ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

映画少年Y

2006年12月05日 | 映画


映画少年Y(と言ってもおっさん年齢だが、雰囲気が)
との会話。

「「武士の一分」観てきちゃいましたよ」(Y)
「えっ、木村拓哉の?」(私)
「ええ」(Y)
「よくそんなの観にいくね、でどうだったの?」(私)
「ひどいです、特に木村拓哉が」(Y)
「そんなの判りきってるじゃない」(したり顔の私)
「でも、前回の田中泯は良かったんですよ」(Y)
  元々、局部的な一点を拡大高評価する傾向にあ
  るのだYは。
「それだけだろ」(私)
「まあ、そうなんですけど」(Y)
「山田洋次は山田洋次ということだよ」(またまたし
たり顔の私)
「「薄桜記」なんか行く前に観たから、余計に落差が」
(Y)
「そりゃあ、そうだろう」(私)
  「薄桜記」は、森一生監督、市川雷蔵主演の時代
  劇の傑作。
「市川雷蔵と木村拓哉じゃ、市川雷蔵に失礼というも
のでした」(Y)
「それに、森一生に対してもね」(私)

その後話題は日本映画からフランス映画に。
「ゴダールの「映画史」も観てきましたよ」(Y)
  兎に角観る回数が多く、しかも幅広く網羅してい
  る、ただ観方が少々特殊なところが難点。
「凄いね」(私)
「さすがに、疲れました」(Y)
「どうして?」(私)
「五時間近くですもの」(Y)
「ええっ!そんなに長いの」(私)
  ゴダールは結構好きだが、引用と現代詩のような
  言葉との入れ子細工的最近の作品は、一時間半く
  らいが限度だ。
「じゃあ、例によって引用が一杯?」(私)
「映画史だけあって、実際の映画からの引用が多いん
ですよ」(Y)
「それを観るだけでも楽しめそうじゃない」(私)
「でも、限度ってものが」(Y)
  さすがのYにも限界があったか。
「それにしても、よくそんなに長いの作れるねゴダー
ルも」(私)
「確かに、それだけでも凄いですよね」(Y)
「その創作意欲は、尊敬に値するね」(私)

作品の内容より、その長さだけに感心して圧倒された
二人であった。
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