超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

アクエリオンEVOL  第22話「復活の翼」 感想

2012-05-28 04:06:06 | アニメ






シュレードの最期の決意。






アマタとカグラが分裂したのは割と故意的・・・というかミカゲの差し金っぽいですね。
そんな二人の喧嘩に対してどうして争うのと投げかけるミコノさん
この場合の「どうして」っていうのは
何で同じ人間だって分かってるのに争うの?って意味合いだと思うんですけどまあ元々一人の人間だし
ただカグラはミカゲの手の平で踊らされてる節があるから、それ考えると本当に倒すべき敵は
それこそミカゲなんじゃないか?って思うけど。ただ、ここでアマタの成長もまた必須といえば必須ではある。
弱い部分、女々しい部分で主に構成されているという事実が明かされたアマタ
かつてミコノが言ってた通り彼もまた「出来ない子」だったのでしょう。
でも、だからこそそんな彼がどう逞しく、どう輝かしく生まれ変わるのには興味があるな。
出来っ子ない同士の結実の瞬間もまた夢見つつこの先も観させてもらいます。

ついでに言っておくと、かつてミコノがカグラを庇ったのはアマタの分身だったからで
優しいとか甘いだとかそんな理由ではなく、それこそ理屈じゃなく身体が反応しちゃったからなんだろうね。
それに元々一万二千年前には結ばれた二人でもある訳だし、それが欠けては困るのも本当で。本能的なもの。
個人的には陰も陽も受け入れて本当のアマタになる事を期待したい。
だってミカゲに操られてたって事は
裏を返せばカグラだって本当は良い奴だって事ですから。色々と裏事情が分かってスッキリしました。

運命だからじゃない、決められているからじゃないというアマタのセリフ
要するに一人の男としてミコノという女が好きということ
それもまた理屈ではない想い、ですよね。
○○だから~とか言い訳やごまかしを一切含まずに好きな人への想いを貫き宣言したアマタ
そんな彼の必死の告白はいかにも熱血主人公という感じがして確かに暑苦しくもあったんだけど(笑)。
でも理屈っぽいのが嫌いな私にとっては素直に共感出来るシーンでしたね。
好きなものは好きだから好きなんだよ。余計な知識や条件なんて一切必要ねえ。


本当に憎むべき敵がミカゲに定まって観易くなった感じはありますが
一方でシュレード様の死へのカウントダウンが刻一刻と始まってる・・・(汗)。
個人的な感情で書くと例え都合が良くなっても死んで欲しくないんですけど
ここまでお膳立てされたら仕方ないのかなあ。
死に急ぐ訳でもなく、
ヤケクソになっている訳でもなく
ただ純粋に「生きたい」が為に夢中で行動する彼をどうして責める事ができましょう。
多分好きな方の覚悟は完全に定まったと思うので、散るのならせめて最期はキレイな散り際を。
とか言いつつ来週以降も生きててもそれはそれで文句はないんですけどね(笑)。
やっぱシュレード様がいると画面に華が出るんだよな。

神話型アクエリオンは誰でも乗れる訳じゃない。
だからこそ不動は、正に不動って態度で蘇らせ命運を託した
今のところミカゲの思うようになってるけど
ゼシカもまた危ないけれど
最後の最後はきっと真実の合体が観れる事を信じて・・・なんか今週観てていちいちハラハラしてしまった(笑)。
それもまた物語に夢中になってる証なのかな。この加速する勢いに今週も魅せられてしまいました。






ミコノさんがカグラに魅せられてる節があったのは、アマタの分身だったから・・・って事で
2人にドキドキしていても決して浮気性って話にはならないっていう。
美味い設定ですなあ。



ランクヘッド「青に染まる白」全曲レビューその6「群青の降る夜」

2012-05-27 22:30:49 | 音楽(全曲レビュー)





ランクヘッド「青に染まる白」全曲レビューその6「群青の降る夜」です。







6.群青の降る夜






人間には血筋っていうものがありますけど、ただ単に自分だけの命のように思えて
そこに「至るまで」には様々な事柄やドラマがあったと思うんですよね。
むかしむかしのまだ何もなかった時代から、
今現在2012年に至るまで受け継がれてきた命のバトン
20年以上の年月を過ごせば分かるとは思うんですけど、生きるのって苦しいし辛いしスパイスだらけで
絶対的に悲しみや憎しみの方が先に立ってしまうものだと個人的に思ってるんですけど
そんな人生ってやつを最後の最後まで全うして、
その上で更に他の誰かの人生もむかしの血筋の方々は作り出してくれた訳で
その線の上に点として自分が立ってるんだと思うと・・・何だか自分だけの命って言うのもおこがましい気が。

一体どれだけの人が頑張って苦しんで、それでもほんのちょっとの喜びを掴んで
時には涙に濡れて、歩くのすら躊躇うほどに傷付いて、でもそれでも立ち上がって来たんでしょうね。
それを考えると、自分が自ら命を絶つって事はその人らの想いも踏み躙る事だから
そう考えると、まだまだ終われないな、このままじゃ終われないな、って。
今の時代を生きる代表の血筋として、
また自分も誰かにバトンを託してみたい。この世界を見てもらいたい、生きてもらいたい。
そんな高尚な、でも大事でもある考えを想起させてくれるようなナンバー
でもそれを押し付けがましく言うのではなく
ただただその様子を描いて、その答え自体は聴き手に託しているようなそのニュートラルな感覚もまた好みで。
「長い」を繰り返すサビの演出も印象的ですが、A~Bメロの純度の高さも好きですね。古き良き歌謡曲の匂いが。





【物語は 続いていく】

でも、最後のこのワンフレーズに意図だったり意志が託されているようにも思えます。
そこにある、だけじゃなくてそこで続いていく、まだこの先があるっていうこと。

・・・続けてみせようじゃねえか、って思えますね。見てろよ、と。



謎の彼女X 第8話「謎の感覚」 感想

2012-05-27 02:42:27 | アニメ







奇しくも今週の「君と僕。」のお話に重なりましたね。で、私はそんな思春期アニメが大好きなので(笑)
今週のお話も面白く観れた訳ですけど、「君と僕。」の8話と違う点があるとしたら
男の方がどっちかっていうと上手なところかなあ。
今までは卜部さんにリードっていうか牽制される方で恋愛が進んできた訳ですが
今回初めて椿くんの行動が卜部さんに変わった影響を及ぼした訳で、まあ平たく言うと性感帯発見っていう。
それによって、切なさだったり甘酸っぱさだったり、得体の知れない何かを感じた卜部さん
それまでは卜部さんの行為によって徐々に徐々に椿くんが成長だったり
変化をしていくのが常套の物語でしたが、
ここからは卜部さんも卜部さんでそんな彼の男気によってちょっとずつ変化をしていくのかも。
でも、恋愛って案外そういうものだとも思うし、何だかんだ言って他者に染められる部分も大きいから。
その意味では二人にとって偉大なる一歩を踏み出したっていうか・・・
この先の変化や進展もまた楽しみになるようなお話で。
何気に丁寧な作風で観ててニヤニヤしちゃいます。椿くんも初期と比べると随分彼氏らしくなってるよね。
何の照れも恥じる気持ちもなく、ナチュラルに卜部さんを照れさせる事に成功しているから
元々恋人らしさは徐々に高まってたけど、ここからが本当の恋人タイムだとも思う。
その変遷を来週以降も楽しみにしていると同時に
今週は今週でそんな二人の関係性が変わりつつある事をはっきりと示唆した記念碑的なお話で。
う~ん、やっぱりこのアニメって絶対に普遍的な要素も多々見受けられるよねえ。
往年のラブコメ好きには堪らない一作だとも思うのだけれど。

「僕の好きな女の子」。90年代の成年漫画とかにあった、とにかく男が一途で熱い
好きな女の子の為に精一杯頑張って、欲望も最低限抑えて、でも時には大胆な行動に出たりして
雰囲気や絵柄のせいもあるけれど、個人的にはそんな主人公の描き方も90年代に読んでた漫画の匂いや
その時代の主人公像に近い気がして、それもまたノスタルジックで良い味出してるんですよね。
だから案外安心して観れる作品というか、実は安定型の作品だなという。
よだれは、単なる意思疎通のアイテムに過ぎない。
大事なのは、この作品の本質はそんなアイテムやフックではなく、そんな奥ゆかしい想いと感情の表現。
言葉に出来ないから、口では伝わらないからああいう行動を取ってる節もあると思うので
それ考えるとこれ以上なく真っ当に話が進んでて、観る度に面白さが増してて
それだけにもっともっと長くやって欲しいって願望も沸いたり(笑)。
好きな女の子の為に一生懸命頑張る男の子、
好きな男の子の為に精一杯恥ずかしい思いをする女の子
実に普遍的で共感も出来る物語でいいじゃないですか。ちょっとずつステップアップしていく恋愛模様
来週は卜部さんの髪型がマイナーチェンジしたりまた目に見える変化もあるみたいで
それもまた大いに楽しみにしたいところです。
と、いいつつ来週は用事でまた感想が遅れると思うのでその辺はご勘弁を。
個人的には今期でも特に楽しみにしている一作ですね。びっくり箱でなく、真っ当な恋愛ものとして。






しかし、おっぱい大きい人がセーター着ると余計に・・・っていうのは死ぬほど同意です。
昔からそういう画像見ると通常以上にテンションが上がってしまう。
それはきっと、セーターがさり気に柔らかさを演出してるのもあるんじゃないかと思いますね。
最初は異端的な存在だった卜部さんだけど、今は普通に羨ましくも感じます。
そう思わされた時点で完全に取り込まれてんなあとも思うけど(笑)。丘さんも相変わらずキュート!




ぼっち日和。。 2巻/今村朝希

2012-05-26 21:25:18 | 漫画(新作)






今村朝希「ぼっち日和。。」2巻読了。






「私がモテないのは~」もそうですけど、これリアルな作者の実体験が反映されてると思うんですよね。
なんかもう読んでると高校時代の自分そのまんまで、結構に痛い部分もあるんですけど・・・
一番はやっぱり他人の世界だったり言葉を拒絶しちゃう、ことかな。
詩春もそうですが、相手に合わせて自分の形を変える事が出来ないんですよね。自分とちょっとでも違うと
例えば自分より人気があってみんなから好かれてるってだけで自分とは違うだとか
そんな他人の好きなものに全然興味がなかったりして
そこでまた殻に籠もってしまう。
作中でも描かれてますが、ちょっと仲良くなれるかな?って思った女の子の趣味に合わせる事が出来なかった
他人の世界を受け入れる事すら出来なければ、受け入れる努力すらも出来ないっていう
そういう点は物凄くリアルだと感じるんですけど。
半分はファンタジーだったり、ギャグ色強めなんですけどね。
でも、結局は作ろうとして作るものではなく、むしろ元から側にあるものなんですよね。
重要なのは、そんな側にある世界を受け入れられるかどうか、それだけ。
途中まで詩春は自分の世界を守るのに夢中で
側にあったいくつもの世界や言葉から必死に自分を遠ざける日々が続いていた、
けど、自分と似たような境遇の女の子や、自分とは違うけれど憎めない女の子の
そんな彼女らの世界を徐々に徐々に受け入れる事が出来た。
それは言ってしまえば
必要なのは「努力」ではなく「許容」って言われてるようなもので、それはまったくその通りだと痛感する訳で。
今まで許容出来なかった世界がいくつあっただろう・・・って考えると
詩春と比べて全然変わる事も抜ける事も出来てない自分に空しさも憶えるんですけどね(苦笑)。

ただ・・・結構ほのぼのとしたオチで終わるのかな?って予想してただけに
ここまではっきりとした答えを出して終わるのは個人的には予想外でした。
頑張れ、頑張れの作中観ではなくて
むしろ灯台下暗しを示唆させるような押し付けがましくないオチが私的にはお気に入りで
読み終わったあと確かな感慨深さとカタルシスを受ける事が出来ました。
同時にちょっとだけ幸せに近づきつつある詩春の笑顔が好印象で
でも、本当に大変なのはここからなんだぞ~、って思う自分もいたりしてね(笑)。
なんで終わったの?って最初は思いましたが、ぼっちがぼっちじゃなくなったから終了、っていうのは
随分潔いし、適度にまとまったラストだなあと思えてむしろここでの完結は正解ですね。
よもぎの真の設定に拠ってこの作品のタイトル詐欺も防げたし
手際良くまとまった小品として、いやむしろある種の傑作として輝く作品なんじゃないかと思う。
最後までテンポの良かったギャグや可愛さの演出もまた素晴らしくて
この作者の高いポテンシャルを窺いし得るには十分の一作だったんじゃないかと。今後の作品も期待ですし
コミックスが出たらまたこうやって感想も書いて応援していくつもりです。
決して完璧な作品ではなかったことは事実ですが
それでも個人的には完璧な作品以上に心に残る良い漫画だったと思います。感謝します。
そして、何気に弟さんとのエピソードが最高にニヤニヤ出来てキュートなお話だったとも記述しておきます(笑)。






本音の本音を言えば、例えタイトル詐欺になっても彼女らの様子覗きたかった・・・!っていうのは
ないといったら嘘になるっていうのが正直なところ、それくらい読んでいて癒され共鳴する一作だったので。
けど、この表現何度も使ってるけど「惜しめる」って事自体が作品に夢中になってた証拠だから。
その点では最後まで面白いままいてくれてありがとう、ってまずは思わなきゃね。
今村朝希さんの漫画をこれからも読める事を願いつつ。
全2巻のコミックスでこれほど満足したのも久しぶりかも。心から大好きと言える漫画の一つでした。




さんかれあ 第8話「偽りの・・・自由・・・」 感想

2012-05-25 04:04:08 | アニメ






いや~どう考えてもこれが「偽りの自由」な訳がないんですけどねえ(笑)。
そもそも彼女がなんで家を出たがってたかと言うと、普通の女の子ではなく人形みたいな扱いだからだった訳で
これが偽りの自由と言うならばそれはただ単にあなたとにとっての都合が悪くなるだけで
元に戻ったところで保障されるのは父親にとっての自由でしかない。
本来子供なんていうのはある程度育ったら自分の目で見て自分の心で考えて成長する生き物なのに
いつまでも手の平の上じゃいつまで立っても大人にはなれないんじゃないですかねえ。
人間を育てたいのか、人形を育てたいのか。
ある意味ではむしろ父親の方が子供なのかもしれないですね。
そんな彼と遂に運命の対峙!!って事でどうなるのやら。最近千紘の男気が上がってきつつあるので
その意味でもここで彼がどんな行動を取るのかは楽しみですね。ちゃんと有言実行出来てるからね、彼は。

人間中途半端に地位だったり格式や誇りのようなものを持つと
逆に身動きが取れなくなって苦しくなる。
そう考えると今の彼女の存在って正にしがらみから逃れ切った状態な訳で
その中で一緒に服を買いに行って半分デートのような雰囲気になったりして
一応はちゃんと彼女の望む「普通」を謳歌出来てる様でそれは素直に微笑ましいなって感じるんですが
一方で悲しいときにも、嬉しいときにも一切涙が出なかったり、
食事も全然一緒のものを食べれなかったりと
しがらみから逃れた代償はきちんと表現しているあたりに
以前の生活は以前の生活で幸せだった部分もちゃんとあったんだなあ・・・とも思いました。
要するに何かを求めれば結果的に何かを捨てなきゃならないっていう。端的に表すと自由の代償ってやつか。
でもそんな風に手にした自由だからこそ、伸び伸びと生きて笑って一緒に過ごして
夢から醒めるその時まで頑張って元気に過ごして欲しいですね。
そんな時が来るのかどうかも分からないけれど
単純に二人のエスケープでハッピーって感じになってないその切なさの表現もこのアニメの見所だとは、確かに。
それがあるから嬉しい楽しい大好きって雰囲気のシーンも映えるってものですよね。
後は、距離が縮まっていくのを待つだけかなー。
恋愛不感症気味の千紘もどんどんデレていてボーイミーツガールものとしては大分良い傾向ですな。
だからこそ余計に引き裂かれそうな展開が気になるんですけどね。
同時に来週は萌路ちゃん回みたいで
そっちの意味でも早く来週にならないかなって普通に思ってしまいました(笑)。


蘭子に関して言えば、無性に精神がざわついてるみたいですけど
自分の好きな人が知らない間に大人になってて顔つきも変わってるように見えて
知らないところどこか遠くへ行っちゃったような感覚もあったりして
胸中は色々複雑だったりするんでしょうね。
でも前回の話を観るに蘭子も蘭子でちゃんとした理由と資格があるからちょっと応援したいね。

その他にもおじいちゃんのボケ描写は相変わらずだったし
SPの皆さんの暗号会話もまた面白かった(笑)。
あんだけゾンビ映画好きなのにお化け屋敷が苦手な千紘ってどんだけよとも思ったんですが
案外観るのと触るのって別物なので仕方ないですね。虫とかも映像で観ると好きだし面白いですが
実際に触るのは勘弁したい虫は結構にいますからね・・・。
そんな普遍的なデート描写の大切さがよく伝わるように描写されてた8話目でした。
千紘もふにゃふにゃしてるようでさり気に良い男してますよね。撮影パートはやや変態気味でしたが(笑)。






前述の自由の代償っていうテーマ性を加味すると、結構現実的な容赦のなさも感じた今回
そんな中で些細な幸せに喜びを感じたり、色々と観ていて得るものがあった気がするお話でもありましたね。