温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

北投温泉 新北投温泉浴室 (台湾北部・北投)

2012年05月16日 | 台湾
 
日本へ帰る日、北投の強烈な青磺泉に入ってから飛行機に乗ろうと思い立ち、大きな荷物を台北駅のコインロッカーに預けてからMRTに乗って新北投へと向かいました。松山空港を出発する便ですと、出発時間ギリギリまで台北市街でゆっくりできるのが嬉しいところです(もう桃園は使いたくないなぁ)。今回お邪魔したのは地熱谷の入口に位置している「新北投温泉浴室」です。



個人池(一人用個室風呂)の利用を乞うと、店番のおばちゃんは入浴券を機械に通して時刻を打刻してから、その券を私に手渡してくれました。一応40分という時間制限があるので、券面に記された時刻に留意しながら利用するわけです。


  
壁一面に所狭しといろんな貼り紙が。日本語もありますね。
車庫でよく見かけるようなのようなアルミの戸を左へ引いて奥へと進みます。



細長い廊下の左側には個人池の個室が並んでいます。奥には雙人池(二人用)や家族池などがあるみたいですが、今回はそこまで行きません。


 
どの部屋も同じような造りなのですが、任意の個室を使ってよいとのことなので、自分が5月生まれであることに因んで5番の部屋をチョイスしました。狭い室内の横幅いっぱいに一人サイズの小さな浴槽が据えられています。浴槽の前にはスツールと桶がひとつずつ。浴槽は耐酸性の塗料によってコテコテにコーティングされていますが、色はともかく、こうした耐酸性の塗料が分厚く塗られてテカテカしている浴槽は、草津や蔵王など強酸性の温泉地でよく見られますね。


 
浴室には小さな棚とフックがあるだけ。大きな荷物は個室内に持ち込みにくい構造です。硫化水素中毒を防ぐため、天井では換気扇がフル回転。


 
浴室内にも張り紙がたくさん。この温泉施設の特徴や営業案内が列挙されているほか、大小便するな、使用後はお湯を流して、退出時には水栓を閉め電気を消して、などの注意書きも記されています。



浴槽にお湯を溜めているところ。一般的に台湾の個室風呂にはデッキブラシかタワシが用意されており、お湯を溜める前に自分でゴシゴシ槽内を洗うのが流儀ですが、なぜかこちらのお風呂には清掃用具が無かったので、仕方なく桶で万遍なく槽内にお湯をかけて汚れをササっと流してから、お湯を溜めることにしました。
バルブを開くとお湯が勢いよく吐水され、ものの数分で十分な嵩まで溜まってくれました。お湯のバルブから出てくる源泉はそれほど熱くないので、熱いお湯に耐性のある人だったら加水無しで、普通の方でも若干加水すれば丁度良い湯加減で入れるかと思います。お湯は若干黄色みがかったような透明で典型的な青磺泉、匂いはあまりないものの湯面で鼻をクンクン鳴らせば酸っぱい匂いが嗅ぎとれます。匂いは弱くてもさすがに暴力的な泉質である青磺泉、ちょっと嘗めるだけでもえげつないほど超強烈な酸味と塩味によって、口腔内はたちまち収斂、大パニックに陥ります。そしてお湯に身を沈めると、虫さされ跡や傷口など皮膚が弱いところにピリピリとした刺激が走ります。お肌が繊細な人でしたらかなり荒れちゃうかもしれませんね。でもこの凶暴さこそ北投温泉・青磺泉の特徴ですから、個性の強いお湯を楽しみたい方にはもってこい。強酸性のお湯ならではのヌルヌルやツルツルなどの浴感も得られます。日本ですと秋田の玉川・山形蔵王・上州の草津などへ行かないと入浴できない強酸性のお湯を、台北では都市近郊で手軽に楽しめるのですから、台湾という土地は本当にうらやましい限りです。悔いが残らないよう、制限時間いっぱいまでこのお湯を堪能させていただきました。
本音を言うと、湯上がりにベタつきや刺激が残ることがあるので、上がり湯をかけたかったのですが、こちらにはそのような設備がないため、温泉の濃厚な成分を付着させたまんま、虫さされ跡にヒリヒリとした若干の違和感を覚えつつ、松山空港へと向かったのでありました。


捷運(MRT)新北投駅より徒歩10分弱(約700m)
台北市北投区中山路28-6号  地図
(02)28976538

9:00~24:00
個人池130元/40分
ドライヤーあり、シャンプーや石鹸は使えない(中和しちゃう)

私の好み:★★★
コメント (4)
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