大阪・中之島の国立国際美術館で開催中の『ベルギー王立美術館展』へいってきました。
天保山のサントリー・ミュージアムの『ダリ展』に行くつもりが、なぜか辿り着いたのは中之島。場所が全然違う。電車の乗換が面倒だったのですもの。あー、でもやっぱ『ダリ展』も行ってこようかな。もう終わっちゃうし。
さて、『ベルギー王立美術館展』です。
目玉は、ピーテル・ブリューゲル(父?)の「イカロスの墜落」などなど。
私のお目当ては、ブリューゲルとマグリットとデルヴォーです。
まだ午前中ということもあるのか、館内は比較的空いていて楽に見て廻れます。しかし、照明が暗く設定してあるのは良いですが、作品名や作者、解説文を書いたプレートの文字が小さく、プレート自体も小さいので、視力の良い私でも時々読めません。でかい虫眼鏡を持ったおじいさんが、一生懸命に読もうとなさっていますが、ときどきプレートが遠くに設置してあったりするので、うまく眼鏡をかざすこともできずに気の毒でした。こういうところは、この美術館は改善すべきではないですかね。いったん外に出たら再入場不可というところも気に入らないし。『ゴッホ展』のときもひどかった。
この美術館の問題はさておき、じっくりと見てみると全体的に薄暗い色調の作品が多いという印象でしたが、そのなかで私がとくに気に入った作品と一言感想文は以下のとおりです。
*イカロスの墜落 ピーテル・ブリューゲル(父)?*
手前の赤い服の農夫が、あまりに前面に押し出されてくるような錯覚にとらわれます。小高い丘の上の畑の向うには海があり、大きな船が幾艘も浮かんでいます。
で、イカロスは……? どこ……?
と思ったら、右下の端に、海面から突き出た2本の足が!!(犬神家)
そのすぐ近くでは、おじさんが呑気に釣りをしています。
同行のK氏は、これが妙に気に入ったらしいです。
*婚礼の踊り ピーテル・ブリューゲル(子)*
鮮やかな色彩と、ユーモラスな人物。色々な意味で印象的でした。
上の美術展のチケットに使われているのがこの絵。
*欲望 アブラハム・ヤンセン・ファン・ヌイッセン*
欲望を沸き起こすヴィーナス像です。
大柄な裸のヴィーナスが、つがいの小鳥を左手に乗せ、鏡を見ています。
私は、これがとても好きになりました。
*鶏と七面鳥 ヤン・フェイト*
戦う鶏と七面鳥。薄暗い背景にきっぱりと浮き出す鮮やかな鳥の羽根。
*アントウェルペンのシント・カロルス・ボロメウス教会内部
ヴィルヘルム・シューベルト・フォン・エーレンベルク*
細かい。とにかく細かい。
どういう動機でこんな細かい絵を描こうと思ったのだろう。
落ち着いた画面からは激しい情熱を感じます。
*口論 フェリシアン・ロップス*
「その鼻っ柱をへし折ってくれるわ!」
「ホホホ、やれるもんならやってご覧なさい!」
と言っているのが聞こえてきそうな華やかな女性ふたり。
絵とタイトルの一体感がすごい。
*怒れる仮面 ジェームズ・アンソール*
棍棒(か何か)を持ってドア口に立ち塞がる黒眼鏡の老婆。
それを椅子に座って見上げる大きな鼻の男。
どういう意味かは分からないですが、妙な迫力。
*燻製ニシンを奪い合う骸骨たち ジェームズ・アンソール*
さっきの「怒れる仮面」と同じ人。
この人は、作品によって随分と雰囲気が違います。マンガ風のもあれば、とても正統的なものもあるし。面白いです。「自画像」はとても挑発的です。指を立てているじゃないですか。
*情念の輪 ジャン・デルヴィル*
画材は、紙と黒チョーク。それだけなのに、描き出されたものは、もう既にそれだけではありません。絵って、不思議で凄いなあと思わされた1枚。
*孔雀 ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンク*
青と緑の木立に佇む3羽のオスの孔雀。2羽は木の上にとまっています。もう1羽は羽根を広げ、木の上の2羽を見上げています。この見上げる孔雀が猛烈に可愛い。目が間抜け。足はクロスしています。「え? なんですか?」という顔をしています。ぷぷ。
色がとてもきれいで落ち着きます。
*ノクターン ポール・デルヴォー*
女のひとの目がでかい。でも、なんだか魅力的。
夢の中のような世界にはとても惹き付けられます。
*光の帝国 ルネ・マグリット*
私の大好きな作品。
よもや生で見られる日が来るとは思いませんでした。
思っていたよりもかなり大きな作品でした。壁いっぱいに、これは凄い。
やはりこれが目玉の展示物であるのか、ここだけ照明が明るい。しかし、額の内側にはガラスが嵌められていて、光を反射して、作品の暗い部分がよく見えない……国立国際美術館め~~。
目を凝らして眺めると、木の影は意外とのっぺりと塗られています。
空の色はあまりに鮮やかでくらくらするので、あまり見ないでおこうと思います。
私は、この人の表現のありかたはもちろんのこと、こののっぺりと塗りましたという感じも好きなのかもしれません。
これは私の持っている画集から。これを見た。
というわけで、楽しかったです。絵を描きたくなりました。なにかでかい絵を。
天保山のサントリー・ミュージアムの『ダリ展』に行くつもりが、なぜか辿り着いたのは中之島。場所が全然違う。電車の乗換が面倒だったのですもの。あー、でもやっぱ『ダリ展』も行ってこようかな。もう終わっちゃうし。
さて、『ベルギー王立美術館展』です。
目玉は、ピーテル・ブリューゲル(父?)の「イカロスの墜落」などなど。
私のお目当ては、ブリューゲルとマグリットとデルヴォーです。
まだ午前中ということもあるのか、館内は比較的空いていて楽に見て廻れます。しかし、照明が暗く設定してあるのは良いですが、作品名や作者、解説文を書いたプレートの文字が小さく、プレート自体も小さいので、視力の良い私でも時々読めません。でかい虫眼鏡を持ったおじいさんが、一生懸命に読もうとなさっていますが、ときどきプレートが遠くに設置してあったりするので、うまく眼鏡をかざすこともできずに気の毒でした。こういうところは、この美術館は改善すべきではないですかね。いったん外に出たら再入場不可というところも気に入らないし。『ゴッホ展』のときもひどかった。
この美術館の問題はさておき、じっくりと見てみると全体的に薄暗い色調の作品が多いという印象でしたが、そのなかで私がとくに気に入った作品と一言感想文は以下のとおりです。
*イカロスの墜落 ピーテル・ブリューゲル(父)?*
手前の赤い服の農夫が、あまりに前面に押し出されてくるような錯覚にとらわれます。小高い丘の上の畑の向うには海があり、大きな船が幾艘も浮かんでいます。
で、イカロスは……? どこ……?
と思ったら、右下の端に、海面から突き出た2本の足が!!(犬神家)
そのすぐ近くでは、おじさんが呑気に釣りをしています。
同行のK氏は、これが妙に気に入ったらしいです。
*婚礼の踊り ピーテル・ブリューゲル(子)*
鮮やかな色彩と、ユーモラスな人物。色々な意味で印象的でした。
上の美術展のチケットに使われているのがこの絵。
*欲望 アブラハム・ヤンセン・ファン・ヌイッセン*
欲望を沸き起こすヴィーナス像です。
大柄な裸のヴィーナスが、つがいの小鳥を左手に乗せ、鏡を見ています。
私は、これがとても好きになりました。
*鶏と七面鳥 ヤン・フェイト*
戦う鶏と七面鳥。薄暗い背景にきっぱりと浮き出す鮮やかな鳥の羽根。
*アントウェルペンのシント・カロルス・ボロメウス教会内部
ヴィルヘルム・シューベルト・フォン・エーレンベルク*
細かい。とにかく細かい。
どういう動機でこんな細かい絵を描こうと思ったのだろう。
落ち着いた画面からは激しい情熱を感じます。
*口論 フェリシアン・ロップス*
「その鼻っ柱をへし折ってくれるわ!」
「ホホホ、やれるもんならやってご覧なさい!」
と言っているのが聞こえてきそうな華やかな女性ふたり。
絵とタイトルの一体感がすごい。
*怒れる仮面 ジェームズ・アンソール*
棍棒(か何か)を持ってドア口に立ち塞がる黒眼鏡の老婆。
それを椅子に座って見上げる大きな鼻の男。
どういう意味かは分からないですが、妙な迫力。
*燻製ニシンを奪い合う骸骨たち ジェームズ・アンソール*
さっきの「怒れる仮面」と同じ人。
この人は、作品によって随分と雰囲気が違います。マンガ風のもあれば、とても正統的なものもあるし。面白いです。「自画像」はとても挑発的です。指を立てているじゃないですか。
*情念の輪 ジャン・デルヴィル*
画材は、紙と黒チョーク。それだけなのに、描き出されたものは、もう既にそれだけではありません。絵って、不思議で凄いなあと思わされた1枚。
*孔雀 ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンク*
青と緑の木立に佇む3羽のオスの孔雀。2羽は木の上にとまっています。もう1羽は羽根を広げ、木の上の2羽を見上げています。この見上げる孔雀が猛烈に可愛い。目が間抜け。足はクロスしています。「え? なんですか?」という顔をしています。ぷぷ。
色がとてもきれいで落ち着きます。
*ノクターン ポール・デルヴォー*
女のひとの目がでかい。でも、なんだか魅力的。
夢の中のような世界にはとても惹き付けられます。
*光の帝国 ルネ・マグリット*
私の大好きな作品。
よもや生で見られる日が来るとは思いませんでした。
思っていたよりもかなり大きな作品でした。壁いっぱいに、これは凄い。
やはりこれが目玉の展示物であるのか、ここだけ照明が明るい。しかし、額の内側にはガラスが嵌められていて、光を反射して、作品の暗い部分がよく見えない……国立国際美術館め~~。
目を凝らして眺めると、木の影は意外とのっぺりと塗られています。
空の色はあまりに鮮やかでくらくらするので、あまり見ないでおこうと思います。
私は、この人の表現のありかたはもちろんのこと、こののっぺりと塗りましたという感じも好きなのかもしれません。
これは私の持っている画集から。これを見た。
というわけで、楽しかったです。絵を描きたくなりました。なにかでかい絵を。
実は大阪の前は長崎でやってたんですよ~
見に行きそびれました・・・
私もマグリットの本物見たかったなあ。
絵画って、それまでに画集とかで見ていても、実物を見ると本当に圧倒されますよね。私は以前モネの「睡蓮」を見て…と言ってもモネの睡蓮ってたくさんあるんです。その中のほんの小さな一作でしたが、その一枚の絵の中に印刷物では絶対に伝わらない光と影が封じ込められているのを見て圧倒されたことがあります。ちなみにモネは私にとって画集を見てもちっともピンと来ない画家でしたが・・・。あの感動は実物ならではですよね。
最近美術展、行ってないなあ~
長崎でもやってたんですか。ご覧になれなくて残念でしたね。マグリットはほんとに良かったですよ。欲しくなりました。
実物のインパクトはたしかに圧倒的ですよね。
これが、実物を見る前から衝撃を受けている絵の実物見たら、いったいどうなっちゃうんでしょうね~。「死の島」とかいつか見たいです。