ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

サイタマノラッパー 感想

2010年10月11日 | 映画


ゲロゲロ少年Yに借りたDVD、「サイタマノラッパー」を見る。制作費100万(本当かどうかは知らない)とYが言っていたので、一体どんな自主映画か、つまり映画学校の卒業制作のような映画ではないだろうな、という一抹の不安を抱いての鑑賞だった。結果は、不安は一掃、実にちゃんとした映画であった。

内容は、成功を夢見る埼玉のラッパー達(見るからにしょぼそうな)の青春物語ということになるが、物語の中心であるラッパーが憎めないキャラで、知らず知らずの内に応援したくなる。本場のラッパーを真似ている姿は滑稽なのだが、それぞれの人物描写は地に足が付いてるというか、しっかり描かれている。映画で物語るときは、如何に省略するかが重要なポイントなのだが、その変のところも上手く抑制が効いていて、とても低予算映画とは思えない(というより低予算故かもしれない)。最初の、ラップしながら郊外を車で流す場面は、映画そのものであったし、低予算であろうが映画というのは成立するという証左のような作品であった。少なくとも、例えば、ルーキーズなどという映画の(あれを果たして映画と呼んでいいものかどうか)数倍は面白いことは間違いない。

Yが最近では一番の映画でした、と言ったのも強ち間違いではなかった。確かに最近の日本映画で、これは、というのは見つからない(一般公開されている映画では)。まあ、見てもないから断言はできないが、そこは経験則による推測ということで。
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