超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

γ─ガンマ─ 5巻/荻野純

2014-11-04 18:04:28 | γ─ガンマ─












実は密かに「ガンマ」のカテゴリー作ったんですよ夏ごろに。
そこから今までの各話感想だったり単行本の感想が一気に読めるので、
もし好きな方がいれば是非チェックしてみて下さい。で、これが恐らく最後の今作の記事になるの・・・かな。













まず、あとがきで今作は最後まで人気を保てたまま終われた~って記述に安心しました
雑誌では最後の方は最後尾掲載になってたのでちょっと不安だったんですが単純に終わるから、
プッシュの必要がなくなったからああいう位置だったんだなあ、とホッとしましたね
それを実際に作家本人の文章から分かれて本当に良かったです
元々早々と完結に向かってる事は明言されてましたが、
やっぱり確証が欲しかったですし、それによって自分がやって来た事・・・
例えばアンケだったりファンレターだったり感想での呼びかけが決して無駄ではなかった
ファンとしての意思表示がちょっとでもこの作品の、彼の力の一部になれてたのならとても嬉しいですね

ぶっちゃけ週刊の方のジャンプでは応援している作品がことごとく終わるという苦渋ばっかりだったので(笑
ようやくこの作品でリベンジ出来たのかなあ・・・って今ちょっとだけ感じています
何にせよ、作者が本当に描きたいところまで描けてファンとしても幸せですね
きちんと各々の「復讐」も果たせましたし、
それによるカタルシスも大きなものでしたし、
複線もちゃんと消化してますしこの世界に関してもユリの行く末に関しても「最後」まで描き切る事が出来た
割と誰が読んでもスッキリ出来る消化具合になってるんじゃないかなあ~とか感じつつ
展開的な意味合いだけでなく荻野純さん的にもやり切った感触のある最終巻になっていたかと。

「荻野純さん的」というのはこの作品特有の個性であったシリアスな中にも百合描写を入れる、ということ
でもこの巻ではそれらがサービスやおまけ的要素に留まらず完全に本編に溶け込んでいます
今まで小出しにしてた分、完全にリミッター外してど真ん中の百合展開やってます
でも、ちゃんとヒーロー展開の中に百合展開があり、
百合展開のお陰でヒーロー展開が際立つ・・・というきちんと百合もヒーローも両立出来てるのがいいなと
扉絵も官能的な百合カット全開で最後の最後で荻野純さん的な部分を出しっぱなしにしてきた印象

でも、そこからは本気で百合展開を愛している
自分はこれが好きなんだ!って気持ちが往々にして伝わって来て
その辺の「らしさ」に関してはブレずに最後まで貫き通した「潔さ」があったと思います
男女の恋人同士が普通に性行為に精を出すのと同じように、
女同士の恋人であれば同じように行為に励むのもまた道理が通っていると個人的には思う
そんな主張があったのかなかったのかは正直分かりませんが、でも決して彼らしさを曲げなかった事は事実
そのど真ん中の百合シーンもこれまでの積み重ねや複線あってのものなので、
これまで百合描写「も」楽しんで来た読者はきっとジーンと来るはず
特にマリーナ隊長の本当の想いは初めて明かされたので、
初めて読んだ時はクライマックスの興奮も手伝って余計にドラマチックだなあ・・・と感動してしまいました
全体を通してヒーローは守りたい人、果たしたい想いの為ならいくらだってその身を削って
強くなれる、何度だって立ちあがる事が出来るんだ。っていう
そういうテーマが水面下で漂ってた風にも思えました
何にせよヒーローコミック的な意味合いでも、百合漫画的な意味合いでもスカッと出来る盤石の最終巻だと
今改めて単行本で一気読みしてみてそんな風に思えたのもやはり嬉しかったですね。

ちなみに、この巻でユリの状況、心情的に一区切りを迎えます
それもまた初期から読んで来た身としてはある種のやり切った感、
最後までユリはユリらしく、ユリを貫いて今のユリに辿りついたんだなあ・・・って感じで
ちょっと、いや、かなり感慨深く読めたのも大きかったですね
ユリはきっとナチュラルボーンヒーローだった、
そんな彼女の生き様を描くのが本作だったんでは、と今になってみるとそうとも思えますね
普段戦えなくても地球の為に尽力して、いざという時には身を滅ぼす覚悟で残された力を使おうとする
そして、ああいった結果になった今でもまだその「尽力」は続けている

一区切りは付いたけど、
まだまだユリの、ユリたちの戦いが終わったわけじゃない。
そんな風に「これから」も期待させるエンディングが実に見事だったなと
正に何もかもを解消して終わった感覚で後腐れもなく次回作に期待出来る、私にとってはそういう内容でした。
ここまで読者を楽しませ感動させてくれた事に、心から感謝をしたいです。ありがとうございました!



さて、単行本ならではのおまけに関してですが
乳首解禁しちゃってますね(笑 ミカちゃんとミユキとヒカリのか。
後者二人は本編に於ける描き足しページで堂々と、しかも結構良い乳首です(笑
前者はおまけページで1P丸々の描き下ろしカットにて、なんですが最後に堂々とサービスして来ましたね
流石に性行為の漫画とかはありませんが、それを想起させるカットは何枚もあるのでそっちでも楽しめると思う
ていうか今回のおまけページはほぼほぼそういう官能的なカットオンリーな感じで正直凄かったです
ラストの描き下ろしカラーイラストではマリーナ隊長がユリを縛り付けて行為にいそしむ様子が描かれてたり
「どうした!?」って感じつつ、それはそれでまた官能的でよろしかったと思います(笑

あとがきではまだまだ連載案がたくさんあること、
今すぐにでも次回作を描きたいくらい意欲があるらしいので
今作がきちんと人気を保てたまま終われたという事実も手伝って
案外近いうちに次回作を拝めそうで非常に楽しみです

(出来れば官能的な部分は残しで!残しで!・・・なんて 笑)














なんだか凄い長い期間この漫画の感想を書いてた気がしますが、
振り返るとたった1年半程度の出来ごとだったんですね
でもそうとは思えないくらい濃ゆい漫画でありました
これまでこの感想を読んで下さった皆様に感謝しつつ、
ガンマは最後まで面白くてスカッとする漫画だったよ。と断言してこの記事を終えたいと思います

共にアンケを出してくれた方、応援してくれた方に心より感謝を。
本当にありがとうございました!!



γ─ガンマ─ 第20話(最終話)「新米ヒーロー ライダーマスク スタッグ」 感想

2014-10-04 17:36:45 | γ─ガンマ─












最終回です。













まあ、予想通り今月でファイナルだったんですけど
個人的には一度くらい表紙飾って欲しい、というファンとしての願いがあったので
それが叶わなかったことと、
メディアミックスが結果的に拡がらなかった事は少し未練があります(ゲーム化とか・・・)
ついでに書くと最終回でカラーなしっていうのもちょっと残念です

ただ、一応荻野さんの名誉の為に書いときますけど去年のジャンプフェスタの時点で
はっきりと本人の口から「終わらせにかかる」、と明言されてたので
ある種予定通りっちゃあ予定通りの終了だと思います
その分終わり際の展開がややハイテンポになってしまったのは少し惜しいと言えば惜しいんですが
最終回の内容を読めば分かる通り複線回収やメインキャラの掘り下げ、
オチの付け方などは本当にちゃんとされていて
やはり最後まで新人離れした秀作だったなあ、という印象は私の中では一切変わりません
しっかりと「荻野さんらしさ」を貫き通して終わった心地良いラストだったかと
お疲れ様でした。

約1年半もの間アンケート出したり、ファンレターを出したり、本人を観にジャンプフェスタまで行ったり
応援の意味も込めて感想を書き綴ったり、
この作品もまた全力で支持した記憶と共にこれからも読み続けていくであろう
そんな漫画の一つに最終的になってくれた感覚があります
そういう日々を忘れない、と同時に
これから荻野さんが新たに紡いでいく物語にも個人的に期待しております
もういっそガッチガチの百合漫画描いてもいいし、なんならラブコメとかも読んでみたいです
期待を込めて最後もアンケートとお手紙を出させて頂きます 
別にスクエアに拘らなくても早く新作が読みたいですね
でもまあ5巻分の実績とそこそこのインパクトは残せたでしょうし別段心配はしておりません
出来ればいつかガンマのキャラ達を再び描いてくれる事にも期待しつつ・・・ね。


最終回の内容に触れると、
ユリがちっちゃい原因だとか力を使った事による代償の表現がまず面白かったですね
それを覚悟して受け入れることを選ぶくらいにユリはナチュラルボーンヒーローだった、という事でしょう
またユリが榊を追い詰めて最後はフレイムべインの力を借りて撃破、というのも割とバランス良く
どちらも引き立てて終われた感触もあり上々の仕上がりだったと思います
その分敵サイドの掘り下げは出来ませんでしたが、
まあそれはそれとして、みんなの想いの結実は表現出来たかと
最後の最後まで元ヒーローではなく“ヒーローらしく”ヒーロー人生を全うし切ったユリは格好良かったです
最終的な決着の付け方も最後のオチも絶妙なカタルシスがあって素直に面白かった

何より、さり気なくミユキも活躍していた
そしてミユキの願いが叶って終わる―というエンディングが儚くも美しいラストでもありました
百合カップルの方は当初の方向性とは変わったラストになりましたがこれはこれで嫌じゃないです
方々のヒーローに協力し、
自身も最後まで戦い続けた姉妹の存在感が際立って終幕する方向性に仕上がってるので
きちんと主人公らしさ、メインキャラらしさを保てたまま終われたのは良かったかな、と
多分単行本のおまけとかで更に後日談とか描きそうなのでファンの方はそちらにも期待していましょう
なんにせよ複線をしっかりと消化し、ストレートに熱さを見せ切ったいい最終回だったと思います
ちょっとだけ百合カップルのラブラブっぷりも拝めましたし(笑
多少駆け足でもこれはこれで悪くないと思います
それが私個人の率直な感想ですね。

素敵な物語をありがとうございました。


振り返ると、やっぱり2巻の内容が個人的に大きくて
あの登場人物に全く容赦のない手加減抜きの展開の素晴らしさと
そこから立ち上がるユリの姿を描く渾身の内容が一番印象に残ってます
あそこは是非今作でも特に読んでもらいたいポイントの一つです

それに継ぐのが先先月と先月号の内容、ど真ん中の百合描写ですね
あれは本当に荻野さんがやりたかったであろう内容を誰に何と言われようと貫き通した
ガンマファンとして誇りに思うくらいに荻野さん自身を貫き描き切った傑作回の連発だったかと
結果的に読み手としてももらうものが大きかったのでその気持ちを返したい、と素直に思えたのでした
私的にはガンマが載ってる時はガンマ以上に面白い作品はない、と思ってしまうくらい夢中になってた作品
百合描写は多々ありますがそれ以上にカタルシス満点の物語だと思うので興味があれば是非ってところですね















それでは、この辺で。
感想を読んでくれた方々に感謝です。



γ─ガンマ─ 第18話・19話の感想と今後の展望

2014-09-05 17:44:03 | γ─ガンマ─















本音を言えば物凄い勢いで畳みに入っているなあ・・・と
確かに去年のジャンプフェスタで一気に物語を進めていく~とは語られていましたけど
ここまでハイスピードで進むとは思わなんだ。というかぶっちゃけ相当終わり近いと思うんだが
それが結構ファンとしてはショックというか結局表紙は取れなかったなあ、というか(笑
まあお話自体は一応きれいに畳めそうですけど、
そういった事もあって今少し悲しい気分になっています
(個人的にメディアミックスも視野に入れてたので)

ただ、そんな中でもこの漫画には100%貫き通した事がありまして
この漫画独特の百合表現ですね(笑
展開的に言えばどうしてもハイスピード感は否めない感じはしていますが
キャラ同士の絆だったり今まで積み上げてきた関係性の結実は100%描けていると思います
誰になんて言われようとバトル×百合をここまで来ても崩さないその徹底っぷりには素直に感動しました

同時に、そういうキャラ同士の関係性を掘り下げる事によってこの漫画のテーマが浮かび上がってくる感覚、
具体的に描くと「再生」だったり「リベンジ」だったり、もう一度立ち上がる「強さ」だったり
それはまさしく“ヒーロー”そのものなテーマだなあ、と感じられて
その点では凄まじく感動出来た2話でした
一度挫けても、
大切なものを失っても
今やるべき事をしっかりと続けていればまた新しく生まれるものも確実に存在する―
大事なのは腐る事ではなく今を見据える事なんだ、という最大のテーマ性が浮き彫りになった気がします

あとは単純にミユキとヒカリ、隊長とユリの友情・・・っていうか愛情が本当に素晴らしかったです
ここまで深く強く、そして切ない愛情劇は初期のγにはなかった要素だと思ってます
それを考えるとここに来てまたステップアップした感覚もあり
そういう意味でも読んでてすっごく楽しかったです
百合云々置いといて純粋に感動出来る、
素直に「あったかくて切ないね」と口に出せるような2エピソードだったと思います
特にこのタイミングで明け透けに語られたマリーナ隊長のユリ、リリキュアルへの想いは
読んでいてほんっっっっとうに感銘を受けましたね ここまでされちゃラブラブも仕方ない(笑
シビアで冷徹な人だけど、その分凄く誠実で優しい人だって真の意味で分かって良かった

それにしてもまた絵、表情、表現、バトル描写等細かい部分がいちいち磨かれてますね
元々かなり絵が上手かったんですがここに来て更に研鑽を重ねられた模様
それもあって個人的にはかなり満足出来たここ2話でした

もうひとつ、お色気表現に関しても遠慮がなくなってます
私的にはお色気と感動は両立出来ると思ってるし実際出来てたので
これからもその辺に関しては遠慮のない荻野さんでいて欲しいですね
中でもミズキちゃんの下着が良かったです(笑


恐らく近々最終回を迎えそうですが、
もしこの物語が閉じたとしても荻野純さんの次回作に多大に期待したいです
いつか性的表現ありの荻野流本格派百合漫画も拝見してみたい。
そんな風に思わせるクオリティでした。
これは正直少しでも百合が好きなら是非目を通して欲しいエピソードだと断言出来るかと。
個人的にすっごいポテンシャルを秘めてる作家さんだと思ってます。今後も、来月も全力で応援します。

















ミユキとヒカリに関しては単行本のおまけページが早くも楽しみ(笑
そしてユリにデレるマリーナ隊長が見てみたい。
フレイムべインのバトルにも期待大!

最後までγ─ガンマ─らしいγ─ガンマ─でいてくれそうなのがファンとしてとても嬉しいし、誇らしいですね。



γ─ガンマ─ 第17話「戦争怪人Dr.ウォー」 感想

2014-07-09 00:20:41 | γ─ガンマ─















先日単行本の4巻が発売されました
表紙のフレイムべインの格好良さはいわずもがな
大充実のおまけに大好きなミカちゃんのエピソードも載ってるので
少しでもお好きなら是非 そして今月は久々のセンターカラーでの掲載です。

荻野純さんは未だにMDを使ってるくらいのアナログ人間だそうですが(正直私も・・・笑)
それを聴いてずっとアナログ塗りなのにも納得しましたね
でも全然きれいですし個人的にはかなり好きな類のカラーです
今回はマリーナ・レドネフ&ユリのコンビです このコンビも中々好きですね
それにしても相変わらず色気を感じるカラーです(笑)。ユリの臀部・・・。

















今回は冒頭のシルエットのミユキとユリの会話が意味深でした
これは過去なのか、未来なのか、それとも・・・?ファン的に気になる演出ですね
初めて読んだ時は少々ビビりましたが、これを含めてこの先を楽しみに読んで行きたいです
既に胸を熱くする準備は整っています。今月の経過を含めても。

いよいよ始まったユリ達通称「ナノムゲン」の榊一派討伐計画
まずは読者的にも憎たらしかったジェイラスの撃破・・・からでしたけど
集まったヒーロー達の態度・佇まいが正に理想的な、ヒーロー然とした佇まいで読んでて素直に
「格好良いな~」と感じましたね 特にマイティブロウの格好良さは別格です。
アクションシーンのキレ具合も抜群で、
ある意味これもまた荻野純さんが精一杯描きたかったものなんだろうな~とか感じつつ
正に王道のヒーローアクション!と主張せんばかりのバトルパートの魅力に満ちていた回でした。

ヒロトはジェイラスと真っ向勝負で遂に復讐を達成しましたけど
元々卑怯な作戦で追い詰めなくてはいけないくらいホーネットマンは強かったヒーローなので
その意味では納得の勝利でもあります 非常にストレートな作劇でしたが
ただ単に復讐、友人の為以上に
確かに「ヒーローとして」ジェイラスを撃破する事を選んだんでしょうね
それが一番読んでてグッと来たシーンでしょうかね 今までが今までだった分
ようやく彼の手でリベンジを果たせたラストには有り体に感動しました
この調子でフレイムべイン、そしてヒカリちゃんにもリベンジの機会を与えてあげて欲しいですね
昨年のジャンプフェスタでの発言通りどんどん決着に向けて突き進んでいくテンションを感じた回。
とても「スッキリ」出来る傑作回だったと思います。


犠牲を出しても自分の「正義」を貫こうとするもの
その「犠牲」に怒り自分の正義を行おうとするもの
単純な勧善懲悪ではありませんでしたが、
やっぱり感情移入出来るのはヒロトの方でした
崇高な目的があるのは別に良い、しかしその為に他を犠牲にする~という考えは絶対的に正しくはない
ならばその制裁を受けるのは必然なんだろうな、と読んでて個人的に感じました
首謀格である榊がどんな事を語り、どんな風に彼と対峙していくのか。益々楽しみになって来ました。

そして今回出番と言う出番がなかったγガールズの出番にも期待したいですね(笑
みんな頑張れ。

















にしても今月もSQ短期終了作品が出てましたね
ああいうの観てると戦々恐々としてしまうんですが、
でもまあ出来る事はこういう応援とかアンケを出す事くらいですね
1回くらい表紙取って欲しいと思ってるので好きな方善意で投函お願いします!
裏面の質問も興味深かったので是非。




γ─ガンマ─ 4巻/荻野純

2014-07-04 22:31:19 | γ─ガンマ─

















荻野純「γ─ガンマ─」4巻読了。






















3巻までは敵一派にしてやられる事が多かったんですが、
(その中でも一矢報いたり立ち上がったりとカタルシスは勿論ありましたけど)
4巻の後半からはいよいよ敵のしっぽを掴んでユリ達が「勝ちに行く」段階に移行していきます
その中でユリとマリーナ隊長がさり気なく和解に近いやりとりを交わしていたり、
また一歩成長したキャラの姿も観れて内容の濃い一冊になっていますね
一方でミユキとヒカリの関係性も進んでいたり(笑
百合的な観点から観ても面白い作品に相変わらず仕上がっているかな、と
恐らくフレイムべインの暴走とか軍の過半数を味方に付けてる事実あたりが後々響いて来そうですけど
ユリ側にも新しい味方が加入したり作戦本部を立ち上げたりと盛り上がりそうな気は満々
いよいよ始まるであろう「反撃」にワクワクするような一冊になっています

それと同時にこの作品特有のヒーローパロも健在で今回は魔法少女からウルトラマンまで
王道のヒーローパロディを存分に楽しめる出来栄えにもなっているんですが
その水面下で怪獣は悪ではない、
あくまで互いの居場所を守り合っているだけ・・・という
勧善懲悪に背を向けたテーマ性なんかも中々好きで、
それはヒカリが感情に任せて敵と戦うよりも自分の弱さを認めて「戦わない」という選択をした、
そこにも単純な勧善懲悪には染まらない「シビアさ」が滲み出ていて個人的にツボでした
そういうシビアな現実を描きながらも必死に足掻く様が読んでて気持ちグッと来ます
2巻の守れなかったディスチャージの件といい、
割とこの作品はファンタジー内リアルを大切にしている印象でそこもまた読んでて面白いな、と
だからこそこの後の展開も益々気になる感じで続きを読みたくなるのがポイント高いですね
バトルシーンの迫力もレベルアップしていて少年心に訴えるシーンも多いです。


フレイムべインのエピソードはとても痛ましいものでしたが
目の前でああいう行為をしたのも彼の存在を放置しておくのも
きっと怒りを拡大させて暴走させる目的なんじゃないかなあ・・・なんて思いました
このエピソードは同じような経験をしたユリとフレイムべインの道程がはっきりと分かれている
ユリが闇に落ちてたらフレイムべインになっていた~っていう感じのお話になってるんで
その辺、後々フレイムべインの成長だったり本懐が果たされる瞬間が楽しみです
どれだけ頑張っても大切な人一人守れないのも「現実」、
だけどそこから立ち上がる事が出来るのもまた「現実」。
未だ迷いと憎しみの境地に立っているフレイムべインの描写も含めてやっぱり今後が楽しみになって来ます
ここまで執拗に描かれたからには是非生まれ変わった彼を拝んでみたいですね。

個人的に冒頭の最強のヒーローであった魔法少女・ミカちゃんのお話が大好きで
今まで様々な思想のヒーローが出て来ましたけど、彼女の思想は本当にヒーローそのもの
いちヒーローとしてのプライドを感じさせる素晴らしい展開だったんですが
同時にそこに付随する覚悟と切なさも感じたりもして
ユリに思い切り笑顔を向けるシーンなんかは
頼もしさと同じくらい儚さも感じたりしてとても趣のあるシーンに仕上がっていたと思います
このエピソードはちょっとほろりと来るオチも含めてかなりの完成度だったんじゃないでしょうか
言葉にせずともキャラの心情が伝わって来る感覚というか・・・
そういうものを味わえると思います。

そういう風にヒーローの矜持やヒーローの挫折を描きながらも
テンポ良く水面下で事態が進んで行くのでその意味でも読み応えがありました
ここからは総力戦になりそうな気配もするのでこれからの大決戦に期待大、ですね。


で、今回もおまけ相当凝ってます(笑
カラーページでは本誌のミカちゃんのセンターカラーに描き下ろしのレイちゃんのカラー
これがちょいセクシーな出来栄えになってて良い感じです(レイちゃんの方ね)
そしてキャラプロフィールにヒーローデータ、後はキャラの百合カット2枚(!)に
ユリとマリーナ隊長のおまけ漫画、あとがき、カバー裏と本誌読んでても新鮮なくらい盛り沢山です
特にミユキとヒカリの情事(?)のカットとマリーナ隊長の意外な一面が良かったですね
今回は結構シリアスなエピソードが多いと思うんですが
だからこそおまけで存分に癒されて欲しい(笑
本誌派も余裕で楽しめると思うので是非コミックスもよろしくです

ところで中学生時代のユリも本当に可愛いですね(笑)。ミカちゃんもお茶目でマジ可愛いっす。



















相変わらず邦楽ロックネタも満載で冒頭から「エトランジェ」(NICO)だの
ナノムゲンだの名字が藤原でフレイムべインだのヒカリのTシャツは全部アナログフィッシュのアルバム名
「エネルギヤ光線」とか細かい部分まで邦楽ロックの小ネタ満載でそこも読んでて楽しい部分ですね
前述のように水面下で進む作戦やヒーローの思想、キャラの成長、緊迫した展開など
様々な観点から楽しめる一冊で私的に満足度高かったです。
今本誌はこの続きからなんで彼女らの「反撃」を読むにはいいタイミングだとも思う。

個人的ベストはやっぱり「魔法少女は夢と希望を叶えるのですよ」のコマかな。気持ち泣けます。