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大腸疾患 増える患者

2020年11月08日 12時45分14秒 | 健康
  腹痛や下痢などつらい症状が起きる大腸疾患。 食の欧米化などによって発症する人が増えているそうだ。
  種類は多く原因不明のものもあり、それぞれより対処法が異なるんだそうです。 疾病の特徴をしっかり
   押さえ予防につなげていきましょう。

  大腸で発生する病気は大きく分けて、「炎症」「腫瘍」「機能障害」の3つがあるという。
 なかでもかかりやすくて種類も多く、
 身近な大腸疾患として捉えられている
 のが炎症によるものだという。大腸の
 炎症には、原因が明確なものと、明ら
 かになっていないタイプがある。 ウ
 イルスや菌が引き起こす胃腸炎などの
 感染症や、特定の薬で発症する薬剤性
 腸炎は、原因が明確なものの代表例だ。
 他には大腸憩室炎があり、高齢者など
 患者数が増加しているという。 憩室
 は腸壁の一部が小さな袋状に飛び出し
 た隙間のこと。 そこに便が入り込ん
 で細菌感染すると炎症が起る。 東京
 医科大学病院(東京・新宿)の“福沢准教
 授”によると「患者数の増加は、食生
 活の欧米化で便秘しやすくなったこ
 とも要因」という。 便をいきむと
 きにかかる腹圧で憩室が発生しやす
 くなる。
  感染症など原因が特定される炎症は、根本の要因を治療する。 大腸憩室炎は内視鏡で確認し、抗菌薬
   を使い安静にして改善につなげる。
  原因が特定されない炎症は、クローン病と潰瘍性大腸炎があり炎症性腸疾患と呼ばれている。 ともに
   下痢や激しい腹痛が頻繁に起こり、血便、体重減少などが見られることもあるそうだ。 腸の炎症は
   確認できるが、どのような過程を経て炎症が起きるのか、仕組みは明らかになっていないそうだ。

  炎症性腸疾患は欧米で多い病気だそうだが、国内でも増加しているという。 この30年間でクローン
   病の患者は8倍の約4万人、潰瘍性大腸炎は6倍の約12万人になっているそうです。 これらは、
   ともに国から医療費が助成される指定難病だそうだ。 おおさわ胃腸肛門内視鏡クリニック品川(東京
   品川)の“大沢院長”は「指定難病に認定されていない軽症者を含めると患者数はもっと多い」と語る。
  クローン病の特徴は、10~20代の若い世代に多いこと。 主に小腸や大腸で炎症が散発的に広がる。
   炎症は腸壁の深い層にまで達する。 一方、潰瘍性大腸炎は20~30代に多いが、福沢准教授によ
   ると「最近は中高年になって発症する例が目立ち始めている」。 炎症は原則、大腸に限られ広い範
   囲に連続して発生し、腸壁の浅い層にとどまる。

  クローン病、潰瘍性大腸炎ともに、内視鏡検査、X線造影検査、病理組織検査などで診断する。
   ともに抗炎症作用のあるステロイド剤など内服薬による治療が行われる。 症状が悪化して大量出血
   した場合などは手術が必要になるそうです。
   また、クローン病では脂肪分を多く含む食品を制限するなどの栄養療法も進める。 潰瘍性大腸炎は
   過労やストレスで症状が悪化しがちなため、無理な生活をしないように心がける。

  大腸疾患には腫瘍もある。 がんとポリープに分けられる。 大腸がんは、すべてのがんの中で罹患率
   と死亡率が上位3位に入る。 しかし、早期発見で進行を抑えられる可能性は高く、初期のステージ
   1で治療すれば5年生存率は9割以上になる。 ポリープは良性が多いが一部はがんになることもあ
   る。 福沢准教授と大沢院長はともに、大腸がん検診の早期受診を勧めている。
  その他の疾患としては、過敏性腸症候群と呼ばれる腸の機能疾患がある。 主な症状は腹痛を伴う下痢
   や便秘だ。 ストレスが関係すると見られている。

  大腸疾患には原因が不明なものもあるが、適切な治療で抑えることができる。 まずは生活習慣を見直
   し、大腸に負担をかけないようにすることが欠かせないという。 しっかり守りましょう。

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