ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

Y サッカー 野球

2012年03月31日 | Weblog

 

当分顔を出さないと思っていたゲロメッティYがひょっこり現れた。始めはどこかばつの悪そうな態度だったが、サッカーの話を振ると途端に饒舌になった。ガンバの監督問題とか、口角泡を飛ばす勢いで、言いたいことは溜まってたようである。しかし本人曰く、今年は冬眠だそうだ。傷は癒えてないのだろう。

BSでやっていたヨーロッパサッカーのスタジアムレポートを見たのだが、あの雰囲気は凄いものがある。5万人の観衆が一斉に名前を呼ぶのだが、あれは歌手のライブなんかで大盛り上がりの雰囲気に似ている。一瞬にして一体感を味わうというやつで、中心にいる選手にとってはえらい快感であろう。陶酔の域かもしれない。香川も良いチームに上手くフィットしてよかった。尤も、そもそもがドルトムントの監督が目をつけたのだから、監督に見る目があったということでもあるが(監督の資質には必須条件)。

それに引き換え、魅力を感じないのが日本人大好きプロ野球。ニュースに割く時間が長過ぎる。イチローを神の如く奉るのも勘弁してほしいし、しょぼいヒットを打ったからといって騒ぎすぎだ。それより、今回の来日したときのイチローの格好はちょっとやり過ぎだったのでは(頑張りすぎ)と思ったが、世間ではそうでもないのか。本田や中田にも言えるが、やり過ぎは滑稽に通じる。今回のイチローの格好は、お前はパリコレモデルか?という風に見えたが、ファンにとってはあれも格好良いということになるのだろうか。松坂のダサダサよりは益しかと思うし、松坂より遥かにプロ意識が強く選手としても立派だと思うが、結局変に神格化されているところが厭なのだろう(多分)。それに野球全体に関しても、松坂ではないがダサダサなイメージしかない。

 

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旅ブログ 古墳を歩く②

2012年03月30日 | Weblog

 

予定通り「gu」(今日銀座店オープン)にてチノパンを受け取り、松本方面に向かって歩き出す。この通りは、所謂典型的な郊外の通りで、店はどこにもあるようなものばかりで無個性で面白みはない。

そんな中銅像が。これは誰?と思ったら一茶だった。となると何故?ということになる。

最近の「Mどなるど」はこんなモダンな造りなのか。

そう言えばこの前、ここのCEOがテレビに出ていた。外食産業の中では殆ど一人勝ち状態でもあり、有能な経営者としてのゲスト出演だった。有能であることは間違いない事実だが、「Mどなるど」によって加速度的に食文化が貧困になったという事実を考えると、何だかねえと慨嘆したくなる。売れるものが良い物という論理を前面に押し出されたとき、文化がどうのという論理は無力やねえ。

唯一あった味のある店舗はこのアウトドア用品を売ってるらしき店。しかし、ノースフェイクを着た人間にとっては、この本物を売ってる店の前は足早に通り過ぎるしかないのだ。ノースフェイクの悲哀をまさかここで味わうとは。

市内に近付くとともに味のある建物もちらほら。

路上のジャクソン.ポロック

松本市民芸術館(伊東豊雄設計)

そしてまたまた「クチーナにし村」。歩き疲れたときは(今日もほぼ6キロコース)リラックスできる店が嬉しい。たまには店内の風景を。

Mに始まって対照的なNで終わると。今日は手打ちパスタを食べたかったので、いつものランチではなく単品を頼む。「タリアテッレ 牛すね肉と豚肉のラグーソース」。強いて言えばミートソースなのだが、スパゲッティミートソースのミートソースとは似て非なるもの。ソースというよりそぼろの方が近いかもしれない。肉の味がぐっと押し出されたもので、肉のしっとり具合と味付けが絶妙で美味しい。赤ワインとの相性もばっちりだった。その後は電車で一眠り。

 

おわり

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旅ブログ 古墳を歩く

2012年03月29日 | Weblog

 

桜の名所でもある「弘法山古墳」に行くことにした。その時期には結構な人出であるが、今の時期は多分人っ子一人いないであろう。ということで、南松本駅で降りる。

ここから1キロちょい。途中「多賀神社」という神社があったのでちょっと寄る。去年6月30日の地震(震度5強)の爪跡が未だに残っている。灯篭の上部が落ちたままだし、謎の石積みも何かが上に乗っていたようだし、どうも修復費が順調に集まっていないのではないかと想像される。氏子が少ないのか?これでは延命効果も今一つ説得力を持たない。

「弘法山古墳」は「多賀神社」から直ぐの所にあった。近くに「Gu」もあったので、ついでにチノパンを買うことにした。考えてみると、休日用はジーパン二着ぐらいしか持ってなかった。一着1450円なり。プラス裾上げ費用300円を支払って、それができるまでの時間を利用して古墳の頂上を攻めることにした。

頂上までは、小道が回り込むように伸びているようだったが、ショートカットして直攀することにした。と言ってもそこは古墳(前方後方墳らしい)、土手を上がる程度の難易度だ。下部より頂上に向かって7割程度は桜がぐるっと古墳を覆っているので、満開になったらさぞかし見事であろう(脳内で楽しんだ)。しかし今は、予想通り人っ子一人いない古墳で、やはり古墳はこうでなくっちゃ、と思った。

頂上からの下りは、小道を歩く。とここで、何かが飛んだ。今年初の「てふ」だった。実は、多分いるのではないかと期待していたのだった。止まったとこを確認して、慌ててレンズを交換する。野外で交換するのは初めてだ。思ってた通り、スムーズな交換とはいかなかった。が、何とか装着して慎重にアプローチ。何度やってもドキドキする瞬間だ。で無事に撮れたことし初のてふは「ヒオドシチョウ」。成虫で越冬したものだ。その割には完品に近い。しかもこのてふ、過去あまりちゃんと撮れていかったので(特別珍しい種類ではない)嬉しさも倍増。

そして更にもう一頭、それは「テングチョウ」。このてふは、それこそどこでもみかけるものだが、その年の初となると感慨はひとしお。

 

つづく

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元舞踏家

2012年03月27日 | Weblog

 

例年だと、そろそろツバメの第一陣を見ても良い頃なのだが、今年はいつになるのだろうか。先日、元舞踏家が、パート.ド.ヴェール(ガラス技法のひとつ)の作品(ガラスの里で展示)を見についでに訪ねてきた。生活保護を脱し、見掛けはいつもと変わらないのだが、今や立派な精神疾患(膀胱癌の後かなりの躁うつ病になった)認定ということらしい。舞踏から始まって、木工、金属加工、ガラス細工とまあいろいろ手を出しているが、元々が器用なのでどれもそこそここなしてしまう(車やバイクをいじるのも好き)。それが大きく収入に結びつくことがなかったから、一種の器用貧乏と言えるかも知れない。しかし、流石に年を食ってきた今、いろいろ手を出すのは止めてパート.ド.ヴェールの作品作りに集中したいということであった。ここで作品作りの原点回帰をしたいということであった。と、宣言したのだが、今まで何回か同じような宣言は聞いたことはあるが、大体次に合うときはすっかりそれらは過去のものとなっていた。果たして今回はどうなるか、次回が楽しみである。生きていれば。

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修理工場の美

2012年03月26日 | 芸術

 

旅ブログを書いていたらすっかりそれに慣れてしまって、普段のブログの書き方を考えてしまって今一つ調子が出ない。写真中心は楽だった。というわけで今日も写真でお茶を濁そうと既に思い始めている。この写真、前々から気になっていたある自動車修理場の壁だ。奥行きがなく(4メートル位か)、全てが道に面していて丸見えで、ちょっと舞台のセットのような雰囲気があるのだ。壁にはぎっしり道具類がかけてあり、その様が魅力的なのだが、そんなことを感じる人間もそうはいないことは分かっとります。でも、美を感じてしまう私なのです。

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旅ブログ 安曇野編 街道を行く④

2012年03月25日 | Weblog

 

それにしても、たった6キロの街道歩きで④まで引っ張るかの最終編。

大型犬のような野太い鳴き声がすると思ったらこんな施設が、描かれているのはグレートデンか?

建物も少ないくなり、古いものはもっと少ないので、たまにこんなものがあると、オーってことになる

そして、こんな風景にぽつんとある木までが気になってくる

こんな木も「ちょっと気になる木」

7-11が去った跡(多分)

避雷針だか風向計が曲がったままの火の見櫓

ルノーエクスプレス、以前この前の型に乗ってたのでついつい見てしまう

そして、「梓橋駅」に到着

次の電車までちょっと時間があったので、梓川の河原に下りる

河原の石

駅のホーム

松本に到着

 

「クチーナにし村」にて昼食。珍しくロゼなどがありそれを頼むと、嘗てはロゼなどというと白でもない赤でもない味もどっちつかずの微妙なワインだったが、これはバランスの良い美味しいものだった。昔と較べるとロゼも変わってきているのだろう。「にし村」のマダームが、レバーペーストに添えられた干し柿のことを強調する。分かっとりますがな、良い相性でした。フレンチだとよく干しイチジクを使うが、あの感覚だ。その後、ジョンレノンやらオノヨーコの話で盛り上がり、店を後にした。

 

おわり

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旅ブログ 安曇野編 街道を行く③

2012年03月24日 | Weblog

 

ちょっと小腹が空いたので店に

前回は、地元の発想で「わさび風味の柿の種」だったが、今回は全く関係ないこれ

やはりブラックの方が良かったかと思いながら歩いていると、いつしか周りはこれぞ安曇野という風景に変っていた

安曇といえば「道祖神」

人の住んでない建物も目立つ、ここまでくれば廃屋

その初期段階は空家

ラン抜き看板

唯の通りだが

建物を挟んだ左の通りははこんな神社、その風景の落差が凄い

レトロな会社

ラーメン、安!でも店は既に廃業、のよう。

こういうロケーションだと普通墓石売り場なのだが、これは本物のお墓

ママベ、キター!

 

まだ、つづきそう

 

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旅ブログ 安曇野編 街道を行く②

2012年03月23日 | Weblog

 

豊科の一応商店が並ぶ街道沿いでは、白鳥が飛び立とうとしていたり

緑と黄色のコントラストが目にも鮮やかなこんな建物があったり

ちょっとわき道に入れば歴史を感じさせる看板壁もある、ということで豊科は、全体では味を感じる街であった

 

そして建物が少なくなるとどうしても目に飛び込んでくるのは、北アルプスの姿、こうやって見るとつくづく日本の風景には電線が多い

もう一ちょアルプスを

唐突に出現したこの温泉、暖簾が出てるけど営業してるのか?

そして視線を地面に落とすと、ありましたフットマークが、前回穂高からの道中にもあったが、どうやら千国街道のスタンダードのようだ

南安曇農業高校

この街道、人は通らないが(ずっと誰ともすれ違ってない気が)、車の通行は多く、歩くのにはあまり適さない

先ほどから左の小指がチョと痛い(初めて履く靴の慣らしも兼ねてるので)ところに豊科高校

 

まだつづく

 

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旅ブログ 安曇野編 街道を行く①

2012年03月22日 | Weblog

 

前回は「穂高」から「豊科」まで歩いたのだが、今回は、その「豊科」から「梓橋」を目指し、千国街道を歩くことにした。前回は豊科駅周辺を半径30メートルほど探索したに過ぎないので、実質今回が初めての豊科の街である。

早速味のある建物が

何だか古そうな劇場も、周辺にはアジアの匂いが漂っている。ホウ.シャオシェンの「童年往時」を思い出した。

地方の街は人の気配がなく、どこか「忘れられた街」といった風情がある。

だから、Gタイプ(原爆タイプ)は間違いなく存在する。

 

つづく

 

 

 

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鬱陶しい中継

2012年03月20日 | Weblog

 

今朝は、予報ではマイナス5度だったが実際はマイナス4.3度、このくらいだったらほぼ予報通りということだろうか。それにしてもなかなか暖かくならない。の割には鯉の池は直ぐに濁り灯篭型クリーナーのフィルターに汚れが詰まる。すでに掃除は二回。その度にたっぷりのヘドロが溜まっている。暖かくなると更に汚れの加速度が増すのでこの先非常に思いやられる。

BSNHKで突然野球放送になり、何事かと思ったらダルビッシュが出るオープン戦の中継だった。たかがオープン戦を生中継するか?と当然思うのだが、日本国民はそれほどに彼の活躍に関心があるのだろう、というよりは、何度も何度も取り上げることによって無理やり注目させる、いつものマスコミ得意のマッチポンプ的常套手段だ。個人的には全く興味がないので、BSで野球をやられるとがっくり来る。もう一つがっくり来るのはゴルフ中継。こんな時は、世の中から野球とゴルフがなくなってくれると本当すっきりするのに、と心から思う。

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アスパラのキッシュ

2012年03月19日 | 食べ物

 

このところスーパーでは、メキシコ産のグリーンアスパラが大分お安く売られている。味の方はどうかというと、普通にアスパラの味で結構美味しく食べられたりするのだが、風味の点で地物に劣るのは仕方ない。鮮度が良い訳はなのだから。

そんなアスパラを使ってアスパラのキッシュでも作ろうかと思ったのは、結局はその値段のせいだったのか。まるで今が旬かと錯覚するようなアスパラ売り場、自然とそういう発想になってしまった。この場合、アスパラのゆで方がポイントで、火を通し過ぎないようにしなくてはならない。根元と先は当然時間差攻撃。たまに根元が竹か?と思うような硬い物があるが、今回のものはそれに近かった。しかも、ゆでたときの香りが今一つ弱いというよりちょっと変な香りがする。昨日に引き続き安いものの宿命か、と思った。味にばらつきがあるのは仕方ないことなのか。質のよいものを求めるなら、それなりのものを買わないとということだと思うが、取り敢えずキッシュ作りは続行。

ゆでたアスパラに軽く塩をしてオリーブオイルを振り味をなじませる。空焼きしたパイ皮に訳ありハモンセラーノをちょっと敷き、アスパラを並べ、グラナパダーノ入り生クリーム(アパレイユ)を注ぎ焼く。アパレイユは以前、生クリーム牛乳半々でやっていたが、最近は生クリームのみにしている。くどくなりすぎると言われがちだが、アパレイユの全体量を少なめにして具を多くするとそんなこともなく、あっさりし過ぎよりは好みに合っている。今回は、アスパラ12本を使ったがもう少し多くても良かった。ただ、矢張りアスパラは、より風味のいいものを使った方がより美味しくなるだろう。

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訳ありハモンセラーノ

2012年03月18日 | 食べ物

 

この前ネットで買ったハモンセラーノは、市場価格の半値くらいだった。端ばかり集めたものではその価格帯はよくあるが(お徳用ってな感じで)、ちゃんとしたものではそこまで安いのは珍しい。当然のこと食いついたわけだが、やって来たハモンセラーノは、見た感じでは結構熟成していて質の良さそうな物に見えた。これは良い買い物であったと思った。そして味見をしてみる。感触がちょっと違う。質感が日本製の生ハムによくある生肉っぽいものに似ている。乾燥熟成した、きめ細かな蝋質のようなものではない。香りも熟成した香りと言うより、普通のハムっぽい香りが感じられる。ハモンセラーノ特有の香りに乏しいし、味にむらがあるのだ。ただ、旨みは十分あって決して食べられないほど不味いわけではない。

というわけで推測すると、これは、熟成が今一つ上手く行かなかったものを処理するために安く出したものではないのだろうか。安いものには訳がある、という当たり前の事実をここでまた実感した(と言いつつこの先も同じようなことを繰り返すと思うが)。味的には、最初から訳ありと断っている端を集めたものの方が上である。

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音 身体感覚

2012年03月17日 | Weblog

 

最近は無料動画ばかりとなって、レンタルもすっかりご無沙汰だ。最後に借りたのがいつだったか、もう記憶にない。それにしても、パソコン上の小さい画面で観るのは、映画の良さの何分の一かは損してると思うのだが、慣れとは恐ろしいもので、この前久しぶりに映画館のスクリーンで観たら(ドラゴンタトゥー...)、迫力を感じるどころか音がうるさくて堪らなかった。音響効果というのも映画の一部になってるが、はっきり言ってうるさいだけだ。そう言えば昔、ボディーソニックなどというのが出始めた頃、その席を導入した映画館で観たことがあるが、大した感動もなかったことを思い出した。どうやら、音による身体感覚は快感より不快の方が多いようだ。ビオトープの静寂の世界の方が遥かに心地よいのも頷けるというものである。

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フリース 素材について

2012年03月16日 | Weblog

 

予報ではマイナス7度ということであったが、実際はマイナス5.3度。覚悟していたが、大したことなかった。予報は、覚悟しているときは大体裏切られ、当たったためしがないという印象だが、これは、当たったときは記憶してないというのが主な原因であろう。

さてまたまたノースフェイクの話。インナーとして着脱式のフリースのジャケットが付いてきたのだが、この時期に丁度よく愛用している。これも今回初めて実感したのだが、同じフリース素材でも、物によって暖かさが結構違う。矢張り、お高めのものの方が質が高いという傾向があるようだ。絶対とは言えないのが、難しいところだが、良いものはより暖かい。実際、十何年前に買ったL.L.Beanのフリースジャンパーは、今着てもかなり暖かい(残念ながらデザインが今一つで、作業用に回された。L.L.Beanはデザイン的に今一つが多い)

で、このノースフェイクのフリースはどうかというと、フリース云々と言う前に絶対的な欠陥があった。フリースのくせに、内側にナイロン素材のゴワテックスを使ってるのだ。今の時期に丁度よいと言ったのは、その欠陥のせいなのだ。どういうことかというと、もっと寒いときは、この内側のゴワテックスがひんやりと背中を冷やしかえって寒く感じるから。ここにゴワテックスを使う理由が分からない。インナーに使っても仕様がないと思うのだが、ここがノースフェイクたる所以であろう。ゴワテックスのつなぎ目の縫製も、しっかり縫ってはあるのだが直線ではなくカーブを描いていた。

 

 

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十割蕎麦

2012年03月15日 | 食べ物

 

蕎麦も、以前は色んな店に行っては食べたものだが、今は行きつけの「更科」以外は殆ど行かなくなった。そんな蕎麦事情の中、偶々ある地元の蕎麦屋に入ることになった。そこで十割蕎麦の盛を頼んだ(大盛りで)。まず塩で食べるように(こういう店も最近見かける)と言われ、一応ちょっと塩で食べて、後は普通に食べた。いつも思うことだが、塩で食べてもあまり美味いとは思わない。蕎麦を鑑定したいわけではないのである。

そこで十割蕎麦についてだが、過去多くの店で食べてみての感想としては、一般的な二八蕎麦と比較してより美味いと思ったことは殆どない、ということである。香りについても、十割の方が理論的には蕎麦粉が多いのだから蕎麦の香りがより強くていい筈だが(挽き方の違いもあるが)、これがどういうわけかそう感じたことがない。今回の十割も、「更級」でいつも食べる田舎(外二というからつなぎ約1.7対蕎麦粉8.3だ)の方が遥かに蕎麦の香りは強い。もう一つ共通して感じられるのが、喉越しの違いである。十割は、大体もさっとした感じがあり、あまり切れを感じない。想像するに、十割は切った時に角が立ち難いのではないだろうか。所謂蕎麦界で言われる、エッジが立ってないという蕎麦だ。

というわけで、個人的には一般的な二八のほうが美味いと思うわけだ。値段的にも十割は3割アップ位するし(二八から十割は、原価としては25パーセントアップだから三割アップは高いということになる)良いことは一つもない。ここで一店だけ十割で切れのあった店を思い出した。駒ヶ根にある「丸富」という店だ。十割にもかかわらず細く、その技術の高さには目を見張った。但し、香りについては、そこでも二八の盛(ちょっと粗挽き)のほうが強かった。結局、ポイントは挽き方にあるようだ。

 

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