先日フィッシュアンドチップスについて書いたと思ったら、今日のBSでイギリスの港町の本場のフィッシュアンドチップスを紹介していた(ぎりぎり偶然日記か)。その店では魚はタラ、オヒョウ、何とかヒラメ、メルルーサを使用してるようで、それに溶いた小麦をつけて揚げていた。ガストのようなパン粉フライは多分日本のやり方かと思う。過去日本のイングリッシュパブで食べたのは、本場風と日本風があったが、これも多分だが、本場ではフリッターが基本なのだろう。そして魚は白身なら何でもよく、タラが多いので(それに安いのだろう)基本タラになってるのではないか。見るからに労働者の食べ物だし。
店主に美味しい秘訣を尋ねると「新鮮な魚を使うから」と答えていた。どう見ても繊細な食べ物ではないのでそれしかないと見てる方も思った。後付け加えるのであれば油の状態だけだ。味付けは塩とレモンでモルトヴィネガーはなかった。しかし、地ビールの黒とフィッシュアンドチップスは単純に美味そうではあった。
イギリスで唯一食べられるものと言われている「フィッシュアンドチップス」。時に、それさえも臭く(魚の鮮度の問題)油っぽく(油と揚げ方の問題)たべられないという話もある。本場の経験はないが、日本では四五回食べたことがある。どれも冷凍もので大して美味くもないというのが正直なところだった。むしろポテトだけの方が良いと思ったりもする。まあ、鱈のような魚はフライにした方が美味いからこの組み合わせ自体は良いと思うし、ビールとの相性もかなりいいから個人的には魅力的。カラッと揚がって臭くさえなければ良いのだ。
写真のものはガストのフィッシュアンドチップスほぼ300円。今まで食べた中ではこれが一番納得。すべて冷凍だが臭くもなくビールのおつまみとしては最高。しかも値段が値段。例えこれ以上美味くなったとしても知れてるのでこれで十分と言える。後はモルトヴィネガーでもあれば本場感も出て完結。
何故東京タワーの近くに来たかというとこの店のため。
鰻の老舗としては有名どころ。ここはもちろん初めてなのだが、下北沢の店には結構行った。30年以上前の話だが、鰻を食べに行くときは常に下北のここだった。初めて食べたとき、鰻の柔らかさたれの味すべてが衝撃的だったのを覚えている。田舎の甘いばっかりのたれと時にゴムのような皮のかば焼きしかしらない人間が初めて江戸前の鰻に遭遇した瞬間だった。以来田舎の鰻は食べる気がしなくなったのだが、こういうのを舌が贅沢になったというのだろう。
数十年ぶりの江戸前鰻のかば焼きは勿論美味かった(お新香も美味い。ついでにお茶も)。このくらいの辛口のたれがやはり鰻の風味を生かして美味いと思う。しかし、値段は下北で食べてた時の倍近くになっていた。当時は2500円くらいだったはず。当時も高かったが今も高い。贅沢食の地位に揺るぎはないようで。あと、本店のここは老舗の雰囲気とサービスがちょっと違った。