川周辺で、この時期でもみかける鳥は、コサギとかア
オサギなどの鷺の仲間が多い。
一口に鷺と言っても、結構種類があるみたいで、なか
なか知らないと区別がつかない。
普通の鷺をチュウサギというのも、最近知ったことだ
し、ダイサギというのも存在しているということも。
単純に大中小と名前が付けられているのだが、なんだ
か生ビールみたいで、ちょっと微笑ましい。
そんな大中小に属さない鷺がアオサギ。
漢字だと青鷺(漢字にすると青髭に似ている、全然関
係ない話だが)。
字のごとく青みがかった(ブルーグレー)鷺だ。
図体もけっこうでかい。
普通は、遠めで見るだけだから判らないが、至近距離
だと一瞬「ドードー」か、と見間違う(嘘です)。
先日(と言っても結構前)、家の池の周辺で何やら不
穏な気配がした。
鯉が暴れてるような水を跳ねる音もする。
そっと覗いてみると、いやにでかい鳥が池の縁に直立
している。
ここで一瞬「ドードー」かと思ったのだ(嘘です)。
印象としては、小さな子供。
しかも、すでに戦利品の鯉を口にくわえているではな
いか。
池は結構深く、鯉も大きいので本来なら鳥に襲われる
ことは無いのだが、運悪く(鷺にとっては運良く)こ
の五月に新入りが入っていたのだ。
池にとっては十何年かぶりの新人というか新鯉。
最初は十センチも無かったのが、二十センチ以上に育っ
て、他の鯉に食われることも無いなと思っっていた矢
先の出来事だった。
やられたのは、三匹の新人のうちの一番小さい「紅白」。
新種の、尾鰭が長いロングフィンカープ(とかそんな種
類だったような)という、ちょっと見金魚のような錦鯉
だ。
よくしたもので、狙いやすいのを選ぶんだ、鷺も。
しかし、そんなことも言ってられない。
これで味をしめて、通われるのも困る。
一応脅かしておかないと、と思い何かを投げようと周
辺を探した。
こういう時のため用の適当なものが、そうあるもので
はない。
やっと見つけたのは油絵の具のチューブ。
二階から、狙いを付けて投げた。
すぐさま、現場に急行。
しかしすでに、そこには星の姿は無かった。
まあ「紅白」も、きっと胃の中で、この半年の幸せな
時間を反芻していることだろう。
南無阿弥陀仏。