ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

競争原理

2006年12月16日 | Weblog
それにしても松坂、羨ましいというか非常識というか。
市場経済的にはそれだけの商品価値がある、という結
果なのだろうが、なんだかね。
ものには程度というものががあるんじゃないのか、と
ため息一つ。

階層化ということをつい考えてしまう。
才能と実力があって自分で勝ち取ったものだから、羨
望嫉妬で見るのはお門違い、勝者の当然の報酬だ。
という考え方は確かに成り立つが、一部の成功者が富
を占有する今の市場経済至上主義の世の中、果たして
希望があるのだろうか。

競争原理で突っ走るアメリカは、いまだにアメリカン
ドリームの国などと美名で糊塗しているが、そんなも
のをまだ素朴に信じている人がいるのだろうか。
要するに、ドリームイコール大金と名声に過ぎない
(それで充分、と言われればそれまでだが)。
その結果、金持ちは要塞のような豪邸を作り、セキュ
リティーに躍起になり、貧乏人はどんどん貧乏人にな
り、治安はそれに比例して悪化し、人はいかに他人を
蹴落として自分だけ成功するかしか考えなくなり、利
己主義が加速、そして街は荒廃、心も荒廃。
しかも、スポーツなどは、それら貧乏人が支え、貧乏
人からスーパースターが生まれるというおかしな構造
になっている。
貧乏人の不満の解消場という機能が益々強くなってい
るとすると、為政者としてはにんまりの現状というこ
とになるか。

基本的に日本も同じ方向に向かっている。
日本の場合、アメリカより繊細な分、自殺者が多いと
いう厭なおまけ付き。
将来的な不安感が重く立ち込めているという、なんと
なくの共通認識のようなものが出来つつある。
お気楽に娯楽の王様スポーツを楽しめ、そして愛国心
を持てば、そんな日常の不安などすっきりなくなるぞ、
と自民党の戦略もはっきり見えてきた今日この頃。
一番は、現実を見ないということになるが、そんなこ
としてると人は、益々宗教イデオロギーに吸い寄せら
れることになる。
世界の情勢はすでにそうなっている。
経済的に豊かなところは右傾化し、そうじゃないとこ
ろは左傾化あるいは宗教原理主義が台頭と、どう考え
ても未来はばら色とは思えないような現実が目の前に
ある。
ここで再びため息一つ、か。
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