雲虎○―●毛呂乃
泣いても笑ってもきょうが千秋楽。きょうの一番に勝ったほうが団体戦としての勝者となる大一番。多くのファンが雲虎の最後の勇姿を一目見ようとつめかけた。
しかし、きょうの主役・雲虎は、おととい毛呂乃に惨敗して以降、すこしノイローゼぎみ。稽古場での相撲ぶりにもどことなく覇気がない。きのうは、そんな雲虎の精神状態を心配した朝広東親方(元前頭・朝乃立)が雲虎を飲みに誘い出し、ふたりで日付が変わるまで痛飲。親方のしての心構え、今後の協会運営など、さまざまなことを語り合い、すこし気持ちが軽くなったようだ。けさは「二日酔いで頭痛がひどく、勃起を気にする余裕はございません。」と完璧な状態ではなかったものの、土俵際で粘りをみせるくらいには精神力も回復できたか「たいした勃起ではありませんが、一応勃起しておりました。私なりにはそこそこの勃起といえるのですが、正直なところほとんど自信はありません。」とギリギリの内容ながら勃起には成功。
いっぽうの毛呂乃。引退相撲最終日ということで、なんとか雲虎に勝ちを譲ってやりたいところだが、ふだんから24時間365日休みなしで勃起しているだけに、いざ負けようと思っても、どうやって負けたらいいのかがわからない。見よう見まねで『パルプンテ』を唱えてはみるものの、「なにも起こらなかった。とくに変化のない朝」と期待したような効果もなく、いつもと同じような隆々とした勃起。そそり立つまらを前にして途方に暮れる毛呂乃。「勝ちにしてもいいが・・・」と、しばらく考え込んだあげく「(負けと言い張るには)厳しい判定。でも最終日だし・・・、黒星」と強引に負けを宣言。観客席からは「こんなの八百長じゃねえか」と疑問の声もあがったが、玉椿広報部長は「まあ、これだけ立派なまらを負けと言い張るのは異例なケースですがね、本人が負けと言っている以上は、ルール上負けなんですよ」と毛呂乃を擁護。「さいきんの大相撲はこういう人情相撲に厳しいですけどね。これが江戸時代だったら谷風―佐野山戦なんてものすごい美談ですよ。ま、こういう相撲も毛呂乃らしいんじゃないですか」と苦笑い。
15日間かけて行われた団体戦の結果は、雲虎側から見て1勝4分で雲虎の勝ち。一部のファンからは千秋楽の判定に首をかしげる向きがないではないが、両チームの熱戦に観客席からは暖かい拍手がおくられていた。
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<雲虎、4月15日、○>
二日酔いで頭痛がひどく、勃起を気にする余裕はございません。
そんな状態でしたが、たいした勃起ではありませんが、一応勃起しておりました。
私なりにはそこそこの勃起といえるのですが、正直なところほとんど自信はありません。
<毛呂乃 4月15日>
毛呂乃はパルプンテを唱えた
しかしなにも起こらなかった
とくに変化のない朝
いつも通りの起床
まらは半立ち
勝ちにしてもいいが、最終日だし厳しく判定して黒星で