手術を受ける、と言うのは誰にも嫌なモノです。
過去に散々経験していても、人は齢を取ると、自分が大丈夫か、できるのだろうか?と不安を抱くようになるモノです。
先日も、長いお付き合いの患者さんが、残念ながら歯根が折れてしまって、抜歯即時荷重インプラントを受ける決断をして下さいました。
でも、その時に言われたのが、私ももう齢ですから、手術又受けるってなると怖いですよね・・・と正直に教えて下さいました。
最期の時を迎えることも考えられる年齢に差し掛かって、奥歯がなくなってしまうことだけでも、その患者さんにとって結構なダメージなことであるのに、その上更にインプラントをすると言う選択が、それまでもう5本以上もインプラントを経験されていて、安定して良い経過を辿っていても、そのようにお感じになるのです。
色々な考え方がありますが、その患者さんの場合にも、インプラントでないとしたら入歯かブリッジ、と言う選択肢になります。
その場合、入れ歯だとすると、年齢的にも入れ歯に馴染めるのだろうか、結構な高齢なのに今から入れ歯にしないといけないのか?それとも隣の歯を削って繋ぐブリッジか、その場合歯を削る時間とか手間とかを考えると、歯をそこまで犠牲にしてしまうのは?と考えてしまうと言う状況で、同じ時間が掛かるなら、歯に負担を強いないその部分だけで治せるインプラントか?とお話し合いをしながら、私も患者さんも悩む、と言う状況でした。
その中で、最大の障壁は、手術の恐怖、今の年齢に到って、と言う所だったのです。
そして、最終的に決断していただけたのは、松元先生の手術を信じて、やはりお任せします、と言う言葉が出て、昔入れていたブリッジに不快感、モノが隙間に入る気持ち悪さのことを言われ、インプラントにしたらそれが解消した、と言う事実でインプラントが一番ですよね、と納得されたようでした。
それでも、正直にやはり不安です、と言われ、怖いですね、前にした時とかは、そこまで感じなかったけど、今の齢になるとね・・・と話して下さいました。
私は、その気持ちが痛いほど分かりました。
誰だって、幾つになったって、手術を受ける、と言うのはやはり怖いモノなのです。
で、私は鎮静しましょうか、と言うお話もしました。
ところが、その患者さんは意識がない方が怖い、それならば先生の手術信じてるので、痛まない処置して下さいますよね、大丈夫ですよね、と聴かれました。
私はそれにお応えして、勉強もし続けて来てますし、私は常に麻酔が切れても痛くない、辛い感じがしない、翌日であっても腫れもない痛くもない、と言う身体に優しい手術を徹底的に行いますから、と宣言させていただきました。
そうですね、昔も先生の手術で腫れたり痛んだりしたことないですし、先生が勉強続けてられるのは良く存じ上げてますから、寝てる間で意識がない、と言う方が私は怖いので、先生にお任せします、と患者さんは漸く微笑んで下さいました。
実を言いますと、この方のご主人様はお医者さんでした。
もう亡くなられて相当経ちますが、ご主人様が医師ですから、医療界の内情は普通の方よりは良くご存知です。
そして、そのご主人様のご紹介で、私のインプラント治療を信じて来て下さった方でしたので、手術と言うモノは丁寧で繊細に行われることが最重要で、それが治りを左右し、全身麻酔後の辛さを知るが故に、鎮静も嫌っている、と言う裏話があるのです。
なので、最初のインプラントの時から、覚醒している状態での手術を希望されてましたし、前回の処置でかなり安心できる状況に仕上げていた筈なのですが、私の腕が不足してたのでしょう、歯根が割れる、と言う事態に到ってしまったのです。
根管治療もちゃんとできていて、セラミックもちゃんと綺麗に入れていたのですが、神経がなくなってから20年近くになってしまうと、噛む力に耐え切れない、と言う我々の業界で良く起こることが起きてしまった訳です。
非常に残念ですが、割れた歯根は救えません。
本当に今度こそ人生最期のインプラントとなるように、精魂込めて、綺麗に精密に治療させていただいて、腫れない痛くならない、を実現しますから、とお約束をしました。
先生にそう言っていただけると安心です、と微笑んで言って下されて、私もホッとしました。
確かに前の時、大きな手術何度かしていただきましたけど、平気でしたものね、先生の手術は凄い、と主人も良く言ってました、とまで言って下されて、私も今回は昔よりもずっと小さい手術ですし、私も進化しておりますので、必ずお約束通り成るように頑張ります、とお答えしました。
スマホの画面使って、ごく最近の実例
このような集中的な抜歯即時荷重インプラントをさせていただいても、
手術の翌日、このようなお顔の状態にできていること、外見上腫れてるとは見えない、そして麻酔が切れてる状態であっても痛むことがない、綺麗に治っていて鎮痛剤も要らない、と言う状態を提供できるように頑張ります、とお約束させていただきました。
極端に集中治療させていただくと
この方のように、下顎の骨に埋まった親知らずの抜歯、その手前の大臼歯の抜歯即時荷重インプラント、更に上顎の親知らずの抜歯と言う3つの大きな手術を患者さんの時間の都合でチャレンジでさせていただいても、私の手術では腫らさないし、痛がらせない、と言う成果も出せてるんです、と言うお話までさせていただきました。
そうしたら、私はそう言うところまでは良く分かりませんが、先生が一所懸命に為さって来てるんだ、と言うのは信じてますから、と笑って下さいました。
生意気言ってしまいますが、ここまでの手術で腫れないようにできる、痛がらせてない、と言うのってまず出来ないことなんです、今は更に勉強し改善改良してますから、ホッとしていただけるように最大限頑張ります、とお約束しました。
私は、徹底的に低侵襲外科手術を行うこと、患者さんに楽だった、と言っていただけるように頑張り続けるしか出来ません。
患者さんは、残念ですが齢取られて、又何かが起こることも起きてしまいます。
その時に、怖かった辛かった大変だった手術をしてしまうと、その方を救って差し上げることができなくなってしまいます。
それが一番辛い、です。
もう二度と手術はゴメンです、と言われてしまったら、救える患者さんも救えないことになってしまいます。
あまり実例として書きたくはないですが、某大学病院とか有名な大きなインプラントセンターでインプラントされて、もう嫌だ、となった患者さんが、どう言う訳か私に身体に優しいインプラント出来るんですよね、とご依頼されて来たことも何度かあります。
こう言う時には、本当に気が引き締まります。
その患者さんの今後の人生が、私の手術に掛かっている、と思うからです。
幸いにして、ご期待に添えて来ているようですが、気を緩めることはできません。
怖くない、辛くない手術をできることは、その患者さんの人生、未来を守ること、に繋がる。
そのことを、今回もひしひしと肌で感じさせられました。
私は、今後の自分への戒め、目標として、誰よりも何処よりも痛がらせない、腫らせない、身体に優しい低侵襲手術を実践し、患者さんの人生をお守りすることに全力を尽くすこと、をここに誓います。
本当の低侵襲手術のインプラント、親知らずの抜歯、歯周再生手術を受けたい患者さん、学びたい先生は、是非ご相談にお越し下さい。