松本へジャック.ロジェを見に行く。元々見る機会が少ない監督で、今回シネマセレクトで特集を組んだので見られることとなった。作品は「フィフィ.マルタンガル」。勿論初めて見る作品。唯一見た「さよならフィリピーヌ」は若い女の子がキャッキャ言いながらリゾート地に行って帰るだけという、こんなので映画になるのかという不思議なでも魅力的な映画だったが果たして「フィフィ.マルタンガル」は。
構造はほぼ劇中劇。舞台役者の稽古の場面が多くを占めるコメディーだ。結構だらだら続くのでちょっと大丈夫かと懸念したが、真ん中あたりから十分引き込まれた。特筆すべきは、この監督の作品の特徴なのかフィリピーヌでも感じたが役者がいやに生き生きしてること。それによって画面も生き生きしていてそれが魅力となっている。これは筋書きを追って楽しむ作品ではないので全く万人向けではないことも意味している。フランス国内でも評価してる人は多くないと想像する。以前映画好きのカウリスマキが好きなフラン人の大学生にジャック.ロジェは良いよ、と言ったら(勿論通訳付き)、彼はジャック.ロジェを知らなかった。
あとコメディーとは言ってもそれほど笑えるわけではない(フランス人と日本人の違いもある)。最後はよくあるドタバタになるのだが、日本のドタバタのようにいい加減しつこいという感じにならないところはどこか洗練されている。個人的には、マタ.ハリ(有名な女スパイ)という固有名詞が出てこなくてハラ.キリ(腹切り)と言ってしまう役者に対して、アドリブでチーズか!(Kiriのチーズ)と突っ込むところは笑えた。それと舞台の演出家の役者が今のデビッド.ギルモア(ピンクフロイド)に似てるのがツボだった。
最後に映画の内容とは関係ないが、入りの悪さが気になった。シネマセレクトという自主上映の団体が頑張ってるのだが気の毒なくらい人が入らない。松本辺りでもこの程度なのか。これではとても文化都市は言えないと思った。
もうこの時期スーパーカブに乗る時はダウンは必須。すれ違うバイカーもほぼ革ジャンなどの完全装備。唯小型バイクに乗ってる人にはちょっとそれじゃあと思うような人がいる。前方に二台で走ってる小型バイクがいたのだがちょっと遅く(原付だったら法定速度か)、追い抜いた時見ると、中年夫婦らしく、その奥さんらしき人の足元がスニーカーに裸足で運転も何やら恐る恐るだった。多分初心者。足元は風が入らないようにブーツに裾を入れるのはバイク乗りとしては常識だが、小型に乗る人はその辺り気にしない。スーパーカブ乗りの自分は勿論ブーツ。但しブーツはバイク用ではなく、ワークマンで買ったブーツ。まあブーツと言うより長靴だ。しかしこのブーツ、いや長靴、庭作業でも使うし大活躍だ。
ヤフオクで買った映画ポスターを額に入れた。A1サイズは思ったよりでかかった。玄関の6畳くらいのフリースペース以外だと掛ける以外なさそうだが、ポスターのデザインも思ったよりインパクトがあり存在感が強く周りと調和させようとすると難しそう。しかし良いデザインだとは思う、写真だとホラーっぽいムードだが。
映画は「暴力の季節」という1956年製作ジョン.カサヴェテス主演ドン・シーゲル監督の作品。日本でも公開されたようだが見たという人は殆ど居なさそう。非常に興味はあるがDVDもないので多分この先見る機会はないだろう。このポスターはドイツのもので紙も大分劣化していた。まさか日本の古民家で飾られるとはカサヴェテスも思ってもいなかっただろう。