脱あしたのジョー

MTオリーブフィットネスボクシングクラブのブログ

有機的組織

2018-05-16 | Weblog

アメフトの危険極まりないタックルが物議を醸しだしている。防備な相手をしかも後ろから不意うちする反則行為をバッシングしているが、あの行為は誰が見ても不自然だ。傷害であると言っても過言ではないが、私の考え方ではこういう反則行為が起こるのはクラブの雰囲気の問題である。日頃どういう指導をしているのかはわからないが、アマチュアスポーツは勝つことよりもむしろ相手を尊重することから教えなくてはいけないと思うし、それがクーベルタンが提唱するオリンピズムである。にもかかわらず、勝つことだけを目標に競技者を追い込み、それだけやってたらいいというような雰囲気から暴力が生まれても不自然なことではない。雰囲気に問題があると言っても抽象的であるが、私がまず問題にしているのは言葉である。どういう質の言葉がそのコミュニティで語られるかと言うことはそのコミュニティの質を問う意味では重要なことだ。ボクシングで試合は殺し合いだと言うような人間、しかもトレーナーレベルでそういう発言をする人間がいるが、それしかできないアスリートは考える力がとぼしいせいか、結構言葉が稚拙で乱暴である。言葉と言うのはその群れを形成していく上では重要であり、その指導者や監督の言葉がその群れの雰囲気をつくると言ってもいいだろう。だからまず指導者は知的な言葉をつかえること、競技者ひとりびとりの問いかけに対してもきちんと言葉を選んで、むしろその人にいい影響を与えたり、話していて意味があると思われるぐらい、言葉を磨くことが指導者には求められると思う。指導者が言葉を磨き選んで話すことで、おのずとその群れの雰囲気はよくなって行く。だからその指導者の言葉のレベルと言うものはその群れの質を考える上では重要なことであり、言葉がとぼしければ、それなりの人間しかそこには集まってはこないだろうし、スポーツをする以外は有機的なコミュニティとは言えないであろう。うちのクラブはどちらかと言えばOrganic Organisation日本語でいうところの有機的組織であることを目指している。有機的組織と言うのは辞書には「組織の雰囲気が緩やかであり、しがらみも少なく自由な雰囲気の組織をさす。また明文化された規則は少なく、あっても拘束力は弱い。そのため構成員は自らが何をするべきか考えなければならない。組織内の階層は不明確であり、権限も分権化されている。不安定であったり変化の激しい環境に置かれている場合には、構成員が柔軟な発想で臨機応変に問題対処する事に有利である」と記述されているが、縦ではなく横のつながりを重視するのも組織であることの特徴である。こういう考え方ができるのはある程度のレベルが必要であり、ひとりびとりが自立していなければこういう考え方のもとにそのコミュニティを運営していくことはできない。うちのクラブはみなさんが自立した大人である。そういう自立した大人がこのクラブにおいてきちんと有機的につながってくれているから、コミュニティが倫理的で雰囲気がよく保たれているのだろうと思う。はっきり言うけどそのコミュニティを形成していく上で、その指導者の知的レベルと言うのは非常に重要だ。雰囲気をよくするというのは盛り上がることではない。私の考え方ではその群れを有機的集団にすることであり、お互いがその相互関係において刺激し、ベネフィットを得ることができるそういうコミュニティにしたいと考えている。


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