温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

埔里箱根温泉生活館 (台湾中部)

2012年05月12日 | 台湾

埔里と霧社を結ぶ幹線道路のちょうど中間に位置する獅子頭という集落付近に、誰しもを虜にしてしまう魅惑のアワアワな温泉があると聞き、その手の温泉が大好きな私は行ってみることにしました。当地では10年ほど前に温泉開発が行われた結果、見事源泉を掘り当てることに成功したんだそうです。つまり比較的新しい温泉なのですね。



今回訪れたのは「埔里箱根温泉生活館」。箱根とは全然縁もゆかりもない土地ですが、温泉開発に当たって日本の資本が入っていること、また台湾では日本の固有名詞のイメージが良いこと、などの理由によって日本の有名温泉地である箱根の名前が使われているのかと思われます。
こちらの施設はどういう訳か、平日の日帰り入浴受付は17時以降となっているため、訪問の際には時間に要注意。


 
敷地内には宿泊棟などいくつかの建物がありますが、日帰り入浴でまず訪うことになるのは、SPAの受付棟や更衣室などがあるこの建物です。カウンターには天然温泉の認証札が誇らしげに置かれていました。
受付で入浴したい旨を申し出て料金を支払うと、レンタルのフェイスタオルと使い捨ての(薄手のビニール製)シャワーキャップが手渡されます。私が日本人だとわかると、受付のおばちゃんは「裸で入浴したいのか?」という意味で「Strip?」と訊いてきました。まさかこの単語をお風呂やプールなどの施設で耳にするとは思わず、ちょっとたじろいでしまいましたが、なるほど、確かにストリップには違いありませんね。
受付棟を出てすぐのところにある下足場でスリッパに履き替えます。受付に隣接して更衣室がありますが、こちらは水着着用ゾーンを利用する人のためのもの。裸入浴のみでしたら、ここはパスします。



露天SPA区は全面的に水着着用ゾーン。非常に良く整備されており綺麗なのですが、平日だからか誰も利用していません。監視員のお兄ちゃんがとても退屈そうでした。


 
こちらは同じく露天SPA区(水着着用ゾーン)にある温泉池。今回はここもパス。


 
私のお目当ては露天SPA区の奥の方にある建物です。ここは裸湯区、いわゆる内湯でして全裸で入浴できるのです。中に入ろうとすると係員のお兄ちゃんが丁寧に利用方法について説明してくれたのですが、不可解だったのが、全裸で入浴するにもかかわらず、水泳帽かシャワーキャップの着用が求められること。台湾のSPAでは水泳帽を被ることが一般的なマナーですが、まさか日式の全裸入浴にもその習慣が持ち込まれるとは! 文化の違いとはいえ、不合理なこのルールだけはかなりイライラしました(全身すっぽんぽんなのに、帽子だけをかぶっているのは、なかなか間抜けな恰好なんですよね)。

建物内はログハウス調で木材のぬくもりがそこかしこから伝わってくる良い雰囲気です。そればかりではなく、台湾の温泉では珍しいことに、下足場、脱衣所、入浴エリアがそれぞれ画然と分かれており、足元がビショビショ・ドロドロになることもなく、とても清潔な状態が保たれていました。またそれぞれが広くて使い勝手が良好なのもうれしいところです。

入浴エリアには奥から、中温の大きな主浴槽、源泉槽、水風呂、サウナ、シャワーの順に配置されています。主浴槽は38℃くらいの温度設定なのでゆっくり長湯ができ、また強力な打たせ湯も3~4本設置されているので、副交感神経と交感神経の両方をひとつの浴槽で働かせられる面白い浴槽でした。また室内の約半分(男湯の場合は左半分)はデッキチェアーなどが置かれてのんびり寛げる空間になっていました。



こちらのお風呂で素晴らしいのがこの源泉槽。壁に「原湯原味」と書かれているように、源泉がそのまま注がれているそうでして、浴槽の温度は42~3℃と台湾にしてはやや熱め。放流式の湯使いなのか、ステップに穿たれた切り欠けからオーバーフローしています。無色澄明で清らかなこのお湯からは、弱いタマゴ的知覚とともに重曹味が感じられ、とても柔らかい質感が伝わってきます。何よりもブリリアントなのが体に付着する夥しい気泡でして、お湯に体を沈めて1分もしないうちに(30秒ほどで)全身の(うぶ毛を含む)体毛は泡だらになってしまいました。拭っても拭ってもまとわりついてくる気泡には思わず大興奮。しかも重曹の働きによりスベスベ浴感とともに湯上りの爽快感がすばらしく、湯船から出ようと思っても、体が言うことを聞かずにお湯の中から出ようとしないほど、かなり後を引く気持ち良さでした。これで無意味な帽子着用さえ無ければ最高なのに…。埔里の街から比較的近く、バスの便も比較的便利なので、帽子なんて気にならないという方は、埔里へ訪れた時に立ち寄ってみることをお勧めします。


碳酸氢钠泉(Na-炭酸水素塩泉) 48.1℃ pH8.2 溶存物質395mg? 
HCO3-:379mg 

埔里から南投客運バスで霧社方面へ行くバスに乗車、獅子頭バス停下車、徒歩2分
南投県埔里鎮中山路一段62号  地図(049)2920899
ホームページ(繁体字中文・音楽が流れます)

SPA利用可能時間
平日17:00~22:00
土日8:30~22:00
300元
ロッカー(有料10元)・シャンプー類・ドライヤーあり
裸で入浴するエリアでも水泳帽(またはシャワーキャップ)の着用必要

私の好み:★★★

コメント
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