ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

ヴェルディブ

2012年07月31日 | 映画

 

このところフランス映画を三本観たのだが、そのどれもが歴史上のある事件をテーマ或いは背景にしたもの。その事件というのは、第二次大戦下、ナチスに実質支配されたパリで起こったもの。1942年、ナチスの命令で、フランス警察がユダヤ人13000人(子供も含め)ほどを競輪場に強制収容したという事件なのだが、これはヴェルディブ事件と言われるフランスが触れられたくない事件だった。その理由は、ユダヤ人迫害にフランスも加担したものだったから。シラク大統領(当時)が正式に謝罪して公式に認められたという経緯があって、それを題材にした映画が立て続けに作られたのだろう。

それらの映画というのは「パティニョールおじさん」「サラの鍵」「黄色い星の子供たち」の三本。「黄色い星の子供たち」が一番事実に近い形で当時の事件を再現しているように感じるが(実際はどうなのかは知らないが)、どの映画も、捕まった子供、或いは逃げた子供の脱出劇を上手く絡ませている。一時的に競輪場(ここの環境がこれまた劣悪)に集められたユダヤ人は、その後格収容所に送られ、その殆んどは生きて帰ることはなかった。その中での子供の脱出劇となると、観てる方は分かってはいるがどうにか成功してほしいという気持ちで物語の展開を追う。その点で一番基本的なお話となっているのは「パティニョールおじさん」。教養は無いが人のいい肉屋のおじさんが、行きがかり上子供たちをスイスに脱出させなくてはならないという羽目に陥るといった、ある種の人情劇だ。定型話として楽しめる。

サラの鍵」は、ちょっと話は凝っていて、偶然新しく部屋を借りることになった現在のジャーナリストが、その部屋が当時の事件の舞台であったことを知り、その真相を探っていくという構成をとっている。サラという生き延びたであろう子供を追ってくうちに、鍵の持つ意味も徐々に明らかになるという、なかなか上手いお話となっている。

黄色い星の子供たち」は、事件そのものを題材にし、そこで働く看護師の目を通して当時の状況を描いていく。その看護師役はメラニー.ロラン。彼女のかいがいしく働く姿を観るだけでもこの映画の価値はある、とメラニーファンであれば言いそうだ(確かに魅力的)。

というわけで、どの映画もそれなりに楽しめる。オリンピックにうんざりした暑苦しい夜に、静かにフランスの歴史的事件に触れるのも悪くは無い、かもね。

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狂想曲

2012年07月30日 | Weblog

 

何故ここまでオリンピックに反感を覚えるようになったかというと、各テレビ局の「日本メダルラッシュ!」(実際はそれほどでもない)の惹句、それに続いてのテレビ局たらいまわしのメダル獲得者のインタビュー(局によってはタレントを餌にする)、そして同じような映像をしつこく繰り返す番組、これらの狂想曲にほとほと嫌気が差したからだが、今回も相変わらず全く同じことをしているようだ。世界はオリンピックを中心にして回っているのか?こんなことをやってる限りテレビに未来は無い、と思うのだが。

それにしてもサッカー、スペイン予選敗退とは。日本に負けて歯車が狂っちゃった?

 

 

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U23

2012年07月29日 | サッカー


ゲロメッティYが嬉しそうな顔をして登場。その理由は、言わずもがなの先日のU23、対スペイン戦1-0の勝利である。「勝ちましたねえ」、と満面の笑みである。「当然見ましたよね」と聞くので、「いや、見てない。正確に言えば、再放送で後半20分を見た」と言うと、「何でですか?」と詰問調に言うので「オリンピックにサッカーはいらないから、そしてオリンピックには興味がないから」と相変わらずのひねくれた持論を披瀝した。するとYも少し感化されたらしく「僕もそう思いますけど」と言った。

スペインに勝ったことは確かに凄いし、見てれば興奮するのは間違いないし、特になでしこには勝ってもらいたいが、今年のオリンピックは兎に角見ないということに挑戦しているのでそれを貫きたい。それより、スペインに勝ったことでマスコミや一般の人がいやに調子に乗っていることが気にかかる。モロッコにころっと負ける可能性だってあるのに。はしゃぐのはベストフォーでも決まったときにせい、と言いたい。そんな話をYにすると「確かになでしこだってスウェーデンに0-0なんて有り得ますものね」と言ったが、珍しくその通りになった。今頃「ほらっ、言ったじゃないですか」などと心の中で叫んでいるかもしれない。スコアーを提示したのはYだが、そもそもスウェーデンに勝てるとは限らないと言ったのは私ですから。しかし、選手にとっては絶好の見本市なので、せいぜい海外移籍の足がかりを付ければいいと思う。

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うなぎ について

2012年07月28日 | 食べ物

 

このところ鰻の話題が多いが(夏の風物詩でもあり一年のうち一番需要の多い時だから)、本当に皆鰻が好きなのだろうかというのには疑問がある。周りを見回しても、別になくても構わないと言う人間の方が多いように感じる。鰻屋の旦那が、これを機に鰻を食べなくても構わないと思う人が多くなることを一番恐れている、とテレビのインタビューに答えていたが、現実は既にそうなっているのではないだろうか。

今回原価が三倍ほどになって、仕入れ値は一匹800円だか900円になったと当地の情報筋から聞いた。ということはそれまでは300円だったのか。それを2000円以上(他にかかるのはご飯にお吸い物くらい)で出していたとすれば、結構良い商売をしていたんだというのが正直な感想。もし本当に鰻の原価が300円だったとすればの話だが、世の中、知らない所では色んな仕組みがありそうだ。

で、鰻不漁に関しては、今までのシラスウナギをごっそり採ってというやり方が(日本ばかりではなく中国でもやってるわけだから)、結果資源枯渇につながった見るのが妥当ではないだろうか。こういうものは、ある時期を境に激減するものだ。嘗てのニシンなどが良い例だろう。養殖といっても、自然界のこれから親となって産卵するだろうというものを根こそぎ採って食べちゃうんだからいつかは採れなくなるだろう。養殖して育てたものの一割でも海に戻していたらこんなことにはならなかったと思うが、それは今となって言える空しい理屈である。

シラスウナギといえば、スペインではそれをオリーブオイルで炒めて食べる有名な料理があるが、もう何年も前から不漁で滅多に食べられないというのを聞いた事がある。視覚的にはごっそり食べちゃうという印象があるが、日本の場合は同じくごっそり採って親にして結局食べるわけだから同じことである。育てるのにエネルギーを消費する分、むしろ日本のほうがより資源の無駄遣いと言えないこともない。

既に、鰻を食べなくても構わない人間となっている身からすると、今回の鰻価格高騰は、あらゆる水産資源を考え直すいい機会になるのではなだろうか、と飽くまでも傍観者として思うのである。

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霧が峰 夏本番Ⅱ

2012年07月27日 | 生き物 自然

 

シシウドには普通あまり花には来ないウラジャノメ

他にはアザミの花に来ていた新鮮なコキマダラセセリ

アキアカネもかなり多かった

地面はこんな感じで、蝶密度はかなり高かった。

途中、五回ほど躓き(笹などに足が引っかかるのだ、その内一回は完全にこけて、右手に持っていたカメラを地面に叩きつけてしまった。幸いにも土の上なのでカメラはダメージを逃れたが、衝撃は腰に来て激痛が走った)、最後の坂道を上がると、いきなり人が多くなった。そこは、車山の駐車場の近くで、ニッコウキスゲなどのスポットになってるのだ。ハイキングの団体も多く、全てお約束の中高年ハイカーであった。残念ながら、山ガールと言える若手とは一度も会わなかった。

車山の観測所

唯一の若手。多分林間学校の生徒。この二人、坂道でばててしまったようで、引率の先生が着き添っている状態。先生らしき人が盛んに携帯で連絡を取っていた。

始めは薄日が差して良い状態だったが、徐々に雲が増え、ついに日差は完全になくなってしまった。そうなると高原は、一気に秋の気配である(まだ早いか)。

後は下るだけだ。腰は取り敢えず歩いていると痛みは感じない。駐車場が見えているが、ここからが結構あることは何度も通っているので承知之介。

その途中、久しぶりに発見したのはミドリシジミの仲間。ハヤシミドリシジミか?

名前を覚えたのでキンモンガ

と、およそ小2時間の霧が峰散策は、腰痛と共に終了したのだった。

 

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霧が峰 夏本番

2012年07月26日 | 生き物 自然

 

再び霧が峰に。いよいよ夏本番で、強清水(コワシミズ)の無料駐車場には、朝10時前にも拘らず結構車が止まっている。薄日が差し、天候的には絶好に近いお散歩日和ではないだろうか。5キロほどのコースを選択する。全体では、上って下って上って下るの周回コースである。途中原生林のような所を抜けるあまり人が多くないコースである。歩き始めて感じたのは、前回(7月13日コースは違うが)とは違いヒョウモン蝶の数がかなり多いということである。高原の蝶の代表は間違いなくヒョウモン蝶なのだが、今が真っ盛りかもしれない。

その中でも特に多かったのは鮮度の良いギンボシヒョウモン。

他はヒョウモンチョウ(これはこのヒョウモン蝶の種類の名前)。

霧が峰などの限られた所にしかいないコヒョウモンモドキ。

一番何処でも見られるミドリヒョウモン

 

などなどがそこかしこに舞っていた。そしてシシウドの花には、これぞ昆虫レストランという感じで沢山の虫類が集まっていた。どのレストランも大盛況だった。

中にはこんな、ブルーストライプのお洒落な客も。

ニッコウキスゲはまだまだ蕾(本当は、全体のピークが過ぎた頃)。

つづく

 

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水没カメラその後 続き

2012年07月24日 | Weblog

 

昨日の続き。

40-150mmのレンズを韓国系通販サイト(最近Qoo10と名前を変えて露出も増えてきたので以降Qoo10)で注文し、後は物を待つばかり。中古カメラの方は日時指定で数日で来ることになってるが、Qoo10の方はいつ来るか分からない。そんな時、中古カメラ屋のサイトでレンズを見ていたら同じものの中古があるのを発見。値段はQoo10の半分ほど。何だレンズもここで買えばよかった、と当然のこと思った。しかしもう注文しちゃったしなあ、と後悔してるときに電話がかかってきた。韓国なまりの日本語で(韓流スターの日本語の感じ)こちらの名前を確認してきたときぴんと来た。要するに、注文した物が現在手元にないということを連絡してきたのだ。こちらとしてはラッキーと叫びたい状況だった。直ぐにキャンセルすると答え(自分でネット上で手続きする)電話を切った。

ここでQoo10について。この会社本格的に日本に進出してきたようで、今回のようにちゃんと電話で連絡するような体制もできているようだ。バッタもんがあったり配送がめちゃくちゃかかったり(下手をすると一ヶ月、しかも追跡できると言ってるのにもかかわらず追跡できない))と日本の通販では考えられないようなサービスだが、日本では手に入らないものや、値段がめちゃくちゃ安かったり(バッタもんのリスクはある)と個人的には気に入っている。それにしてもこれだけ色んな通販会社が出てくると、一般の量販店の価値はどんどん薄くなってくる。

というわけで無事レンズも中古で購入し、物も指定した日にちゃんと届いた。現物は中古にも拘らず新品のようで、間違いなく水没直前の自分のカメラの状態より良い。心なしかAFの切れも良いような(多分気のせい)。水没以外にも何回か落としたから、結構状態は悪かったのかもしれない。いずれにしろ、気分は新品である。写真は、水没したカメラで最後に撮ったオオムラサキ。やっと日の目を見ることとなった。

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水没カメラその後

2012年07月23日 | Weblog

 

さて、カメラをどうしようかということになるが、これを機に更にいいカメラを買おうなどと思うのは潤沢な資金の持ち主だ。該当しない人間としてはちょっと考える所である。コンデジで済ますかというのも一案だが、一眼を持ってしまうと(経験すると良く分かる)コンデジには戻せないのだ。AFがぴたっと合う一眼の快感を知ってしまうと...。

新しい一眼でも結構安くなってるものもある。そこで同じメーカー(標準レンズだけが無事なので)の他の機種はどうだろうかと見てみれば、手ごろな価格のものはミラーレスという薄いタイプのカメラということになる。唯それだと、昔の機種(水没したのはオリンパスE420という今やあまり見かけないもの)と違い、メモリーも違ってくるのである。機種によって充電池も違うので、今持っているものは標準レンズ以外全て無駄になってしまう(充電池は予備も持っている)。そういった細かいもろもろも含めると、機種が違うとそれなりの出費が伴うのである。一番安く上げるのは同じ機種を買うことである。

となると、新品などあるはずもないし買う気もないから自ずと選択肢は決まってくる。つまり中古を買うということである。早速ネットで探すと、ある中古専門店のものが見つかった。買った時の三分の一くらいの値段である。迷わず注文。そして残るは40-150mのレンズだ。水没したそのレンズはご贔屓の韓国系通販サイトで、価格コムの最低価格の半値ほどで買ったものなので、再び当たってみると、その時よりは若干高くなっていたが依然価格コムより安かったので注文した。唯、この通販サイト、兎に角手元に来るまでが読めないというネックがあるのだ。

この話、長くなりそうなので続く

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さばのリエット

2012年07月22日 | 食べ物

 

T君からフランス土産のさばのリエットをお裾分けしてもらう。これは、カフェの常連でもある現地在住の人が帰省した折、T君にお土産として持ってきたものだ。毎年この時期に帰って来るので、T君も予めリクエストしていたのだった(便乗したこちらの希望も入っているが)。あまり日本では見かけたことが無いので、どういうものか食してみたかったわけだが、その点においてはT君も同じだったので丁度良かったのだ。

で食べてみたわけだが、はっきり言って、それほど美味いというものでもなかった。以前、これも同じくお裾分けでイタリア土産のツナのリエットを貰ったことがあったが、クセが少ない分そちらの方が美味かった。今回のさばに関しては、味付けにもう一つ工夫かがほしいと思った。フェンネルでも使うとか。後、酸味も邪魔だった。表示を見ると、昔風のマスタードとマリネ用にワインビネガーを使っていた。酢は酸味を感じる手前くらいの量で、黒オリーブを足せば更に美味しくなるのではないか、などと色々考えたが、日本のこの手のものと較べると、砂糖などの甘味料を使ってないのはありがたかった(旨み調味料も)。こういう練り物の甘いのは食べる気が起きないのだ。

本来ならばここでリエット(瓶詰め)の写真を撮るところであるが、何せカメラが。暫くはストックの写真が続く。

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ツール WBC

2012年07月21日 | Weblog

 

昨日に続き自転車絡みで。今現在フランスではtour de franceが行われているが、日本では人気が年々無くなりつつあるようで、嘗ては毎日ダイジェストを放送していたNHKも、今や、最後にまとめたものを一回やるだけ。個人的には、プロ野球に割くのをtour de franceに回せと思うのだが、そう思う人は圧倒的に少数派なのだろう。唯一出場している日本人選手の新城も頑張ってるというのに(現在総合84位)。

それで笑っちゃうのがWBC。アメリカに良い風に利用されていたことにやっと気付き、選手を出さないと決めたらしい。一番焦ってるのは日本の協会だろう。元々は日本がやりたくて仕様が無かった大会で(名目は野球を世界に広めたい、実際は産業として大きくして一儲けの機会を増やす)、やる気の無いアメリカを引き釣り込んだという経緯があるので、相当不利な条件を飲んだようだ。何度もここに書いてきたが、WBCという大会、大袈裟な名前をつけているが、実際必死になってるのは日本、韓国、キューバくらいのもので、世界大会などというのもおこがましい。これを機会に、ぜひ中止してもらいたい。

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転落の顛末

2012年07月20日 | Weblog

 

実は先日、生まれて初めて自転車で川に転落という経験をした。そこは、川の土手の道で、幅1メートル足らずの勿論未舗装の道。同じく1メートルほどの幅の狭い橋を渡って、土手に曲がるときに悲劇は起こった。ママチャリ(昨日の写真のもの)でゆっくりとハンドルを右に切り、丁度後輪が土手に乗った頃前輪が道のでこぼこにはまりバランスを失い、自転車は一気に右に傾き、既に足を着く部分もなく(右側が川)、自転車もろともコンクリートの壁面を滑り落ち川に転落だ。土手の高さは2メートルほどで水深は50センチといったところ。自転車は完全に水没。体は、顔だけが水面の上でどうにか踏ん張った。こういう場合、どうやって着地したかは分からない。唯、何ヶ所か打撲はしたようだ。幸い、切り傷はなかったので出血は無し。相当でかい音がしたが、目撃者ならびに野次馬もなし。こういう場合は兎に角恥ずかしいのでそれは幸いであった。

まずは自転車を水中から引っ張り出し土手の上に挙げ、全身ずぶぬれの衣服は仕方ないのでそのまま。一番幸運だったのは、物凄く暑かったということである。つまり、そのまま自転車を走らせれば、体は適度に涼しくしかも自然に乾燥するわけだ。自転車もダメージは無く、むしろ丁度よい洗車となった(ということで喜ぶのはここまで)。最悪なのは籠に入れていたバッグだ。カメラが中に...。しかも一眼と接写用のコンパクトデジカメ二台が入っていたのだ。完全水没。確認して見ると、レンズの中全てにしっかり水が浸入。以前、水没したカメラは没というのは聞いた事がある。修理に出すと、新品と同じくらいかかるらしいのだ。転落した時点で、一瞬スローモーションとなり、頭の中ではカメラがカメラがと悲痛な叫び声がこだましていた。

それにしてもこの歳になって川に転落するか?昔だったらあのくらいでバランスを崩すことも無かったかもしれない。この土手は何回も通っていて、通る度に、これだけ狭いと川に落ちることもありうるぞとは思っていた。実際歩いている人はいるが、自転車で走ってるのは見たことが無い。そもそもが自転車では危険なところなのだ。と、今頃言っても仕様がない。問題はカメラであります。

 

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パリで逢いましょう BGM

2012年07月19日 | Weblog

 

BSパリで逢いましょうのBGMを誰が歌ってるのかというのは、どうやら気になる人が多いらしく、その検索でここにたどり着く人が多いようだ。唯、その検索では求める答えが得られないと思う。それはジェーン.バーキンというタイトルの回に書いたから。そこで、たまにはこのブログも役に立つようにと思い、パリで逢いましょう BGMのタイトルを新たに設け、答えが直ぐに分かるようにした。これで検索して辿りついても、チェッてことにはならないだろう。歌ってるのはジェーン.バーキンでタイトルはDi Doo Dah。多分 DiDi‐Di DooDoo Dah  と歌ってるのが聞こえるはずだ。

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闇の中の怪しい人間

2012年07月17日 | 生き物 自然

 

昨日に引き続きまたまたトンボ(今が発生のピークなので)。夜の11時過ぎ、諏訪湖のオオヤマトンボを見たく、去年羽化殻が大量にあったある川の河口周辺を調査。近辺にはホテルなどがあり、完全な闇の世界ではないが、川面は真っ暗だ。そこは諏訪湖との合流地点でもあるので、川というより湖といった方が近いかもしれない。

ある地点で早速羽化しているトンボを発見。ウチワヤンマだ。LEDライトで照らして写真を撮ろうとごちゃごちゃやってると、突然対岸の闇の中から声がする。始めは橋の上の通行人が何か言ってるのかと思ったが、もう一度同じことを言っている。どうもこちらに向けて何か言いたいようなのだ。ライトで確認すると、それは釣り人で、こちらのライトがまぶしいということであった。丁度水平にしたライトが釣り人を直撃したらしい。それにしても、こんな夜にこんな所で釣りをする人間がいるのかと少々びっくりした。もっと驚いたのは、何をやってるのか分からない怪しい人間にいきなり照らされた釣り人のほうだと思うが、どっちもどっちだろう。怪しさから言えば、こっちの方か。自分でも一体何をやってるんだと思わないわけではない。何かいるの?と当然気になる釣り人は聞いてきた。トンボが、とこちらも当然のこと答えた。これで向こうも一安心。

ウチワヤンマ。昨日のメガネサナエに較べると頭がでかいこと。実際大きさは(体積)倍以上ある。

 

そして目的のオオヤマトンボも発見。既にこの状態だった。

今朝は今朝で、裏の細流(用水路)で今年二番目のオニヤンマが羽化していた。

 

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羽化のスタイル二種

2012年07月16日 | 生き物 自然

 

最後の一頭、ルリボシ3号がとうとう羽化した。今回は室内ではなく、ビオトープ3号で。定位したのは午後八時ごろと結構早い時間であった。

そしてその状態で一時間ほど過ぎた頃に、いよいよ中身が飛び出してきた。

さかさまのこの状態から体を起こすのだが、その瞬間を待ち構えた所、足が動き出したと思ったら数秒でこの状態に。本当、あっという間であった。

後はいつものように。

朝7時に見たら既に姿はなかった。始まりが早いと、飛んでいくのも早いようだ。

このようにトンボは羽化するときにさかさまになるものが多いのだが、種類によってはそうでないものもいる。その代表がサナエトンボ。夕方、近くの川に今年のメガネサナエの発生状況を見に行くと、正に今羽化しようとしている個体がいた。メガネサナエは、朝上陸して午前八時ごろに羽化するのが一般的なのだが、夕方の六時過ぎというのは一体どうしたことか。いずれにしろいいチャンスなのでじっと観察。そしてさかさまではなくそのままにょろっと出てきた。ちょっと蛇花火を思い起こさせる。それにしても相変わらずの良いオブジェ振りだ。

だがこのメガネサナエ、どうも様子がおかしい。盛んに体を震わせるのだ。よく見ると小さな蟻に狙われているようである。すでに二三匹の蟻がたかっている。周辺には大群も迫っていて、すでに情報は伝達されているようである。この状態では、間違いなく食べられる運命にある。胴の部分にすでに食痕のようなものも見られる。これではあまりに忍びないので、この状態になったとき、

丁度麦わらのようなものがあったのでそれに掴まらせて安全地帯に移動した。時刻は既に夜七時過ぎ。

 

追記:ルリボシ3号はオオルリボシヤンマの可能性あり。

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自家焙煎のコーヒーについて

2012年07月15日 | 食べ物

 

最近この辺りでも、自家焙煎のコーヒー豆を売る店が新規オープンしている。これは全国的な流れなのだろうか。唯、煎りたてコーヒーは確かに薫り高く美味いと思うが、そこまで気にかける人間がこの田舎にどれほどいるのだろうかという素朴な疑問は、どうしても湧いてしまう。かく言う自分も、今まで豆は通販の安いものを500グラム単位で買うという、所謂味を求めてのタイプではない。自家焙煎を売りにしている所は、豆の出所から始まって、選別煎り方全ての拘わりを前面に押し出し、傍目からするとちょっと鬱陶しささえも感じる店主の哲学を売る店のように見えるのだが、それほどまでにコーヒーというのは人を魅了するのかと、ある意味感心はする。

基本的にフレンチローストのような苦味中心の深煎りしか飲まないので、極論すると豆の種類は何処でもいい。豆の品質については、なるべく粒ぞろいの変な豆が混入していないものという希望はあるが、一時のストレートコーヒー流行りのマンデリンやらガテマラがどうのこうのというのは、もうとっくに捨てた。それはいいのだが、この500グラム単位というのが曲者で、大量に飲むならばそれなりに早く消費して何とか香りも保てるのだが、一日一杯のペースではなかなか減らなく、後半になると、もうコーヒーのいい香りが殆んどしない単なる黒い液体と化す。矢張り豆は、早く消費できる100グラム単位で頻繁に買うというのが良いのでは、と最近思い始めた。勿論、挽いた豆は論外である。

と、そんな話をT君にしたら、ちょうどあまってる豆があるからどうぞと言う。それはニューヨークから仕入れたものでT君が貰ったものらしい。ずっと冷凍してあったということだったので、もう香り無いんじゃいのと思ったが、T君は使わないというので取り敢えず貰ってきた。ニューヨーク直のこのコーヒーを気に入ってると言う人がいるらしいが、その話を聞き、そんなのがブランドになるんだねえ、とこれもある意味感心した。日本に来るまでに明らかに鮮度が落ちるはずなのに。そしてその豆を挽きコーヒーを入れた。挽いてる時点でもう古いと思わせる香りの立ち方だったので、飲むのは単なるそれを確認する作業となってしまった。

香り物は鮮度が命というのが、本日の教訓でありました。

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