日頃行かない日曜日に映画館へ足を運びました。
やっぱり日曜日の込み具合はスゴイですねぇ。
前もってネットで席を確保していたのですが、余裕を持って25分くらい前に到着した時には
「英国王のスピーチは満席です~」のアナウンス。
アカデミー賞有力作品の呼び声が高いとあって、関心も高いようです(鑑賞したのは発表の前日です)。
BBCテレビ「高慢と偏見」のMr.ダーシー以来コリン・ファースのファンである私も、
珍しく公開2日目に駆けつけることと相成りました。
アカデミー賞発表後のマスコミでの扱いが・・・
主演男優賞を獲得したというのに、「主演男優賞は『英国王のスピーチ』のコリン・ファースさん」
のみで、スピーチやインタビューとか放送されません
ケーブルTVのムービープラスでも司会のLiLicoさんが「じっくり受賞俳優について」と言いながら
話題は子役出身のナタリーとクリスチャン・ベールだけって・・・あんまりやないか~!?
英国王のスピーチ The King's Speech
< ストーリー >
英国王ジョージ5世の次男ヨーク公アルバート王子は子供の頃からの吃音症だった。
ある日、オーストラリア出身の言語聴覚士ライオネル・ローグを紹介され、
彼のユニークな治療を受けることになる。
そんな中ジョージ5世が崩御し、兄のデイヴィッド王子が「エドワード8世」として国王に即位するが、
離婚歴のあるアメリカ人女性シンプソン夫人との結婚を望んだことで退位し、アルバート王子が
「ジョージ6世」として英国王位につくことになる。
1939年9月3日、イギリスはドイツに宣戦布告し第二次世界大戦が始まった。そして同日、ジョージ6世は
イギリス連邦に向けて全国民を鼓舞する渾身の演説を、緊急ラジオ生放送で行うこととなる。
果たして彼のスピーチは・・・。
ジョージ6世は1895年生まれ、1937年王位に付き、1952年肺癌で崩御、
在位はわずか15年だったのですね。
一方、王妃エリザベスは1900年生まれ、1923年ご結婚、夫を亡くして50年後
2002年101歳でお亡くなりました。映画の通り、夫を支え、国民の人気も高かったそうです。
ニューヨークタイムズによると、この映画の脚本化は80年代に始まり王妃エリザベスの許可を取った
ところ、「当時のことを思い出すといまだ胸が痛むので、私の生きている間はしないで欲しい」と
お断りになったとか。それで映画化は2002年まで延期されたとのこと。
「クイーン」で、自分のお葬式の式次第をダイアナ妃に取られたとちょっとお怒りだった王太后です。
兄で王位継承権1位のエドワード8世の愛のために王位を捨てた「王冠を賭けた恋」のロマンス美談ばかりが先行し(実はそんなロマンチックなものではなかったというドキュメンタリー番組を見たような・・・)、
代わりに王位に付いたジョージ6世がどんな方だったのか全く知りませんでした。
突然転がり込んだ国王の座、ましてや吃音症を抱えどれほどの重圧だったことでしょう。
左利きの矯正やX脚の矯正、乳母による虐待(王室なのにどうしてそんなとんでもない乳母を付けたかねぇ)、
吃音をからかう兄、これを聞くだけで不憫で胸が痛くなります
冒頭、父王ジョージ5世の代理で行ったスピーチで失敗。
身分を隠して訪れた矯正専門家ローグの言葉「人前で話すのが苦手なら、職業を変えなさい」って
あんた・・・知らぬとはいえ、無茶言うなー。
専門家といえど矯正法なんて確立してなかった当時、あちこちの専門家の治療を試す夫妻。
病気になった時、信頼できる医者に出会うまであちこち探す過程や、この人っと信頼を築くまでって
本当に不安で辛いことですよね。
王の吃音が物理的な問題ではなく精神的な心の問題であると気付くローグ。
NHKのドキュメンタリーで第一次大戦後PTSD(心的外傷後ストレス障害)の研究が始まったというのを
見たことがありますが、まさにローグは戦争で心に問題を抱えた人たちを見たことから矯正専門家、
今で言う心理療法士になったわけですね。
ローグが毅然と対等な立場を堅持し、ユニークな治療で王の信頼を得てゆく過程、
そして懸命に夫を励まし支える王妃の姿に、次第に引き込まれ肩に力が入りました。
クライマックスのスピーチのシーンでは、エリザベス妃同様、手に汗握り、息をつめ、
スピーチが終ったときには王妃、側近とともにホッと笑みがこぼれ緊張が解き放たれた気がしました。
ジョージ6世とエリザベス妃 ジョージ6世 Wikiより
子供の時に抱えたコンプレックスって、切ないなぁ。
下々の者にはうかがい知れませんが、やんごとない身分の方でも(だからこそ?)いろいろあるんやねぇ。
スピーチって、スラスラ淀みなくしゃべれるかどうかではなくて、
話す人の人格とか、伝えたい思い、気迫が言葉や映像を通して聞く人の心に届くんだと思います。
ローグがオーストラリア人だったってとこ、英国人の皆様の態度が時代を感じさせます。
BBCテレビ「高慢と偏見」以来コリン・ファースのファンとカミングアウトしましたが、
ローグの妻マートルを演じているのがなんと!「高慢と偏見」で主役エリザベス・ベネットを演じていた
ジェニファー・イーリーなんです。
なんだかうれし~い、でもエリザベスだらけですね。
コリン、これからも影ながら応援しているよ~
本作は英国ではR-15(後でR-12に引き下げ)、アメリカでもR指定(15歳未満は入場禁止)だとか。
訓練中にジョージ6世がいわゆる「不適切な言葉」を使っているから子供には見せられない
ってことなんでしょうが・・・本作は子供たちを励ます映画だと思うけれど、ね。
***** 見た 映画 *****
3月 1日「フード・インク」@横浜ジャック&ベティ
「ありあまるごちそう WE FEED THE WORLD」@横浜ジャック&ベティ
やっぱり日曜日の込み具合はスゴイですねぇ。
前もってネットで席を確保していたのですが、余裕を持って25分くらい前に到着した時には
「英国王のスピーチは満席です~」のアナウンス。
アカデミー賞有力作品の呼び声が高いとあって、関心も高いようです(鑑賞したのは発表の前日です)。
BBCテレビ「高慢と偏見」のMr.ダーシー以来コリン・ファースのファンである私も、
珍しく公開2日目に駆けつけることと相成りました。
アカデミー賞発表後のマスコミでの扱いが・・・
主演男優賞を獲得したというのに、「主演男優賞は『英国王のスピーチ』のコリン・ファースさん」
のみで、スピーチやインタビューとか放送されません
ケーブルTVのムービープラスでも司会のLiLicoさんが「じっくり受賞俳優について」と言いながら
話題は子役出身のナタリーとクリスチャン・ベールだけって・・・あんまりやないか~!?
英国王のスピーチ The King's Speech
< ストーリー >
英国王ジョージ5世の次男ヨーク公アルバート王子は子供の頃からの吃音症だった。
ある日、オーストラリア出身の言語聴覚士ライオネル・ローグを紹介され、
彼のユニークな治療を受けることになる。
そんな中ジョージ5世が崩御し、兄のデイヴィッド王子が「エドワード8世」として国王に即位するが、
離婚歴のあるアメリカ人女性シンプソン夫人との結婚を望んだことで退位し、アルバート王子が
「ジョージ6世」として英国王位につくことになる。
1939年9月3日、イギリスはドイツに宣戦布告し第二次世界大戦が始まった。そして同日、ジョージ6世は
イギリス連邦に向けて全国民を鼓舞する渾身の演説を、緊急ラジオ生放送で行うこととなる。
果たして彼のスピーチは・・・。
ジョージ6世は1895年生まれ、1937年王位に付き、1952年肺癌で崩御、
在位はわずか15年だったのですね。
一方、王妃エリザベスは1900年生まれ、1923年ご結婚、夫を亡くして50年後
2002年101歳でお亡くなりました。映画の通り、夫を支え、国民の人気も高かったそうです。
ニューヨークタイムズによると、この映画の脚本化は80年代に始まり王妃エリザベスの許可を取った
ところ、「当時のことを思い出すといまだ胸が痛むので、私の生きている間はしないで欲しい」と
お断りになったとか。それで映画化は2002年まで延期されたとのこと。
「クイーン」で、自分のお葬式の式次第をダイアナ妃に取られたとちょっとお怒りだった王太后です。
兄で王位継承権1位のエドワード8世の愛のために王位を捨てた「王冠を賭けた恋」のロマンス美談ばかりが先行し(実はそんなロマンチックなものではなかったというドキュメンタリー番組を見たような・・・)、
代わりに王位に付いたジョージ6世がどんな方だったのか全く知りませんでした。
突然転がり込んだ国王の座、ましてや吃音症を抱えどれほどの重圧だったことでしょう。
左利きの矯正やX脚の矯正、乳母による虐待(王室なのにどうしてそんなとんでもない乳母を付けたかねぇ)、
吃音をからかう兄、これを聞くだけで不憫で胸が痛くなります
冒頭、父王ジョージ5世の代理で行ったスピーチで失敗。
身分を隠して訪れた矯正専門家ローグの言葉「人前で話すのが苦手なら、職業を変えなさい」って
あんた・・・知らぬとはいえ、無茶言うなー。
専門家といえど矯正法なんて確立してなかった当時、あちこちの専門家の治療を試す夫妻。
病気になった時、信頼できる医者に出会うまであちこち探す過程や、この人っと信頼を築くまでって
本当に不安で辛いことですよね。
王の吃音が物理的な問題ではなく精神的な心の問題であると気付くローグ。
NHKのドキュメンタリーで第一次大戦後PTSD(心的外傷後ストレス障害)の研究が始まったというのを
見たことがありますが、まさにローグは戦争で心に問題を抱えた人たちを見たことから矯正専門家、
今で言う心理療法士になったわけですね。
ローグが毅然と対等な立場を堅持し、ユニークな治療で王の信頼を得てゆく過程、
そして懸命に夫を励まし支える王妃の姿に、次第に引き込まれ肩に力が入りました。
クライマックスのスピーチのシーンでは、エリザベス妃同様、手に汗握り、息をつめ、
スピーチが終ったときには王妃、側近とともにホッと笑みがこぼれ緊張が解き放たれた気がしました。
ジョージ6世とエリザベス妃 ジョージ6世 Wikiより
子供の時に抱えたコンプレックスって、切ないなぁ。
下々の者にはうかがい知れませんが、やんごとない身分の方でも(だからこそ?)いろいろあるんやねぇ。
スピーチって、スラスラ淀みなくしゃべれるかどうかではなくて、
話す人の人格とか、伝えたい思い、気迫が言葉や映像を通して聞く人の心に届くんだと思います。
ローグがオーストラリア人だったってとこ、英国人の皆様の態度が時代を感じさせます。
BBCテレビ「高慢と偏見」以来コリン・ファースのファンとカミングアウトしましたが、
ローグの妻マートルを演じているのがなんと!「高慢と偏見」で主役エリザベス・ベネットを演じていた
ジェニファー・イーリーなんです。
なんだかうれし~い、でもエリザベスだらけですね。
コリン、これからも影ながら応援しているよ~
本作は英国ではR-15(後でR-12に引き下げ)、アメリカでもR指定(15歳未満は入場禁止)だとか。
訓練中にジョージ6世がいわゆる「不適切な言葉」を使っているから子供には見せられない
ってことなんでしょうが・・・本作は子供たちを励ます映画だと思うけれど、ね。
***** 見た 映画 *****
3月 1日「フード・インク」@横浜ジャック&ベティ
「ありあまるごちそう WE FEED THE WORLD」@横浜ジャック&ベティ
前日、夜更かしされましたか?
私もたまに睡眠不足で寝てしまうことがありました。予告編のあのシーンなかったんじゃ?と聞いて、呆れられたことがありました。
でも・・・爆睡ですか?(笑)
是非もう一度、たっぷり睡眠をとってから、ね。
してしまいました(笑)
せっかく楽しみにしていたのに…
アカデミー賞を獲得する良質な
作品であることは感じました。
夫婦で見ることをお勧めしたいです。