遺跡

آثَار(アーサール）

 エジプトへ何しに行くといえば、みなさん遺跡を見に行くのが王道でしょう。
 そして最後は、どこ行っても石ばっかり…と、食傷気味になるのではないだろうか。
 遺跡と一口に言っても、先史時代からイスラーム時代まであるので、16年エジプトに通っても、実際に見たのはほんの一握りである。遺跡はちょっと見ればいいという人におすすめなのが、バルーン見学。
 日の出のころに起き出して、王家の谷やカルナック神殿(写真）を見下ろし、ナツメヤシの木々の波にもまれる空の旅。現在の幹線道路沿いに遺跡巡りをすると、古代の人々はなんでこんなに離れた場所に神殿や墓を造ったのだろうと、ヘトヘトになりながら観光する。
 ところが、古代からある山道を歩くと、そんなに遠くないし、歩きやすい。夏は涼しいことも多い。
 上空から見下ろすと、それが良くわかる。
  古代の神殿は、キレイに色が塗られたレリーフでおおわれていたが、強い日射しに数千年もさらされ、すっかり退色してしまった。
 　疲れてくると、巨大な石の迷路を歩いて終わってしまう。
  そんな時は、柱の影などで休んでみると良い。
  見上げると天井に近い、日の当たらないところには、鮮やかな色が見える。
天井には星空が描かれることが多く、濃紺の空に、満天の星を見ることが出来る。
  その側には、ギリシャ語などのいたずら書きもある。
それは、その遺跡が砂に埋もれ、ナポレオンが来た頃は、天井近くを歩いていた証拠。

スフィンクスなどは、何度も歴史上から姿を消している。
時に、「ファラオにしてあげるから掘り出して！」と、夢枕にたったことも。
掘り出して王になった人の碑文も残っている。
空間から悪霊が入り込むと信じていた古代エジプト人は、どこもかしこも絵と文で埋め尽くした。
せっかく彫っても、時代が代わると、名前を書き替えられてしまうこともあった。
雀が休んでいる彫りの深い文字があったら、それは書き替えられないようにという、強い願いの現れである。[a]

 

私はもうすぐエジプトの空の下～♪　リクエスト受付中