母親は朝早く、地元の新聞を外から取り込みます。
そして、いちばん先に読むのが戸籍の動き、「お悔やみ」欄。
地元の新聞とは「備北民報」。
日曜日を除く毎日発行の新聞です。
これを隅から隅まで時間をかけて読むのです。
自分の友人たちの安否が最大の関心事。
「若い」人が亡くなると「ため息」をつきます。
でも母方の家系は長命。
祖父母は両方とも100歳近くまで生きました。
長生きの予感はその食欲にもあります。
いまだに「どんぶり飯」。
ダイエット中の私のご飯の、およそ倍近く食べます。
野菜大好き人間で、自分で作った野菜をおいしそうに食べます。
そして必ず、次の食事は何時にする?と聞きます。
(コレステロールと血圧の高い私に若干遠慮がありそうです。)
テレビのニュースや報道番組が大好き。
最近の政治・経済・雇用情勢に怒っています。
定額給付金も「くれるなら、早くくれ。年寄りは死んでしまう。」
テレビの画面や、新聞に大きな「独り言」で苦言を。
聞いていて、おかしいやら、うるさいやら。
ただ 痴ほうのドキュメンタリーなどは嫌がります。
そんな自分の姿を想像したくないのでしょう。
母親をいたわる弟と妹がほとんど、毎週訪ねてきます。
弟妹との時間が幸せの極致なのでしょう。嬉しそうです。
母親を、必ず近くの千屋温泉に連れていく弟。
炊事や洗濯の負担を軽くしてくれる妹。
あと何年、この生活が続けられるのでしょうか?
画像 備北民報
母親(初公開、86歳、正月の家族写真から)