お宿&かふぇ 布屋 《主人のひとりごと》

120年経った京町家を改修した民宿『布屋』

市バス一日乗車券の旅 その2

2014年04月22日 14時30分47秒 | 京都観光
嵐電嵯峨駅前の踏切を越えてしばらく行くと桂川の河原の道に出ます。



桜も終わり、新緑の嵐山が拡がります。丁度市バス、京都バスのバス停「角倉町」があります。確かに京都バスの時刻表に「一日乗車券」も利用できると書いてあります。しばらく待っていると京都バスの「苔寺、鈴虫寺」行きがやってきました。さっそく乗り込みます。以前は整理券付きバスでしたが、機械は撤去されています。車内は結構女性客で座席はほぼ埋まっています。次が渡月橋のたもと「嵐山」バス停ですが、だれも降りません。みんな終点の鈴虫寺が目的地のようです。ちょうど後ろの席の女性たちの会話が聞こえてきます。始発の京都駅から乗ってきたようで「1時間も乗ってるのに、このバス¥230や。信じられない・・。うちのほうで1時間もバスに乗ったら1000円位するのに・・」なんて聞こえてきます。ホントおじさんなんか一日乗車券ですでにこのバスで3回目やで・・と思わずちいさくつぶやきます。松尾大社を過ぎて細い道をすすむと終点「苔寺、鈴虫寺」です。嵐山から20分位です。



やはり日曜日とあってかなりの人です。圧倒的に女性グループが多いですが、仕方なくついて来た男性を従えたカップルも見られます。



バス停前の茶店のおばちゃんが盛大に道案内しています。「鈴虫寺はこちらやで。そっちは苔寺で入れへんで」乗ってきたバスで折り返し帰りのバスに乗り込む(ここまで来て鈴虫寺に行かない人はまづいないでしょう)ちょっと不審なおじさん(僕です)をみてちょっと首をかしげていますが、気にせず京都駅行きに乗り込みます。ちょっと車内で居眠りしようと思ってますが観光地経由のバスの車内は賑やかなので「松尾大社前」で下車。松尾橋を渡って反対側の市バス「松尾橋」に向かいます。



小雨の中、河原では「新入生歓迎バーベキュー?」が繰り広げられています。結構寒いのに川に飛び込んでいる学生もいます。「若いなー」とぼんやり眺めながらバス停へ。ここが始発の「3番」北白川仕伏町行の一番後ろの席を確保します。なぜか市バスの案内地図「バスなび」には「3番」は掲載されていません。観光地を結ぶ系統ではないからかな?この系統は、京都の西端の松尾から四条通を横断して東の端の北白川まで行くので、居眠り目的にはぴったりです。バスが動き出してふと気が付くと「四条烏丸」です。日曜の繁華街はスゴイ人です。車内も結構混雑しています。このまま河原町今出川、百万遍をやり過ごし北白川別当町でバスをおります。なんと丁度1時間。「ふーっ」時刻は夕方5時近くになりました。うちの奥さんとの待ち合わせ時間が「お茶会」がすんで着物を片付けてからなので夜7時で、まだ時間があります。待ち合わせが三条なのでその近くまで行くことにします。北白川別当町から「5番」で平安神宮へ向かい、一捻りして東山二条から「203番」で四条河原町へ。これで7回乗車したわけです。消費税が上っても¥500のまま値段が据え置かれた一日乗車券(大英断)は、やはりお値打ちですね。バスの旅を終えた僕は、オーパの「タワーレコード」と「ブックオフ」に立ち寄り、そうそう村上春樹の新刊が出たので「ブックファースト」で初版本と確認してから購入します。今回の短編集はなんかいろいろ曰くがあり、「ドライブ・マイカー」では喫煙に対して実在の北海道の町会議員からクレームがついて初出の文芸誌にある町の名前をこの短編集では変更してあります。どのように変更したのかもちょっと気になり早速確認すると、初期のころの作品の中に出てくる北海道の架空の町の名前になっていました。成程と納得。他にも「イエスタデイ」はやはり初出の文芸誌から十何行削除されていて、ちょっと村上春樹らしくない本に仕上がっています。ま、こんなことは一部の人だけにしかわからないことですが・・。さて待ち合わせの三条のブックオフ(2軒ハシゴするほど結構愛用しています)で合流した我々は今夜の目的地へ向かいます。最近愛読している「京都の中華」に出ているお店を巡っています。今夜は



河原町三条にある京都人なら誰でも知っている中華料理店ですが、なぜか今まで入ったことがありませんでした。



よく見るとオモテの陳列棚もなんかいい感じですね。早速入店。ちょうど河原町の喧噪が窓越しに感じられる席が空いています。生ビールと「エビの春巻き」と「鶏のから揚げあんかけ風」などを注文して店内を見回すと
「長い間 ご利用ありがとうございました。当店は4月26日で 閉店させていただきます」!!!!!とあります。今日は20日なので今週いっぱいやん!なんということだ。すると先ほどまで空席もあった店内があっという間に満席に。日曜日なので通りがかりの外国人の団体(8人)やら、別れを惜しみに来られる常連と思しきお客さんやらで、注文をとる「お母さん」は大変な状態に。少し早目のタイミングでお料理を頼んでよかった!





竹の子を湯水のように使う京都の春巻き(ここはいつもの王将とは違う!)とビールでしばし幸せを味わいます。でもあまりの混みように「叉焼麺」を頼むタイミングを逸した我々は、次のお客様に席を譲り、僕たちにとって最初で最後の「ハマムラ河原町店」となります。またひとつ河原町の顔が無くなるわけです。でも次に寄ったお店で、ちょっと小耳にしたところ(京都の飲食店の薀蓄本を一杯出しているバッキーさんに聞いたので確かな情報です)「ハマムラ」の息子さんは別のところでお店を出すことを考えているそうで再びあの「春巻き」は食べれそうです。おわり。