そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

幸せな家畜から美味しいく安全な畜産物を

2018-12-14 | アニマルウエルフェアー

日本など先進国の家畜は、生理に合わない大量の穀物を給与されて、肉や玉子や牛乳の生産を強制されている。近代の畜産は、規模拡大と高生産という二重の縛りの中にいる。
数多くの牛や豚や鶏を飼うのには、穀物給与が最適です。高生産、1頭(羽)からより多くの牛乳や肉や玉子を生産させるためには、穀物給与が最適である。その穀物は殆どがアメリカのコーン(トウモロコシ)である。全てが遺伝子組み換えコーンである。更に大豆などがこれに加わる。
私は乳牛の獣医師ですので乳牛を主体に考えたいと思います。現在日本に乳牛は約170万頭います。搾乳牛は約100万頭いるものと思われます。残りは育成牛です。乳牛への穀物は約250万トン給与されています。搾乳牛には、200万トン少し上回る量が与えられています。1頭平均2トンほど年間給与されていることになる。日本をはじめとする先進国の畜産は、多国籍穀物メジャーの指導の下、大量の穀物を与えるシステムを採用している。
さて、多くの消費者は乳牛は広い牧草地で草を食べて、牛乳を生産してくれるものと思っているであろう。本来の畜産は、人が食べることができないもの、草や廃棄農産物などを給与して肉や玉子などを得る産業である。日本の多くの畜産の形態は、人と競合する安価な穀物を給与して、カロリーを落す無駄な高価な畜産物に変換しているといえる。畜産加工業と私たちは読んでいる。世界の穀物価格を先進国の畜産が引き上げている。
人間には豊かになるとより良いたんぱく質を求める習性がある。昆虫や爬虫類から魚を食べるようになり、やがて鳥を食べ豚を食べ牛を食べるようになる。プロテインラダーと呼べれるものであるが、今世紀になって豊かになった中国が一斉に牛肉を食べるようになった。
世界の肉値が一斉に高くなった。72億人の人間が地上にいるが、10億人が肥満に喘ぎ、10億人飢餓状態にあると言われている。しかし先進国の家畜たちは、穀物を多給され肥満状態にある。
狭いところに押し込まれ、多量の穀物を給与されて高生産を強要される苦痛の中にある。設備投資をしてくれるるし、沢山畜産物を生産してくれるし、しっかり病気をしてくれるので獣医さんは大忙しである。周辺産業は大儲けであるが、家畜は苦痛の中にある。
そうした畜産形態は、食料を浪費して環境を悪化させ、家畜に苦痛を与えるばかりか、収支がとても悪く経営も危うい。
上記の絵のような放牧中心の、家族農業で少ない家畜を無理せず飼うことで、生産効率は高く病気もなく健全な畜産物を生産してくれる。アベノミクスの下、日本の畜産はやれ行けドンドンと大量の資金が投与され巨大化している。非効率的であるばかりでなくより高価な畜産物の生産に励んでる。
私たちは、アニマルウエルフェアー畜産協を設立し、幸せな家畜を殖やそうと努力している。本ブログで幾度にもわたり述べている。参照くださればと思う。

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