曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

「真田丸」第45回「完封」の感想

2016-11-14 14:53:33 | 大河ドラマ


いよいよ大阪冬の陣開幕。西の木津川口と北東の今福砦が陥落した。手薄なところを狙い撃ちされ、内通者がいるのではないかと毛利勝永と幸村が疑う。

幸村は織田有楽斎を厨房に誘って「実は自信がない」と視聴者には見え見えの嘘をついた。これからさらに手薄な博労淵を攻められたらヤバイですと。有楽斎は穏やかな笑みを浮かべて、兄信長の「弱気になるな。弱気になったら敵が大軍に見える」という言葉を引用。

直後、幸村が「やけに早いな」と呟くほど素早く博労淵陥落。幸村の指示で博労淵の兵は引き上げていたようだ。それにしても、幸村は非戦闘中の場内でも赤い装甲を着用し続けている。他の五人衆もだが、実際にああだったのだろうか。あれで疲れないのだろうか。

家康は真田丸が厄介だと頭を抱えていた。やっと父親が死んだと思ったら今度は息子か~。何故厄介なのかと秀忠に質問するが、答えられない。正解は、「千人以上の鉄砲隊が入れるデカさ」「高台にあって南面全体を見渡せる」だった。「逃げ恥」では美味しい役の秀忠だが、家康の前ではからっきし無能扱い。

江戸の真田屋敷に福島正則と、平野長泰が訪問。太閤殿下のご恩に報いるため、兵糧を大坂側に送りたいという。

福島「わしらは、ほら」
長野「賤ケ岳の七本槍のうちの二本じゃ」
信之「知ってます」
福島「一番元気だった加藤清正が死んでしまって」
長野「わしらは長生きしような」
信之「...おい(なんの話だよ)」

信之は弟のために何かしたいと思うが、稲に叱られて断念。だが、こうさんが蕎麦の在庫をこっそり教えてくれた。僕の脳内で、大量の蕎麦粉を送られて困惑する幸村の図が見えた。

家康は上杉景勝と直江兼続を苛めていた。

家康「前回わしに楯突いたせいで120万石から何万石になったんだっけ?(すっとぼけ)」
兼続「...30万石でございます」


畜生顔の家康と、感情のスイッチOFFな兼続

というわけで、徳川への忠誠心を見せるために上杉隊は真田丸を攻撃することになった。

はる(大坂城内に居たのね)が幸村に「勝ったら豊臣の世になるのか」と訊いたら、幸村は「ならないと思う」と答えた。籠城しているうちに高齢の家康が死ぬかも的な作戦とか、それでも徳川幕府は始まってるし、とか、幸村の参戦動機と戦略についてはいろいろと議論があるわけだが、本作の幸村は楽観的ではないらしい。

真田丸の櫓に登った幸村と内記。目の前に三十万の大軍が大地を埋め尽くすように布陣していた。いや、ここはCGだったけど、せいぜい2万て感じの密度だった。想像力で補いましょう。その中に、真田隊と同様の赤備えを発見。

幸村「あれは井伊直孝の軍勢だな」
内記「井伊でございますか」
幸村「向こうにもここに至るまでの物語があるのだろう」
内記「一度聞いてみたいものですなあ」

僕は、あっちも武田(赤備え)の遺臣として、ここにたどり着くまで色々あったんだろうね的な話かと思ったのだが、井伊直孝は来年の大河の関係者なんだね。

茶々が無双系のゲームに出てきそうな派手な武装で陣中見舞い。茶々の侍女にさせられたきりが「あの人、あんまり好きじゃない」と漏らした。

佐助は東の真田家とも交流していた。三十郎が徳川勢の動きを佐助経由で幸村に知らせてくれた。先手を取ろうと五人衆を集める幸村。各自の持ち場や動きをすべて指示した。揉めたこともあったけど、結局幸村が総司令官じゃん。


父譲りの「では、おのおの、ぬかりなく」

大助がかつての幸村のように旗を振って歌い踊る。場所は恐らく篠山。こんな挑発で乗ってくるかな、と思っていたら、真田丸内で爆発音。佐助の仕業である。最初は意味わからんかったが、あとで調べたら、あれで内部分裂が起きたと勘違いさせたらしい。前田勢が突撃してきた。逆茂木や空堀にぶつかるが、後ろから井伊勢が押してきていて、そのまま突き進むしかなく、罠の餌食に。さらに城内から銃撃された。あれだけ大々的に鉄砲隊を使ったのに、塙団右衛門は映らず(作戦会議にはいた)。

投石隊の長宗我部盛親が苦戦している閂を毛利勝永が狙撃で外すという見せ場あり。後藤又兵衛は銃撃の中突撃しようとして弾き飛ばされ、「当たってねえよ!」と言い張っていた。

真田丸指揮所で采配を振るっていた幸村、頃合いを見て騎馬で出撃。画面には十数騎しか表示されていなかったが、画面外には数千騎の赤い騎馬隊が続く。幸村は「真田左衛門佐幸村ァ!」と名乗りを上げ、前田勢と井伊勢の残りを包囲殲滅。「関東勢には男子は一人もいないようだな!わはは!」という有名な煽りはなかったが、遠くで見ていた上杉景勝が「日の本一の兵(つわもの)!」を叫んだ。

あれは夏の陣終盤か終了後に名もない徳川兵が呟くとか、武将の誰かが回顧録に記すとかが良かった。御館様、フライングだよ。

秀忠「大敗ですね」
家康「そんなこと分かっとるわ!!!」

秀忠は将軍の威厳が全くないなあ。

大勝利に湧く真田丸内広場。長宗我部盛親の音頭でエイエイオーと勝鬨を上げた。タイトルが完封だけに味方の損害がなく(描かれず)、大坂勢は皆輝いていた。

木村重成「名将真田左衛門佐殿の戦いを見られて光栄でした」
幸村「ここだけの話として聞いてほしいのだが、このような大戦は初めてで、心の臓が口から飛び出そうだったw」

そこまで言わなくても良かったと思うが、幸村の実戦経験についてはロマンを抜きにした学術的な研究では色々言われているわけだし、まあ許そう。

真田幸村最後の勝ち戦の回が終わった。もうちょっとエキストラを増やし、もうちょっとカメラアングルを低くしたりアップにしたりして人数が少ないことを見せないようにしてほしかった。が、予算もないだろうし、昔の4:3テレビと違って今の横長高解像度だと画角や角度で誤魔化せないのだろう。CGもうまく使ってほしかったけど、うまくやりすぎたら、それはそれで三谷幸喜作品のの胡散臭い雰囲気に合わないような気もする。

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