一昨年(2017年)の10月にやってきて以来全くの放置だったこのランタン。
とある理由で復活させるべく、やっとこさ重い腰を上げました。
とはいうものの私はランタンには全く疎いので、一応ネットで調べてみると、
コールマン製の1950~60年代の製品でモデル名は228E.
なんでもプレヒート不要の「インスタント・ライト・システム」なんだそうです。
まあ、ピーク1ストーブと同じ原理ですね。
(ですので当然燃料はホワイトガソリン)
さてさて、一応素性は判明したものの、肝心の構造がいまいちよく分かっていない。
とはいえ、以前灯油のランタンをレストアした(バタフライ前編・後編)ので、
だいたいあのような感であろうとあたりをつけつつ作業開始。
そこでまず全体をざっと見てみると、ホコリまみれで気づかなかったものの状態は結構よさげ。
ですので、当初全部ばらして組みなおす気でいたのですが、
まずは最低限の手入れだけをして様子を見てみることにしました。
そういうわけでまず第一の確認は圧漏れチェック。
各バルブやガスケットなどの劣化、タンクのヒビや穴などの状態が確認できます。
まずはチェックバルブを取り外し確認。
思った通り、というかその予想以上にきれいな状態で申し分なかったのですが、
念のためパーツクリーナーでよく洗浄し、シールテープを巻き付けて組みなおすことに。
その次はフィラーキャップ。
これは劣化したパッキンが固着していたのをよいしょとはがすも、それはきれいなもの。
ついでにタンク内を覗いてみると、さびもなく、また異臭もしないのでここもOkかな?
、
ちなみにポンプロッドもご覧のようにきれいな状態で、皮カップも給油したら復活しました。
そういうわけで、フィラーパッキンを交換したのち加圧して圧漏れチェックいたします。
劣化したパッキンは、精密ドライバ(-)を使うと楽にはがせます。
その結果、加圧後24時間たっても圧漏れがないようなので一安心。
その後各バルブの動きを見るために潤滑剤を吹き付けたのち回してみたのですががこれもOK。
そうそう、この時要注意なのは、少し力を入れて動かない場合は
決して力任せに動かさないこと!
数十放置されたままのこういう河床は、固着がひどくなっているうえ、金属がもろくなっているので、
最悪ポキっと折れてしまいます。
ですので、回しづらいと感じたらば、まずは潤滑剤を浸透させ、
出来ればさらにその後トーチで炙ってから回すように心がけてください。
そういうわけで、圧漏れついでにエアの流れも確認できたし、
予想以上に内部の状態も気鋭そうなので、必要以上に分解することはやめることに。
こういう風にかなり年月の経ったものは、変にいじるとかえって調子を崩したり壊れたりしてしまうもんだから、
ある意味、「触らぬ神に祟りなし」なのであるのですよ。
とはいえ、必要個所は徹底的にメンテナンス!
このランタンでいうとこの「ジェネレター」というパーツ。
タンク内から圧送された液体のガソリンを燃焼熱を利用して気化させる重要部品で、
性質上内部にカーボンなどが溜まりやすく、またそれがひどくなると不完全燃焼を起こすのです。
ですので、消耗品扱いのパーツですが、クリーニングすれば再利用可能です。
で、分解してみると…
うん、やはりカーボンが付着している。
てなわけで薬浴&研磨で…
はい、ピッカピカ!
最初気づきませんでしたが、中に小さな真鍮のストレナーが入っておりました。
構造は同社のGIストーブシリーズのなどのヴァポライザーと全く同じですね。
さて、そういうわけでジェネレイターを組み上げてから本体に装着し、
その次はスピンドル周辺の漏れチェックをいたします。
ポンプで加圧後、バルブを開きスピンドル周辺に石けん水を塗りつけ漏れを確認。
あ!微妙に漏れてる!
とはいえ、この程度ならスタッフィングボックスを締めこめばすぐ収まるのですが、
せっかくなんで今回は分解して中の様子を見ておきます。
なおこいつのように何十年も放置されている個体の場合は、
大抵装着されているグラファイトガスケットが固着して引き抜きにくくなっております。
そういう場合は力任せではなくこのようにトーチで一炙り。
シュボボボ~♪
すると、真鍮とグラファイトの熱膨張率の差から固着が弛むので、
後はハンドルを回すだけで簡単に引き抜けます。
うん、見た感じかなりキレイで申し分ない
とはいえ、ガスケットの接面にはやはりカーボン汚れが付着。
このまま置いておくと、操作性もよくなくなるので、薬浴ののち磨き上げました。
これでOK!
その後再度チェックし圧漏れがないようでしたので、もうこれでたぶん大丈夫。
マントルを装着しテストしてみることにいたしました。
さて、結果は…?
見事点灯~! ヽ(^∀^)ノ
左右のマントルで若干の光量の差があるのが宿題だけど、
おおむねこれで使用可能なんでまずは良し!
とは言ったものの、やはり気になるので冷えてからチャンバーを取り外し中を見ると…
あ!こんなにゴミが!
そりゃあ、ガスのでも悪くなるから、明るさに差も出るわいな!
というわけで、掃除をして組付けて、再度実験。
よし!
ヽ(^∀^)ノ
*動画*
190929 Coleman 228E テスト
やはり炎由来の明かりは温かみがあってLEDとかとはまったく違うね~♪
てなわけで、今度のキャンプにはこいつを持ち出し楽しんでまいります♪
というわけで、これは無事復活したのですが…
実はこいつは肩慣らし!
本番はこいつだ!
見た目もそっくりなこれは、先ほどの228Eの後継機種228F。
ざっと見た感じ、欠品こそないものの、各バーツが錆びと汚れでコッテコテ!
もちろん固着もひどく、まずはばらすのに一苦労しそう。
そういうわけで次回はこいつを復活させてみます。
ヽ(^∀^)ノ
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