(玉椿) 「いやあ、こまったねえ」
― どうしたんですか?
(玉椿) 「場所直前はさ、景気づけにインタビューだのなんだのと記事をアップするんだが、まだ初日まで1週間あるのに、もう記事のストックが切れちまった」
― まだインタビューを載せてない力士がいるじゃないですか。蒼狼とか明烏とか。
(玉椿) 「いや、やつらにもインタビューの質問は送ってるんだよ。んでもさ、返事がなくてさ」
― かれらはやる気ないんですか?
(玉椿) 「やる気がないってか、忙しいんだろうね。まらずもうがはじまったのは7年くらいまえかな? わしのまわりの連中、当時はみんな30代でさ、そんなに出世してなかったし、学生とか無職とかもいたからさ、けっこうひまなやつが多かったんだよ。それがみんなだんだん出世しちまってさ、だんだんまらずもうをやる余裕がなくなってきてさ、引退だの休場だのと歯が抜けるように力士が減っちまったんだよ。えらくなってセンセイだのなんだのと呼ばれるようになると、立場上まらずもうもやりにくくなるってことなんだろうね。元横綱の摩羅の川なんか、現役時代はあんなになよなよしてて頼りなかったのに、引退したらみょうに貫録がついて田舎にやたらでかい家買ってたぜ」
― ああ、ありがちな話ですね。で、いま残っている力士は出世しそびれた連中だと。
(玉椿) 「いや、蒼狼だってモンゴルにもどればセンセイって呼ばれる立場になってるし、萬海だってスリランカじゃそこそこの顔役なんだろ? 出世に縁がなさそうなのは、わしと明烏くらいじゃねえのか?」
― 明烏さんはいけませんか?
(玉椿) 「明烏は、しばらく前に会社やめたあと、ほとんど毎日酒のんでるんじゃねえか? 一日あたりの酒量はそんなに多くないみたいだけどさ、肝臓がつぶれるまえに酒やめさせたほうがいいと思うんだよね」
― やばいですね。ところで、玉椿関はどうして出世しないんですか?
(玉椿) 「んまあ、出世しないのも才能だからね。まらずもうやめた連中みたいにあくせく働かなくてすんでるんだから、社会の底辺をはいつくばるのも、そこまで悪いもんでもないよ」
― 話をもどすと、出世したり酒浸りになったりしてる力士からは、インタビューの返事がなかなかもどってこないと。
(玉椿) 「そうなんだよ」
― どうしましょう?
(玉椿) 「だからさ、新弟子が入ってくれねえかな、って思ってるんだけどね」
― 玉椿関の知り合いを勧誘するわけにはいかないんですか?
(玉椿) 「入門しそうなやつはぜんぶ入門させて、引退までしちまってるよ。そもそもわしは友達がすくねえんだ」
― いまいる社会の底辺とやらの職場で勧誘すればいいじゃないですか?
(玉椿) 「ばかやろう。そんなせりふはあいつらを見てねえから言えるんだ。ぶつぶつ独り言いいながらにやにや笑ってるやつとか、仕事中に突然興奮して踊りだすやつとか、そんなんばっかりだ。しまいには「トイレ行きたい」って言い出せずに、うんこもらすやつまでいるんだぜ」
― 地獄絵図ですね。でも、そういうひとたちのほうが、まらずもうに対する偏見もないんじゃないですか?
(玉椿) 「あのな、まらずもうやるにはそれなりの知性がいるんだよ。よく『プロレスは利口がやって馬鹿が見る、相撲は馬鹿がやって利口が見る』っていうけど、まらずもうは『利口がやって利口が見る』競技なんだよ」
― え? そうだったんですか? みなさんべつに頭がよさそうにはみえないんですが。
(玉椿) 「考えてもみろよ。へたなやつを力士にしたら、ネットに局部画像だのなんだのをアップして、一発で警察沙汰だぜ。こういう内容の競技をやっていながら、いままでひとりの逮捕者も出してないのは、みんな最低限の空気が読めるからでさ」
― なるほど……
(玉椿) 「とにかく、まらずもう協会では切実に新弟子を求めているわけだ。まらずもうの立て直しに力を貸してもいい、という奇特な人間がいたら、marazumou@gmail.com にメールをくれ。たのむよ」
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というわけで、日本まらずもう協会では切実に新弟子を募集しています。まらずもうに興味のあるかたは、日本まらずもう協会(marazumou@gmail.com)まで、メールをください。
また、入門希望のメールには
・しこ名
・出身の都道府県(フェイクでも可)
・連絡先メールアドレス
・希望する地位(序ノ口・三段目付出・幕下付出から選択)
を明記していただけると、話が早いです。
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