ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

東京物語4

2006年12月11日 | Weblog
四谷を降りるとまず目にするのは、イグナチオ教会。
四谷のランドマークとも言えるものだ。
しかし、かつての教会の雰囲気はなくなってしまった。
モダンな建物に建て替えられ、今ではよく見ないと教
会と気付かないくらいの、存在感のないものになって
しまった。
教会なんて、古いほど味が出て良くなるものと思うの
だが。
今の建物は円筒形で、どうしてもガスタンクを連想し
てしまう。
以前の、情緒ある佇まいの教会に対する郷愁がまるっ
きりないとは言えないが、現イグナチオ教会は全然良
いとは思えない。

そんな教会を通り過ぎて、上智のキャンパスに入った。
ここのカフェテラスでお茶でもしようと思ったのだ。
途中、学生が古本市のようなものを開いていたのでち
ょっとと覗いて見た。
大学柄、井上ひさしなどの本があったりしたが、特別
興味を引くようなものはなかったのでスルー。
以前は一階だったカフェテラスは地下に移動していた。
とりあえず行ってみたが、なんだか暗く、しかも今ひ
とつ垢抜けない。
ソフィアのイメージからすると、もう少し何とかなら
ないかと正直思った。
結局ここもスルー。
構内をぐるっとして、四ッ谷駅に戻った。

快速のつもりが特別快速で、水道橋で降りようと思っ
たのが結局御茶ノ水になるという、ささやかな間違い
があり、御茶ノ水に下車。
お茶するため用の本でも買おうと思い、駅近くの本屋
でしばし物色。
目に付いたカフカの「変身」でも買おうかと思ったが
(カフカは好きで他の長編は大体読んでいるのだが、
一番有名でしかも短いこれはどういうわけか未読)、
小説はどうも今の状態だとなかなかね、ということで
カフカの近くにあった、ロシュフーコーの「箴言集」
を買うことにした。
これだったら飛び飛びでもノープロブレムだ。

御茶ノ水というところも、その割りに良く知らない。
「アテネフランセ」も初めてだし、一応位置を確認
し、まだ時間もあるので周辺をぶらぶらする。
駿河台というのはこの周辺のことか。
道理で坂が多いわけだ、などと改めて認識。
そして「大末建設」「鴻池組」などのややマイナー
な会社がこんなとこにあったのね、という発見もし、
日大や明治などの校舎を見物し、「PRONT」でお
茶をする。
最後の時間調整だ。
ロシュフーコーをチラッと読む。
そのひねくれた視線に同じ体質を感じる。
うーむ、困ったものだ。

しつこくつづく。
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