたが、そろそろお湯を沸かして野点の準備。

DSCN7644.jpg
飯盒型のケースに独特の組み立てゴトクをセットするのが、
実は結構楽しいのです。

で、常にバルブ全開のこいつですから、プレヒート即大炎上!
しかし、スグに炎は落ち着き奇麗な青い炎が頑張り始めます。

DSCN7647.jpg
この辺はぜひ動画でご確認を。


さて、こうなれば後はもう心地よい燃焼音を肴に桜を楽しみつつ、
後は沸くのをのんびり待つだけ。

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首が長くタンクと距離がある割にはなかなかの火力

ですので、この程度のお湯なら5分もあれば十分沸かせます。

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出来上がり♪

今年は毎年恒例の花見も自粛しているので、
自転車相手に乾杯です。

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実際この時もちらほらと桜を見に来ている人はおられましたが、
そのほとんどは腰を下ろさず、のんびりと眺めて歩く感じ。
まあ、こういうのが本来の花見かもね。

いつまでも桜の木の下で騒いでいるのは本当は間違いで罰が当たる。
だって、桜の木の下には、死体が埋まっていたり、鬼がいたりするらしいからね♪

あ!
今はそれらよりコロナの方が怖いか…


*動画*


German old stove JUWEL25 1930s
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緊急事態宣言

2020-04-08 10:38:45 | 犬日記
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「くんくんくん…」

あれ?みんな熱心にどうしたん?

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「緊急事態宣言です!」

こんにちは。
昨日とうとう緊急事態宣言が出ましたね。
まあ、時期的にはもう少し早くてもよかったなとも思っていましたが、
確かにこれからが正念場。
何とかみんな一丸となって乗り切りましょう。

さて、緊急事態宣言といえば、我が家の面々にも次々と…

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「きんきゅうじたいせんげんです…」

先月末家族の一員になったピコちゃんはもうすっかり家の中には慣れたのですが、
いまだワクチン接種が済んでいないので、散歩はもちろん表に出たこともありませんでした。
そこで、この日は天気も良かったので、お姉ちゃんに抱っこされて外気浴。
ですがすべてが初体験のピコちゃんはもう完全ビビり!
おねえちゃんにしがみついたままブルブル震えてこの様子。
でもおうちに戻れば、その反動で大興奮のハッスルタイム!
こうして段々慣れていくと、スグにお散歩が楽しくなるよね。


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「緊急事態宣言ニャ!」

あれま!
こんどはボンちゃん

実は昨日のお休みに、奥さんがボンちゃん部屋の模様替えを大々的にしてくれたので、
その間の騒動と、一変した部屋の様子に少々戸惑い気味。
そのせいでか、私に絡みついては、
「にゃ~!にゃぁぁ~~!」
と、愚痴をこぼすこぼす!

でもすっきり奇麗で、しかも広くなってよかったやん!
こういう掃除はわしはせんからおかあちゃんに感謝やで♪


とまあ、こんな感じの昨日でしたが、私もちょいと緊急で出動をしておりました。

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「緊急事態宣言です!」

というのも、お店の暖房用の灯油がとうとう底をついたので、
こいつで買いに行っていたのです。
2月の終わりごろに最後の灯油缶を開け、
「もうこれでこの春は最後だね~。」
とか言っていたのに、いやはや、まだまだ寒い日が続く!
早く暖かくなって、全てのごたごたが片付けばいいのにね。

え?
灯油くらい自転車でも買いに行けるだろうって?
いや、まあ確かにそうですが…

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ツーリングもミーティングも自粛中だから、ソロの近場乗りだけは大目に見てね♪


さてさて、そんな感じの我が家ですが、実は今朝がた本当に…

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「きんきゅ~じたいなんだな…」

ダサ可愛いプリントがよく似合うポコですが、
今日の明け方頃からひどい下痢が始まり、しかもそれが真っ赤な血便!
そこで、只今奥さんが病院へ連れて行ってくれております。

まあ、それでも食欲は旺盛だし、下痢も朝方の二回で収まってくれているので、
そう危険な状態ではないとは思うのですが、
なんせ今年で17になろうかというご高齢なので何かと心配。

今日は一日暖かくして、常に目の届く場所に置いておこうと思います。


そういうわけで、こんな感じの我が家です。

ポコの現在の体重(2.45㎏)

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ミニーにさよなら

2020-04-04 09:22:46 | ミニー
昨日は、店を早く閉めミニーを送ってまいりました。
ダックスにしては小柄な体は、この闘病の間にいよいよ小さく軽くなってしまい、
ムチムチだった胴回りも痛々しいほどにあばらが浮き出て、
ああ、ほんまによくこの子は頑張ったな、とつくづく…

さて、あの子が逝ってしまってからその間は、
今まで通りずっと私たちの寝室で寝かせておりました。
ですので、当然その周囲をほかの子たちがわらわらと歩き回ります。

特に、我が家の子たちは皆もう目が見えなくなっていたりするものだから、
時にはミニーを踏みそうになることもよくあって、
「こらこら!そこはミニーちゃんが寝てるとこ!」

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「は~い。」
「は~い。」


てな感じで、ミニーは落ち着いて寝ていられたかどうだか。

さて、そんな中ですがリーダー犬のぽちだけは今回も様子が違い、

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くんくんくん…

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「………」

何か思うところがあるのか、このようににおいを嗅いではしばらくじっと一点を見つめ、
そしてまたかいでは、じっと見つめる。

そういう動作をしばらく繰り返したのち、
「わかった」というような感じでそのまますたすた歩きだし、
いつもの定位置で丸くなって寝てしまいました。

へちまの時も書きましたが、この子は昔からこういうことをよくするのです。
やはり何か見えているんでしょうか?(失明してますが)


さて、こういった感じで最後の時をみんなと過ごし、
昨日はいよいよミニーを空に送り出しに行きました。

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思えば、この子にとっては初めてのドライブとなりました。

そして数時間後、
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ミニーはミニサイズになって我が家に戻ってまいりました。

今頃はもう虹の橋を渡り、他の仲間や友達、
そしてもしかしたら親兄弟にも会っているかもしれません。

でも、なんせ脚の短いあの子のこと。
多分大きな虹の橋を渡るのにまだ時間がかかっていたりして…。
一生懸命チョコチョコ動かしているだろうけど、なんせショートストロークだから。

こんな感じで、とりあえずは一区切り。

でも気持ちはやはりまだそうもいかないので、
まだしばらくは低空飛行。

そして落ち着いたらば、ミニーのことを、また話させてください。


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といいますか…


実は、ここ数日ポコがガクッと衰えてきました。
老犬の衰えは、角度のある傾斜ではなく、いきなりの段差のような感じで落ち込むといいますから、
我が家はまだまだ厳戒態勢です。



*おまけ*

ミニーが帰宅し、いつもの寝床の位置に戻った時のこと。


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「クンクンクン…」

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「おかえり。」

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テッテケテ…


と、またしても目の見えなぽちだけが駆け寄り、
わんこ同士のあいさつのようにひととおり匂いを嗅ぎ、
そして一区切りついた後は、その場を離れいつもの寝床に戻ってゆきました。

そういや、ポチはミニーのことが大好きで、
闘病中もよくちょっかいをかけに行っては私に叱られていたのですよ。
それでかな…
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M-1942プロトタイプのレストア

2020-04-02 09:48:50 | ぷ♂の日記
さてさて先日届いた修理依頼のストーブたちも順番に仕上げて残るは右端の一台。
(左奥の№12はこの時の追記もので、パッキン改良とシールテープで解決しました。)

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米軍用M-1942ですが、
これは少し変わった初期型というかプロトタイプ

以前「レアな初期型! GIストーブ ・M-1942 」でご紹介したように、
見た目は一般型とよく似ていても構造は全く別物。
で、実は私所有の一台も、いまだにいじっていなかったので、
今回併せてレストアしてみたいと思います。

というのも、実は私はこれをいじるのが初めてなので、
このように二台並行して作業ができると、仮に頭をひねる部分が出てきても
解決の糸口がすぐに見つかるから。

そういうわけでまずはばらしていくわけですが…

いやはやほんと、この手のGIストーブはみなバルブの分解に手こずる。
まずはゴトクを固定している歯車状のネジをポンチで叩いて緩めたあと、
接合部をトーチで焼いてレンチを噛ませて叩いて緩めていきます。
GI系は接合部を接着剤で固めてあるので、この焼く作業を怠ると、まず抜けません。

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というわけでまずはこんな感じ。

で、このプロトタイプ独特な構造がこの部分。
DSCN7586.jpg
この大きな歯車状のホイールを回転させ火力をコントロールし、
同時にニードル操作も行うのです。

こちらが一般的な1942のコントロール部。
IMG_4296b.jpg
aでニードルを、bで火力をコントロールします。

ですのでプロトの方は、いわばこの縦スピンドルに近い構造となっておるわけです。

そういうわけでバルブ部分を分解すると、
DSCN7587.jpg
基本的な仕組みは前モデルであるMー1940を踏襲しているので、
今回の設計は、スピンドルをなくしコストダウンを図ったのかもしれません。

ちなみに修理依頼の方にはグラファイトガスケットが欠品状態でしたが、
私の方にはこのようなひも状のガスケットが封入されておりました。
DSCN7595.jpg
石綿(アスベストかな?)
でも、おそらくここにはちくわ状のグラファイトガスケットが入るはずなので、
これはきっと前オーナーなりの工夫であったんでしょうね。

さて、そういうわけでさらに分解したのち洗浄、磨き上げとしていて気が付いたのですが、
このヴァポライザー(加熱器)内部には二種類のストレナーが入っておりました。
DSCN7598.jpg
上(ニップル側)には目の細かいもの、下には目の粗いもの。
目の粗い方が蓄熱性が高いのでヴァポライザーとしてはその方が好ましいのですね。
これが一般型の1942では細かい目のもの一種類ですからコストカット?

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しかし写真にあるように、このプロトタイプのヴァポライザーは、
プレヒートカップにかしめてあり分離不可能でありますが、のちの一般型では分離でき、
予備パーツとしてヴァポライザーを付属させておりましたから、
こういうのは、現場で部品交換する際の楽さを考慮した結果かもしれませんね。
(出先でニップルのみを交換するのは厄介で、また小さい部品故紛失しがち。
でもヴァポライザー丸ごと交換ならそう手間もかからない。)

そういうわけで仮組をして動作を確認。
DSCN7602.jpg
うむ、ひっかかりもなくスムーズに良く動く。

ちなみにこのコントロールホール、当初いものと思っていたけれど、
実はプレスなんですよ。
当時のアメリカのプレス技術はかなりいいですね♪


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てなわけで、隙間にせっせとシートを押し込み圧縮。
これを根気よく何度も繰り返します。
地味ながら時間のかかる作業ですが、それゆえに時の経つのを忘れます。

でも、考えればここまでばらさないとガスケット交換ができないってことは、
メンテ性はかなり悪い!
なるほど、だからプロトで終わったのかも…

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そんなこんなでバルブがきれいに組みあがりました。


さて、あとはタンクに接続して加圧して…
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そして加圧して漏れをチェックっと。
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あれ?ニップルから漏れている?

バルブを閉じ切っても、ニップルから少しずつ圧漏れを起こしております。
これはM-1940の時にも経験した吸い込み口の摩耗による圧漏れかと思われます。
同じ構造を持つだけに、弱点も同じなんでしょうね。
だから、のちのモデルはゴムパッキンを装備するに至ったのかな?

ちなみに、私の方もテストしてみましたが同様。
どちらも酷使され過ぎたのでしょうか?

まあ、そういった感じなので、スパッと消火できるかは怪しいですが、
テスト燃焼ならできると思いますので、後程時間があればしてみたいと思います。

すると…

DSCN7619.jpg
あれ?漏れがなくキレイに燃える?!

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おまけに消火もスパッと決まる?!

*この炎の色目と輝きの違いの理由については↓の動画のおまけをご覧ください。


*動画*

米軍用 M- 1942プロトタイプ試験燃焼 (US Military stove M-1942 prototype)


一応念のため冷ましては再点火を数回繰り返し、
そのつど5~10分ほど連続で燃やし続けても問題もないし圧漏れもない。

おまけに火を消し確認すると、先ほどのニップル圧漏れも治まってる???

?????????

燃焼の熱が何か関係している??

まあ、何はともあれこれはこれで一応完了ということだよな。
うん…

ですが、一応ねんのため、この旨を依頼主にお伝えし、、
後々も分解整備がしやすいようにバルブの締め込みはシールテープを厚めに巻いて締めこんでおきました。

DSCN7629.jpg

でもこのストーブは、このバルブを締めこむ回転方向が、バルブが開く方向と同じなので、
問題が無い場合は、耐熱のネジ固定剤でバルブとタンクをしっかり固定しまう方が安心ですね。

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これにて作業完了!

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とてもよく頑張りました

2020-04-01 10:53:53 | ミニー
昨日の朝ミニーが旅立ちました。
以前から衰えていた食欲が、数日前からガクっと落ち込み、
一昨日からは、朝晩に薬を混ぜた流動食をほんの数cc飲み込むのがやっとでした。
ですので、そこを毎日の点滴で何とかしのいでおりましたが…

一昨日の夕方いつものように奥さんが薬を飲まそうとしてくれたたものの、
呼吸が深く数少なく、明らかに危ない様子。
そして顔を持ち上げ、苦しそうに大きく振るので、慌てて私を呼びに来てくれました。
そこで大急ぎで駆けつけ声をかけつつ体をなぜると、少し落ち着いたのか私に体を預けぐったりと。
だからこれはもういよいよその時が近づいてきたのだと感じた私は、
そのままミニーのそばにいることにしました。

最初はいつものように酸素室に入れていたのですが、
私と離れてしまうと、一生懸命探すように首を持ち上げようともがくので、
酸素室から取り出し、代わりに酸素濃度を上げそれを直接顔付近に充てることにし手元に。

IMG_3593.jpg
「ラクチンです♪」

こんな感じで数時間、ミニーは静かに穏やかに横にになってくれてはいたものの、
時折、「きゃん!きゃん!」と悲鳴を上げ、
その都度体をさすり声をかけ続けると、次第に落ち着き、また静かに横に。
しかし私はその度に最後の時がやってきたのかと、不安になりつつも覚悟を決めて…

ですが、ミニーは本当に頑張る子で、そういう場面を何度も乗り越えてくれ、
その間、私はミニー相手に出会った時のことや、一緒に散歩に出たときのこと、
お店で遊んだことなどをゆっくりと話をし、気が付くと深夜に、
そしていつの間にか明け方になっておりました。

その時にはミニーの息はかなり浅くゆっくりと、そして回数もかなり少なくなってきておりました。
この分だと血のめぐりも悪かろうと思い体をさすってみると、
背中も、そして手足も驚くほどに冷たくなっていたので、私は大急ぎで湯たんぽを温めに台所に。
レンジで温めるその間4分ほど、大急ぎでミニーのもとへ向かうと。
息はもう息と呼べるようなものではなく、口の両脇から空気が漏れ出すような感じの弱々しいもの。
ですが、私の気配を感じると、もう上がらない首を持ち上げようと力を入れるので、
首からのどにかけての筋が突っ張るように浮き上がる。

だから、もうこれが最後の時だとそう感じた私は寝ていた奥さんを呼び起こし、
「ミニーが逝くぞ。」

そして奥さんが慌ててミニーに駆け寄ると、先ほど同様のどと首筋に力を入れ、
そして口のわきから空気を漏れ出すように吐き出しました。
そして、そして、
その後すぐ、最後の息を吐き終えたミニーは、全身からゆっくりと力が抜けてゆき
そのまま旅だってゆきました。
2020年3月31日 午前6時45分 でありました。


こういう感じでミニーは最後まで一生懸命頑張ってくれ最後の挨拶もキッチリしてくれました。
また幸いにも、あの苦しい痙攣発作を起こすことなく穏やかに最後の時を迎えることができましたが、
これはきっと、「よくがんばりました」のご褒美ではないかと思います。
おかげでミニーはもちろんのこと私たちも本当に救われました。
(これは2週間前に見送ったへっちゃんについでも同様のこと。)

だから、見送ったその後も、「頑張ったな~。偉かったな~。」と、
悲しみよりもその前に、あの子に対するねぎらいの言葉をたくさんかけてやりたくなったのです。

がんばりb

そういうわけで、一昨年のお正月警察から引き取って、期間にしてはわずか2年間でしたが、
それ以上のもっともっと長い時間を過ごせた気がします。
そしてもちろん、それも私の大切な宝物。

だから今の悲しみとつらさも、同じくらい私だけの宝物です。


明後日、最後のお別れをしたらば、またこの子の話を少しさせていただきたいと思います。



IMG_1952.jpg



**追記**

こんなわけで、本当は今日「へちまの話」をアップする予定だったのですが、それもまた後日に。

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