温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

廬山温泉 観月山荘 (台湾中部)

2012年05月08日 | 台湾
塔羅湾渓の河原に湧く野渓温泉「精英温泉」を満喫し、現地を案内してくださったセデック族のダナさんのご自宅でお昼ご飯までいただいた後は、路線バスが発着する廬山温泉の温泉街まで車で送ってくださるとのことですので、ご厚意の甘えてダナさんの軽トラに乗って往路のバスが登ってきた羊腸の狭隘路を下っていったのですが、車は谷底にある廬山温泉の温泉街を通り過ぎ、川を渡って対岸の山肌を登りはじめました。あれれ、どこへ向かっているのかしら。勝手のわからない私は助手席に座りながらそんな不安を抱いていると、軽トラはやがて一軒の民宿の駐車場に止まりました。

 
ここはどうやら「観月山荘」という民宿のようです。温泉街から急な山道を登ったところにあり、廬山温泉の一部であるものの、温泉街から若干離れた山の中にあるため、独立した一軒宿のような雰囲気すら感じられました。なかなか立派な客舎です。



温泉街を見下ろす高台に位置しており、駐車場からは温泉街や周囲の山々を一望できるのですが、敷地の一番奥には怪しげなコンクリ製の設備があり、そこからシューシューと音を立てて湯気が上がっています。ありゃ何だ!?


 
「ありゃ何だ!?」なんてわざとらしい表現でしたね。もちろんこれは温泉の源泉井であります。廬山温泉の旅館は川の上流にある温泉頭(源泉地帯)からホースで引湯しているそうですが、なんとこちらの民宿は自家源泉を所有しているのです。



源泉といっても中途半端なものじゃありませんよ。設備からは絶え間なく蒸気が噴き出され、煮え滾ったお湯がボコボコ漲っています。配管に取り付けられた温度計は73℃を指し示していました。


 
こんな源泉を見ちゃったからには、そのお湯に入ってみたくなるのが温泉ファンの心情。そんな私の心を読み取ったダナさんは、建物の裏手へと手招きします。招かれるままに行ってみると、なんとそこには露天風呂がありました。本当に裏庭みたいな目立たない場所にあるので、あらかじめ存在を知らないままここを訪れても、このお風呂には気付かないかもしれません。
更に奥にはシャワー室(兼更衣室)があるので、さっそく水着に着替えて入浴です。

浴槽には白濁したお湯が溜められており、塩ビのパイプからドバドバと源泉が供給されていました。白濁しているものの、いわゆる硫黄泉的な濁り方ではなく、いかにも炭酸カルシウムがたっぷり含まれていそうな感じの青白い濁りであり、若干砂消しゴムのような硫黄臭を帯びているものの、石灰的な知覚が圧倒的でした。カルシウム分が強い温泉は大抵引っかかる感じの浴感に傾く傾向にありますが、こちらの温泉はまるでローションの中に浸かっているかのような強いヌルヌル感が印象的で、白濁且つウナギ湯という感動的なコンビネーションのお湯に、私はしばし恍惚としてしまいました。



足湯をして寛ぐダナさん。この温泉も自分一人で廬山に来ていたならば、絶対に知らなかったでしょう。氏のご親切には頭が上がりません。



なお浴槽(プール)はもうひとつのありましたが、そちらは空っぽでした。

今回は露天の温泉プールのみの利用でしたが、ホームページを見る限りでは、館内はウッディな雰囲気に包まれており、客室には展望風呂も設けられているんだそうです。温泉街からちょっと離れた静かな環境で、独自源泉の温泉に入れるんですから、今度廬山へ来た時には宿泊してゆっくり過ごしてみたいものです。台湾には魅力的な温泉がたくさんあり、誘惑だらけで困ってしまいますね。


南投県仁愛郷精英村栄華巷152号  地図
049-2803206
ホームページ

利用可能時間や料金などは不明(今回はダナさんにすべてお任せしたため)

私の好み:★★★
コメント
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