ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

壁の小品

2010年10月05日 | トマソン




壁の染みというのはなかなか変化に富んでいて、思わず目を止めてしまうような、これは新手のコンテンポラリーアートか、などというのもあっていろいろ楽しませてくれる。今回紹介するのは、お祭りの途中で見つけた一階と二階の間に隠れていた小品。こんなものでも私は見逃さないのだ。

建物自体が古い木造の洋館風の味のあるものだが、随所にその味の素を散りばめていた。このほぼ三角形の赤い棘のあるベロのようなものがその小品なのだが、黒い山並みから何かがエヘッとベロを出しているようにも見える。そして特筆すべきは、この黒い部分も見事にできた染みの一つであるということ。まるで花札の絵のようではないか。その色調が憎い。とここで疑問に思うのは、果たしてこの赤いベロは本当に染みなのだろうかということ。トタン屋根の色と同じなので、塗り替えの時何かの拍子にここにかけてしまっただけではないか。多分、そちらの方が事実に近いかと思うが、ここは全体のバランスを考えて(どんなバランスだ)染みとしておきたい。いずれにしろ小品としての価値が下がるわけではない。
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