住宅関係の書籍や雑誌、広告などに「狭小住宅」という表現が広く使われています。
「狭くて小さい」というネガティブな表現がなぜこんなに広まったのでしょうか?
背景には大都市圏の住宅事情や設計技術の進展があるようです。
「『狭小住宅』の売れ行きは今後も堅調でしょう」と話すのは、リクルート住まいカンパニー
の住宅情報サイト「SUUMO(スーモ)」の“池本編集長”。 理由は大都市の新築マンション
価格の高騰でした。
池本さんによると、東京23区の家族向け(3LDK以上)の平均価格は7千万円超え。
交通至便の場所にある15坪(約50平方㍍)くらいまでの土地に建つ、車庫付きの3階建ての家
族向け狭小住宅のほうが割安になるそうです。
狭小住宅の原点は1987年にあった都市部の
準防火地域での木造3階建て解禁でした。
規制緩和と阪神大震災後の耐震技術の発展など
を経て今の形になったそうです。
広告で目につくのは、小さな土地とセットにな
った建売住宅としての「狭小住宅」ですが、前
向きなイメージを作ったのは「建築家や専門建
築会社に依頼して建てるおしゃれな自由設計の
狭小住宅」が、ネットも含むメディアによく取
りあげられたことです。
ですが、SUUMO編集長の池本さんは「最適
地はすでに建売分譲会社に買われてしまってい
る。 どうしても自由設計で建てたければ、不
動産会社に声をかけて、市場価格よりも高めに
買わざるをえない」と指摘します。 そこで、
便利な場所にありながら売れ残りがちな三角地
や旗竿地などの「変形地」が狙い目になる。
そういった敷地に建てる自由設計の狭小住宅は、パズルを組み合わせるかのように設計され
るそうだ。
狭小住宅を得意とする建築士の“久保さん(東京の設計事務所「設計工房」代表)”は、二つの模型を示
すという。 一つは、T字の形をした約81平方㍍の土地に建てた家族向け車庫付き3階
建て(延べ床面積約87平方㍍)。 もう一つは、わずか16平方㍍の三角地に建てた最大2人居
住可の2階建て超狭小住宅(同18平方㍍)です。 制約の多い変形の狭い土地を最大限活用し
て作りだした住環境だ。
狭小住宅の床面積は、土地の建ぺい率(敷地に対して建物を建てられる割合)と容積率(敷地面積に対する、
1階から上層階までの床面積の合計の割合)次第といえる。 久保さんは①施主のライフスタイルや
デザインの好みを反映しつつ、②その土地の建ぺい率や容積率を目いっぱい使いきるには
どうすればよいか、③建物の外見や間取りへの「斜線制限」の影響をいかに小さくするか
などを考え抜いて最適解を出すんだそうです。 斜線地制限とは、隣地や道路との関係か
ら受けてしまう、建物の高さや形の制約のこと。 ①と②については経験と勘に頼る部分
も多いんだそうですが、③の斜線制限については、「天空率」と呼ばれるデータをパソコ
ンで計算して申請することで、斜線制限に引っかかっていても法的に緩和が認められるこ
ともあるんだそうです。
久保さんが勧める狭小地は、用途地域が第1種か第2種の「中高層住宅専用地域」で、建ぺ
い率「60%」、容積率「200%」の50平方㍍ほどの土地だという。
これくらいなら手頃な木造3階建ての4人家族向け住宅が実現しやすいそうだ。
また、土地が40平方㍍未満の場合は金融機関から住宅ローンを借りにくいとされ、金策
をしやすいぎりぎりの広さだからだそうだ。
土地探しはどうするか。 狭小住宅プロデュース業「スモールハウス」の“鈴木代表”は
「数が少なく、場所にこだわるならば出物を3,4年待たざるを得ません」。
同社では、建売分譲会社が買わない変形地と建築家をセットで顧客に紹介することに力を
入れるそうです。
今では外国の建築家が東京に来たとき、自由設計の狭小住宅を見学して、「これこそ都市
住宅のあるべき姿だ」と感銘を受けたという。 欧米の大都市圏では不動産が高騰し、
ミニマムだけど快適に暮らす方法について高い関心があったそうです。
日本の住宅事情を十分考えた取り入れた、設計技術の高さにも驚いたそうで~す。
「狭くて小さい」というネガティブな表現がなぜこんなに広まったのでしょうか?
背景には大都市圏の住宅事情や設計技術の進展があるようです。
「『狭小住宅』の売れ行きは今後も堅調でしょう」と話すのは、リクルート住まいカンパニー
の住宅情報サイト「SUUMO(スーモ)」の“池本編集長”。 理由は大都市の新築マンション
価格の高騰でした。
池本さんによると、東京23区の家族向け(3LDK以上)の平均価格は7千万円超え。
交通至便の場所にある15坪(約50平方㍍)くらいまでの土地に建つ、車庫付きの3階建ての家
族向け狭小住宅のほうが割安になるそうです。
狭小住宅の原点は1987年にあった都市部の
準防火地域での木造3階建て解禁でした。
規制緩和と阪神大震災後の耐震技術の発展など
を経て今の形になったそうです。
広告で目につくのは、小さな土地とセットにな
った建売住宅としての「狭小住宅」ですが、前
向きなイメージを作ったのは「建築家や専門建
築会社に依頼して建てるおしゃれな自由設計の
狭小住宅」が、ネットも含むメディアによく取
りあげられたことです。
ですが、SUUMO編集長の池本さんは「最適
地はすでに建売分譲会社に買われてしまってい
る。 どうしても自由設計で建てたければ、不
動産会社に声をかけて、市場価格よりも高めに
買わざるをえない」と指摘します。 そこで、
便利な場所にありながら売れ残りがちな三角地
や旗竿地などの「変形地」が狙い目になる。
そういった敷地に建てる自由設計の狭小住宅は、パズルを組み合わせるかのように設計され
るそうだ。
狭小住宅を得意とする建築士の“久保さん(東京の設計事務所「設計工房」代表)”は、二つの模型を示
すという。 一つは、T字の形をした約81平方㍍の土地に建てた家族向け車庫付き3階
建て(延べ床面積約87平方㍍)。 もう一つは、わずか16平方㍍の三角地に建てた最大2人居
住可の2階建て超狭小住宅(同18平方㍍)です。 制約の多い変形の狭い土地を最大限活用し
て作りだした住環境だ。
狭小住宅の床面積は、土地の建ぺい率(敷地に対して建物を建てられる割合)と容積率(敷地面積に対する、
1階から上層階までの床面積の合計の割合)次第といえる。 久保さんは①施主のライフスタイルや
デザインの好みを反映しつつ、②その土地の建ぺい率や容積率を目いっぱい使いきるには
どうすればよいか、③建物の外見や間取りへの「斜線制限」の影響をいかに小さくするか
などを考え抜いて最適解を出すんだそうです。 斜線地制限とは、隣地や道路との関係か
ら受けてしまう、建物の高さや形の制約のこと。 ①と②については経験と勘に頼る部分
も多いんだそうですが、③の斜線制限については、「天空率」と呼ばれるデータをパソコ
ンで計算して申請することで、斜線制限に引っかかっていても法的に緩和が認められるこ
ともあるんだそうです。
久保さんが勧める狭小地は、用途地域が第1種か第2種の「中高層住宅専用地域」で、建ぺ
い率「60%」、容積率「200%」の50平方㍍ほどの土地だという。
これくらいなら手頃な木造3階建ての4人家族向け住宅が実現しやすいそうだ。
また、土地が40平方㍍未満の場合は金融機関から住宅ローンを借りにくいとされ、金策
をしやすいぎりぎりの広さだからだそうだ。
土地探しはどうするか。 狭小住宅プロデュース業「スモールハウス」の“鈴木代表”は
「数が少なく、場所にこだわるならば出物を3,4年待たざるを得ません」。
同社では、建売分譲会社が買わない変形地と建築家をセットで顧客に紹介することに力を
入れるそうです。
今では外国の建築家が東京に来たとき、自由設計の狭小住宅を見学して、「これこそ都市
住宅のあるべき姿だ」と感銘を受けたという。 欧米の大都市圏では不動産が高騰し、
ミニマムだけど快適に暮らす方法について高い関心があったそうです。
日本の住宅事情を十分考えた取り入れた、設計技術の高さにも驚いたそうで~す。