”ゾンダーコマンド” この単語を今日初めて知った。 情報源はNHKの再放送番組「アウシュビッツ 死者たちの告白だ。
悪名高いユダヤ人大量虐殺施設で収容された人々を選別しガス室に誘導、 毒ガスで殺害、 屍体を焼却、 骨を粉砕し川に流す等の証拠隠滅。 そんな作業に従事していたのはドイツ人ではなく、捉えられたユダヤ人で編成された”ゾンダーコマンド”なる兵士(?)だった。 その辛い任務に従事していた人々の中の何人かは、収容所の大量虐殺の実態をメモ、ガラス瓶に入れ、 収容所の建物周辺の土中に埋めた。 それは後年発掘され、解読された。
TV番組はそのメモを元にした色々な話題をまとめたものだった。 ところで、 僕が一番興味を持ったのは以下のエピソードだった。
ドイツに支配されたポーランド、 そのイギリスに逃れた亡命政府は情報員を収容所にも送り込んでいた。 そしてゾンダーコマンドの兵士との接触で大量虐殺の実態を知り、 そんな情報をまとめた文書をアメリカ・イギリスなどの連合国政府に届けたのだが。 それは無視されてしまったのだそうな。
その理由。 ドイツが大量虐殺を非難されることで虐殺を止め、 ユダヤ人を難民の形でドイツの勢力圏から放り出されたらイギリスやアメリカはその受入に困る。 なぜならユダヤ人の大量流入があれば、 自国の労働者の仕事が奪われ、 政府に対して自国民からの支持が失われる。 その理由を聞いて「なるほど!」、「へえー!」とうなずいてしまいました。