ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

物語

2006年07月30日 | Weblog
映画のシリーズものの「ハリーポッター」とか、指輪
物語が元になった何とかとか(度忘れ)、最近は人気
物語原作の映画がやたら目に付く。
そして最新は「ゲド戦記」。
名前からして、何か曰くありげだ。
どういうものか全く知らないが、アニメらしい。

民話などの物語は、その土地の文化を継承するための、
自然発生した一つの手段として考えられるが、最近の
物語ブームは一体何なのだろう。

それらの物語は、基本的に宝探しが主題となっている。
宝というのは、文字通り富であったり、幸せな結婚で
あったり、理想化された自分であったり、権力であっ
たり、といろいろだ。
主人公が様々な苦難を乗り越えて、最終的にそれをつ
かむまでを、「意味ありげな謎を振りまきながら、飽
きさせないように見せる」というテクニックを使い、
カタルシスを味わえるような結末まで持っていく。
そして見た人は大きな満足を得る。
もちろん感動しながら。
自己完結の世界。

結局、今の世の中、「物語」という装置(オモチャ)が
ないと楽しめないのか。
それは、単に想像力が欠如してるからなのではないか。
子供がそういう世界で、まだ見ぬ世界を想像するのは
有効だと思うが、いい大人がそのまま感動してしまう
のは、「子供の心を持った大人」などと肯定的に言い
たいところだが(実際そう言われる)、どうかと思う。
名前だけを変えただけの基本は同じ物語で、その都度
感動するその単純さの方が、問題ではないか。
分かりやすさは確かに魅力だが、「読み書き能力の無
い人間が簡単にだまされる」という構造と同じものを
感じる、今日この頃の状況だ。

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