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ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

蛇の道

2025年01月27日 | 映画

 

黒沢清の「蛇の道」をAmazonプライムで見た。柴咲コウ主演の映画で殆ど話題にならなかったと思うが、本人全編フランス語を喋ってて違和感はなかった。話としては医師(柴咲コウ)が自分の子供も犠牲者である臓器売買の組織に復讐するというもの。協力者と共に一人一人容疑者を誘拐して監禁して、やがて組織の中枢にたどり着くという一応サスペンスではあるが、途中まで何故誘拐するのか説明がない(全体でもそうだが)ので見てても何か置いてけぼり不穏さだけを感じる不思議な感覚の映画である。これは黒沢清の映画の特徴(魅力)でもあるので、この辺りが感受されないと全く面白くないと思う。菅田将暉主演の「クラウド」もその例に漏れずだ。どちらも一般受けはしなさそう。

「蛇の道」では一つ役者に関して。有名どころのマチュー.アマルリックが情けない役で出てくるが、これは多分、黒沢映画だからでということだろう。

 

 

 

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アマゾンプライムのイメージ

2024年11月26日 | 映画

 

カウリスマキ好きと映画の話をしてると時に、アマゾンプライムにカウリスマキの映画沢山あるよと教えると、早速確認して大喜びしていた。どうやらアマゾンプライムにそういう品揃えがあることを知らなかったようだ。アマゾンプライムに対する一般のイメージは、娯楽大作或いは人気ドラマシリーズ中心というもので、シネフィル用はないと思われている。

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ゴダールのDVD

2024年10月29日 | 映画

 

この前、DVDのついで買いのついで買いで買ってしまったのがゴダールの「フォーエバーモーツァルト」。ゴダールのDVDは割とお得な価格(1000円ちょっと)で販売されていて見てないものはつい買ってしまう。面白いと思うかどうかは見てみないと分からない。平均すると半分くらいで、半分は途中で眠くなり離脱。そのポイントが何なのかは未だに分からない。

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DVD

2024年10月20日 | 映画

 

久しぶりにDVDを注文。「花ちりぬ」監督石田民三という全く知らなかった作品。参考にしているブログで紹介されていて興味が湧いたのだ。もう一枚は鈴木清順の「殺しの烙印」。これは清順映画の中で一番好きなもので前からDVDを欲しいと思っていた。そしてページに表示されたお勧め映画、溝口健二特集に一瞬惹かれたが、好きな「山椒太夫」「近松物語」が入ってなかったのでここは留まった。ついでに買ってしまうというのは過去何度もやっていて、あまり当たった記憶がない。

 

 

 

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カウリスマキ

2024年10月11日 | 映画

 

カウリスマキの「真夜中の虹」と「コントラクトキラー」をアマゾンプライムで見る。カウリスマキの映画は結構見てるのだがこの代表作は見る機会がなく、今回アマゾンプライムで発見しやっと見ることができた。どちらもカウリスマキらしいとぼけたユーモアのある、監督が得意とする失業者が主人公の暗い話、なのだが、見てる方は暗い気分となることはない。画面自体も暗いのだが見終わった後にはその暗さも心地良くなる。今回思ったのはカウリスマキの映画(特に初期の)のユーモアと物語性を削ぐとブレッソンではないか、ということ。映画の可能性とは何か。いずれにしろハリウッド映画の対極的位置にある映画であることは間違いない。

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贅沢な映画鑑賞

2024年09月21日 | 映画

 

公開される映画は全部抑える、という監督は何人かいてその一人が黒沢清(他は濱口竜介と故人となってしまったが青山真治)。新作の「クラウド」も当然見ようと思ってるのだが、調べてみるとこっちで公開する映画館がなさそう。まあ予想通りではあるが、そうなるとやってる映画館がある東京かということになる。吉祥寺のアップリンクが一番の候補。

以前だと映画の後に何カ所か行って色んな用を済ませたものだが、今は映画の後は疲れてしまってどこかに行く気は起きない。せいぜい何かを食べるくらい。すっかり贅沢な映画鑑賞となってしまった。

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自由を我らに

2024年07月29日 | 映画

 

テレビはどこもオリンピックだらけで見る気が起きないのでDVDでも見ようと自分のストックを漁る。このパタ-ンで何度も見たのがゴダールの「軽蔑」「ウイークエンド」。しかし今はちょっとゴダールの気分ではない。そこで目に止まったのが、以前ブレッソンの「ブローニュの森の貴婦人たち」が見たくて買った10枚組のフランス映画集。この中にはまだ見てないのが数枚ある。しかし今さら「禁じられた遊び」でもないしと他を見ると、ルネクレールの「自由を我らに」はまだ見てないことに気付いた。そこで早速見ることにした。

実はこの監督ルネクレールと「禁じられた遊び」のルネクレマン、今まではっきり区別がついていなかった。一般的には「太陽が一杯」も撮ってるルネクレマンの方が知名度はあるのだろう。一方のルネクレール。実は「眠るパリ」「幕間」のビデオを所有していてその表現スタイルに感心していたのにも拘らずこの名前をしっかり認識していなかったのだ。

で今回の「自由を我らに」。1931年の映画にも関わらず今にも通ずる洗練されたSF的な表現もあり、やはり独自の表現スタイルを持った監督だと再認識した。チャップリンの「モダンタイムス」に影響を与えたなどと言われるらしいが、むしろこの映画が「メトロポリス」の影響を受けた、という方が実際のところに近いのでは、と思った。

 

 

 

 

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悪は存在しない

2024年06月21日 | 映画

 

レイトショーで映画。見たのは濱口竜介の「悪は存在しない」。撮影を近辺でやったので、地元の映画館でも上映することになったということだろう。地元の新聞でもよく取りあげられている。是枝裕和の「怪物」のパターンだ。しかし映画の内容と監督の知名度でその熱量には違いがある。「怪物」はストーリーの点で分かり易いが、この「悪の存在」は、結末一点であるが、かなり難解と言えるかもしれない。

話しそのものは単純で、村でグランピングを計画してる開発業者が住人に説明会を開くが、その内容に疑問を感じた住人側に徐々に開発反対の気運が生まれていく、というもの。しかし主人公の生活は何で成り立っているのかとかどこか怪しさがあったり、まき割が仕事かと思うほどまき割のシーンが続いたり、冒頭の下から梢を見上げる移動シーンが続いたと持ったら最後には夜の同じようなシーン(ちょっとフリードリヒを思い出した)が続いたりとか、「ドライブマイカー」でも感じた監督の表現スタイルがどこか心地いいのも事実。

個人的には主人公がカフカのムルソーのように見えた。森が大きな主題で、文明以前の象徴として描かれているとすると、この映画は悪の概念以前の世界として悪は存在しない、と言っているのかもしれない。まああまり解釈は必要なく、ちょっと不思議な世界を体験する、くらいの感覚で見るのが良い。しかし100人中98人は訳わからないで終わりそう。

訂正:カフカではなくカミユで、異邦人の主人公がムルソー

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インド映画

2024年05月07日 | 映画

 

BS12でインド映画特集をやっていたのでちょっと見てみたが、あまりにカット割りが忙しく見てられなかった。トニースコット辺りを参考にしているのかもしれないが、やり過ぎ。大袈裟な演出はインド映画の真骨頂と言えるかもしれないが、役者も全然格好良くないし(インドでは人気だが)全体的に安っぽく感じるのは否めない。

 

 

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オッペンハイマー

2024年04月25日 | 映画

 

オッペンハイマー、ロスアラモス、マンハッタン計画というのはセットで覚えている。これを題材にした映画が過去ありその時にきっちり覚えたのだが、その映画というのはアルドリッチの「キッスで殺せ」。もっともこちらは架空の話でアクション映画の傑作。今回のオッペンハイマーとは対照的な作品だ。

映画「オッペンハイマー」はオッペンハイマーという人物を描くのに何と三時間余りかける。しかも構成は聴聞委員会の場面とオッペンハイマーが実際に動く主に過去の場面を交互に見せるというもの。正直良くこれで三時間も持たせたものだ思った。しかしサスペンス要素も加え上手いこと最後まで飽きさせない。ちょっとしたエピソード、例えばリンゴ=ニュートン=古典力学を捨てるところなど(毒殺絡みのサスペンス場面でもあるが)、新たな量子力学の世界に変わるという意味を持たせたなような演出と、細かなところにも大分気を使っている。そんな積み重ねが映画全体の重厚感を形作ってるのだろう。それとオッペンハイマーの原爆に対する複雑な気持ちというのは十分描かれていた。

後、役者だが、見てる時は半分くらい気付かなかったが有名どころがいっぱい出ている。主役は知らなかったが、ボーアがケネス.ブラナーというのは分かった。が、もっと重要な役のストローズ(オッペンハイマーを失脚させようとする)がメイクで殆ど分からなかった。それはロバートダウニーJr。ジョシュ.ハートネットとゲイリー.オールドマンもちょっと似てるがとは思ったが確信は持てなかった。マット.デイモンは太った姿をナイキの映画で見てるので問題はなかった。それとは関係なくちょっと驚いたのがマシュー.モディーン。すっかりお爺さんで最初気づかなかった。

 

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正月のDVD

2024年01月05日 | 映画

 

正月は特番を見る気がしないので手持ちのDVDで映画を見た。見たものはイーストウッドの「アウトロー」ブレッソンの「ラルジャン」そしてウエスアンダーソンの「フレンチディスパッチ」。どれも三回以上見てるものだ。そして今回も面白く見ることができた。

 

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The fog

2023年11月25日 | 映画

 

昔ジョン.カーペンターの同タイトルの映画があった。霧と共に復讐のための亡霊が現れるというもの。B級映画だがそれなりに面白かった記憶がある。確か吉祥寺の映画館で観た筈。

 

 

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ジャック.ロジェ

2023年10月22日 | 映画

 

松本へジャック.ロジェを見に行く。元々見る機会が少ない監督で、今回シネマセレクトで特集を組んだので見られることとなった。作品は「フィフィ.マルタンガル」。勿論初めて見る作品。唯一見た「さよならフィリピーヌ」は若い女の子がキャッキャ言いながらリゾート地に行って帰るだけという、こんなので映画になるのかという不思議なでも魅力的な映画だったが果たして「フィフィ.マルタンガル」は。

構造はほぼ劇中劇。舞台役者の稽古の場面が多くを占めるコメディーだ。結構だらだら続くのでちょっと大丈夫かと懸念したが、真ん中あたりから十分引き込まれた。特筆すべきは、この監督の作品の特徴なのかフィリピーヌでも感じたが役者がいやに生き生きしてること。それによって画面も生き生きしていてそれが魅力となっている。これは筋書きを追って楽しむ作品ではないので全く万人向けではないことも意味している。フランス国内でも評価してる人は多くないと想像する。以前映画好きのカウリスマキが好きなフラン人の大学生にジャック.ロジェは良いよ、と言ったら(勿論通訳付き)、彼はジャック.ロジェを知らなかった。

あとコメディーとは言ってもそれほど笑えるわけではない(フランス人と日本人の違いもある)。最後はよくあるドタバタになるのだが、日本のドタバタのようにいい加減しつこいという感じにならないところはどこか洗練されている。個人的には、マタ.ハリ(有名な女スパイ)という固有名詞が出てこなくてハラ.キリ(腹切り)と言ってしまう役者に対して、アドリブでチーズか!(Kiriのチーズ)と突っ込むところは笑えた。それと舞台の演出家の役者が今のデビッド.ギルモア(ピンクフロイド)に似てるのがツボだった。

最後に映画の内容とは関係ないが、入りの悪さが気になった。シネマセレクトという自主上映の団体が頑張ってるのだが気の毒なくらい人が入らない。松本辺りでもこの程度なのか。これではとても文化都市は言えないと思った。

 

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映画ポスター カサヴェテス

2023年10月15日 | 映画

 

ヤフオクで買った映画ポスターを額に入れた。A1サイズは思ったよりでかかった。玄関の6畳くらいのフリースペース以外だと掛ける以外なさそうだが、ポスターのデザインも思ったよりインパクトがあり存在感が強く周りと調和させようとすると難しそう。しかし良いデザインだとは思う、写真だとホラーっぽいムードだが。

映画は「暴力の季節」という1956年製作ジョン.カサヴェテス主演ドン・シーゲル監督の作品。日本でも公開されたようだが見たという人は殆ど居なさそう。非常に興味はあるがDVDもないので多分この先見る機会はないだろう。このポスターはドイツのもので紙も大分劣化していた。まさか日本の古民家で飾られるとはカサヴェテスも思ってもいなかっただろう。

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懐かし映画   ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト

2023年10月10日 | 映画

 

この映画もBS12でやっていたもの。公開当時は「ウエスタン」というタイトルで、それに20分ほど足したオリジナル版がこのタイトル。当時でも結構長いという印象だったが更に長くなって2時間45分。流石にこの長さでは公開できなかったのも納得。

実はこの映画、DVDでも持っている。にも拘らず後半半分くらい見てしまった。監督セルジオ.レオーネ音楽エンニオ・モリコーネというゴールデンコンビの映画で、他の「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」と比べると大分地味でしかも長い。主演もチャールズ.ブロンソンとクリント.イーストウッドに比べると華はない、が中々いい映画だ。基本的には復讐劇で、絡んでくるジェイスン.ロバーツやクラウディア.カルディナーレがかなり魅力的(一大叙事詩と捉え敢えて主役を限定しない見方もあるようだ)。そして劇中なんどもかかる音楽が耳に残る。公開当時一回見ただけで覚えてるのはこれと「ボルサリーノ」くらいなものだ(ボルサリーノな大した映画ではないが)。

そして改めて見ると、イーストウッドの「荒野のストレンジャー」「ペイルライダー」の原型はこれか、と気付かされる(と自分だけで思ってるのかもしれない)。もはやチャールズ.ブロンソンは亡霊ガンマンにしか見えない。

 

 

 

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