goo blog サービス終了のお知らせ 

ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

悲惨な話

2010年10月23日 | Weblog


先日、六年ぶり位に知り合いの舞踏家から電話があった。口調は相変わらず明るく元気そうであったが、その内容は、口振りとは裏腹にかなり悲惨なものであった。

まず、離婚を正式にして、新しい彼女を作ったのはいいが結局ふられ、ちょうどその頃自身の膀胱癌が見つかり手術。手術そのものは成功したが、術後極度の躁鬱病にかかり(がん患者は陥りやすいらしい)全く働くことが出来ず、その間自殺未遂を二度ほど。最終的には生活保護を受ける。本人親兄弟とは絶縁しているだかいなかったのかのどちらか。投薬治療もあり何とか回復して働き出して生活保護からは脱却。その間、大腸ポリープが見つかったり、肺気腫になったりと病気のオンパレード。躁鬱は軽度になったが人格障害も起こす。そして現在に至る。

若い時の無理が一気に出たとしか言いようがない。食生活はむちゃくちゃだったし、タバコ酒は相当だったし、つけが回ると言うのはこういうことか。まあ、何とかある程度は回復したようだから、今のところは良いのだろうが、躁鬱は油断は禁物。呆気無く逝ったりするから。この舞踏家も、傍目からするとまさかあの人がというタイプであった。他人事のように感じる人が多いようだが、これは誰でもが可能性のある謂わば現代病である。変に励ますのもまずいし、またこっちに遊びに来るようにと言って電話を切った。まさか、躁状態だから電話をした訳ではないだろう。欝の時に、周りからこれで普通だから調度良いと言われたらしいから、本人にとっての躁状態はこんなものではないはずだ、と一安心。悲惨な内容だが、電話でついつい笑っちゃったのはこちらの性格の問題であった。
コメント