ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

クラッシュ

2006年12月21日 | 映画


免許更新のため警察署に行く。
眼の検査を久しぶりにすることになり、この前は何の
問題もなかった輪が、じっと見ないと判らないという、
現在の眼の衰えを否応なく見せ付けられ、その後三十
分のヴィデオを見、最後の手続きを終える。
それにしても、手続きをする交通安全協会の窓口の人、
「安全協会の入会費もお支払いいただけますか」と聞
かれれば、大概の人は「ええ」と答えてしまうだろう。
見た限り、おばさんは全員「ええ」だった。
この場合は「安全協会の入会費は如何がいたしますか」
だと思うが。
上の人間の指導なのだろうか。
なんだか不思議な組織だ、安全協会というものも、と
考えながら、私は断った。

そしてDVDでもと思い「クラッシュ」という映画を
見る。
結構話題になった映画(らしい)ということで、レン
タル屋から借りてきたものだ。
この映画、基本的にはアルトマンの「ショートカッツ」
と同じ作りだった。
つまり、同時進行的に何組かの人間を描いていき、そ
れぞれがどこかで接触、関わり、或いは通り過ぎてい
くというもの。
それを、ある車の事故「クラッシュ」という定点から
遡っていく。
テーマは、アメリカの病巣。
たとえばマイノリティーの問題。
白人、黒人、アラブ系、アジア系、メキシコ系それぞ
れの差別の連鎖。
被差別者が差別者になり、そのまた被差別者が差別者
になっていく様子を、アメリカの根深い問題として描
いていく。
富裕層である白人は白人で、人間不信が病的なほど進
行し、社会全体が不信で覆われている今のアメリカの
出口は一体どこにあるのかと問い、結局人のふれあい
しかないのではないか、という結論のようなものを暗
示する。
非常にテーマとして解り易い映画だったのだが、映画
としてみたらどうかと言われれば、それほど良いとは
言い難い。
そこそこ、といった感じだ。
「ショートカッツ」の二番煎じという批判は逃れられ
ないし、個人的には、テーマがはっきりしてそのテー
マしか描かれてないこのような解り易い映画にそれほ
ど感動することはない。
そこに収まりきれない、何かがある映画が好きなのだ。

と続けて、カフェのT君から借りたゴダールの「女は
女である」を見ようとヴィデオをヴィデオデッキに挿
入。
すでにおかしくなっているデッキなのだが、どうかな
と思って挿入したのだが、ヴィデオは直ぐに吐き出さ
れた。
矢張り駄目だったかと思い、ヴィデオを引っ張り出そ
うとすると、テープがデッキに絡み付いていた。
過去に同じことをしていたが、またまたやってしまっ
た。
更に引っ張ったら、とうとうテープは切れてしまった。
オーマイガー。
この場合フランス映画だったからオーモンデューか。
そんなことを言ってる場合ではなかった。
とにもかくにもT君ごめんなさい。
こんなことになってしまいました。
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