先週手配していた真空管が数種類入荷しましたので今日は久しぶりに「球」のサウンドの比較をしています。アルテック614を使っての比較です。いずれのアンプもTrail仕様化してXLR入力が可能になっていますのでXLRケーブルSCX-23+SPケーブルSCS-34の組み合わせです。
それに、左写真でも判るようにRCA Wフロントロードホーンシステムの音出しを始めました。
まず、トップバッターは松下6CA7ppアンプです。松下の6CA7はムラードのEL34に比べると6段落ちの質感しか有りませんが、通常モニタリングで使うには使い易い球です。(コスト面で)、この球のアンプを基準に比較をしていきます。
6CA7ppアンプは適度に厚みが有りドライブ力も有ります。出力約20W/ch有りますので大概のSPをドライブするのに過不足は有りません。「球」をムラードのEL34にしますと別物の表現力を持ちます。(実験済)・・・「球」の重要性が判ります。
次に現在進めている6L6Gシングルアンプです。このアンプ用にCV1173(初段HL4)とCV1947(6L6Gパワー管)の購入をしていたのでした。出力は予測で3Wくらいかと思いますが、D130や604をドライブするには不足はありません。写真ではパワー管が6L6の高信頼管#5932にしていますが、明日CV1947が6本来ますので交換予定です。非常にシンプルな回路と作りですが、カチッと締まった質感でバランスの良いサウンドです。30万円クラスのTr型アンプでは太刀打ちできない質感です。整流管をCV378(ムラード)のNOS品に交換しただけで音質が一変しています。(元々の整流管はRCA 5U4Gでした) すべての真空管をNOS品(製造は古いけど未使用新品の事)に交換します。音の粒立ちやキレ・ヌケ、音の厚みや「艶」が違いますよ。これで十分自宅のメインアンプとして使えるグレードになります。
6L6のアンプで有名なのはマッキンMC240です。このアンプはMC275より良い音がすると言われています。結局はMC275のKT88の出力管の純正品が無い事も有りますが、6L6G(ガラス管)の音の良い球(作りの良い球)を使えば中国製のKT88では勝てません。
次に紹介しますのが3B252Bシングルアンプです。今回6L6Gアンプの音質比較の為に引っ張り出して聴いて見ました。このサウンドは「別格」です。それもそのはずでトランスはオールタムラ製、真空管は英国オスラムとSTCのオリジナルの球です。自宅のメイン用に準備しています。(早く使いたいのですがまだ点検が終わっていません・・・XLR入力のみノイズ有り、RCAではノイズなし)。ノイズが出ていても素晴らしく音数が多く、立ち上がり・立下り(ドラムのアタック音はかつて聴いた事のない音色と力強さだ)、音色・・・と他の音質指標は抜群の内容です。聴きなれた曲が全く違ったイメージになるほどの濃密でシルキーなサウンドです。
もうひとつ「別格」の音質のアンプを。こちらは、RCA Wフロントホーンシステム用のVT-62(801A)ppモノラルアンプです。このアンプもXLR化しました処、数段上のサウンドに変身しています。こちらも上述の3B252Bアンプクラスです。これ1台でオリンパスシステムのマルチアンプのサウンドを出してきます。ただこのアンプはトリタンの輝きは良いのですが「発熱量」が半端ではないので夏場は使うのをためらいます。
専務宅ではこのSPをアキュC-290+マッキンMC2600でドライブしていましたが、マッキンのアンプが負けていますね。音の厚み、立ち上がり・立下りの早さ、SN感、そして「音の艶」で負けています。侮るなかれTrail仕様のパワーアンプ群。専務もそろそろ私の自宅のEL34ppモノアンプを狙っているようです。
まだ他に6RA8ppのKMQ8アンプも有ります。こちらはハーベスをドライブしています。こうやって、管球アンプが増えて行きます。そのうちオリンパスシステムも管球アンプでマルチが出来るようになります。