ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

オランジュ

2006年07月22日 | Weblog
なんだかんだ言いながら、NHK「世界遺産フランス縦
断の旅」を部分的に見ている。
昨日は「オランジュ」だった。
ローヌ川に沿って降りてくると、調度プロヴァンスの入
り口くらいの位置にある町だ。
行ったことは無いが(通過はした)、この名前は印象に
残っている。
ローマ時代のコロシアムなどが残っていて、歴史的にも
興味深い町らしいのだが、そういうことで印象深いわけ
ではない。

ボスニア戦争のころ、ローヌの親戚の家にお邪魔してい
るとき(どういうわけか親戚がある)、上空を、ものす
ごい爆音と共にジェット戦闘機が通過した。
親戚の家は、ローヌを見下ろす高台にあって(羨ましい
環境)、周りを気持ちよく見渡せる。
そこで、今まで見たことも無い低空でジェット機が通過
したのだ。
こちらとしては、当然びっくりなのだが、現地の人は気
にも留めない、つまり、日常的な光景なのだ。

理由を聞いてみたら納得。
それはNATOの戦闘機で、ボスニアに向かって飛んで
いたのだ。
そしてその基地が「オランジュ」にあったのだ。
地続きのヨーロッパを否応なしに実感した瞬間だ。
日本人からすると遠いボスニア戦争が、ここヨーロッパ
では、やはり身近な戦争だったのだ。
長閑な風景とは不釣合いのジェット戦闘機、それが余計
に戦争の現実を際立たせる(ちょっと尤もらしいか)。
まあそんなこんなで「オランジュ」は忘れられない名前と
なった。
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