超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

さんかれあ 第5話「ゾンビって…コトは…」 感想

2012-05-05 03:24:55 | アニメ





「普通ってなんなんだ?」





普通ってなんなんでしょうね。そもそもが普通の女の子じゃなくなってる訳ですから
そこに普通を望むこと自体ある意味滑稽ではあるんですけど、だからといってそれまでの人生が、
彼女の日常が普通だったのか?って考えると、それは決して・・・
普通なんかじゃないと思う訳ですよ。
普通とは、異常じゃない様、ありふれているもの、逆に考えればあの屋敷から抜け出したその時点で
ある種解放されてるんじゃないかとは思いますけど、新たなる問題はゾンビ化による
正常性の欠落、ですよね。
苦しみも悲しみもなくなった代わりに
人間らしさからは掛け離れてしまった彼女
冒頭の問い掛けに対する答えはこの時点で結構出てるような気もするんですけど、
取り敢えずは、彼女の自我だったり、女の子らしさを守ること、最低限の喜びを与えてあげること。
こうやって考えてみると「普通」っていうのは何気にありがたいことでもあるんだなあ、と。
そんな事も思ってしまう訳です。
誰もが望む普通の生活、それすら出来ない人もいる
だからこそ、案外普通って言うのは最も尊いものの一つなのではないかと。

それで、いよいよ礼弥の本格的なゾンビ化が始まってしまいました。
ただただ可愛かっただけの彼女がいきなりモンスターみたいになってるのは衝撃的だけれど
これこそがこの作品の本気であることもまた間違いないんだと思います。
単なる属性付けかと思った?残念でした!って感じやね(笑)。
そんな生温い作品ではないのだ。
そもそもがタイトルも登場人物もゾンビ作品に対するリスペクトが籠もってるような作品ですから
視聴者に対して媚びるだけの作品である訳がないんですよね。属性とか、そんな見方は正直浅いと思う。
けど、このままでいいのか?って言われたら絶対に良くないですよね。
だってこの状態、「普通」じゃないですもん。
だからこそ、ここは千紘の正しい頑張りどころであることもまた間違いはなく
所謂か弱い(?)女の子を男の子が全力で守って生き抜くラブストーリーという
古き良きラブコメの様式を踏襲しているのもまた事実は事実で。
変化球に見えて、その実は王道でもある、そのさじ加減が観ていて心地の良い作品ではあると思います。
それにしても、蘭子さん胸揉まれまくった挙句裸も見られるとは、何気においしいポジションなのか?(笑)。
彼女の存在ってさり気にいいアクセントにもなってるなあ、と観ていて思った次第です。


生前の礼弥の様子もちょこちょこ垣間見れるお話になってたけど、
過剰なアイドル視だったり、不必要なデカい期待や憧れがあったりと
これまた「普通」ではないと思うんですよね。
だからこそ、
千紘とのあの会合がどれだけ彼女にとっての「普通」であったかも良く分かる作りになってます。
偶像視も、過剰な期待も縛りつけも必要ない、必要なのは対等で意味のある関係性
送りたかったのは「ただの楽しい日常」だったのかもしれません。
だから、彼女の希望もまた切実なものだと思えるし
しがらみからの解放というのが一つのテーマになっているようにも感じられる
そんな自由への渇望が心に残るストーリーになってますよね、これは。そこにはシンパシーもまたあるし、
勿論彼女を守ると誓った千紘への期待も観る度に高まっていて、この事態をどう切り抜けるか
早速彼の手腕と根性が試される作りにもなってるので色々と楽しみです。

同時に、蘭子さんにも頑張って欲しい気持ちもある(笑)。
何気にいいキャラしてますからねー。
姉さん女房キャラっていうのも最近はあんまり見かけないので相応に新鮮ですね。
礼弥の話にうわの空だったのも、彼女のことを千紘に逐一尋ねたのも、気になってるからに違いない
それでいて件のキスシーンまで目撃!と反撃する動機も整ったところで(笑)。
さり気ないアタックにも期待しています!って事で。
声が矢作さんっていうのも良いですね。そしてどんどん存在感を増してる萌路ちゃんにも注目です。
お化け風の格好が可愛く思える時代が来るなんて昔は思ってもみなかったですな。しみじみ。






それと、このアニメOPED共に雰囲気が出ててすっごくいいですね。
そこを観るのもちゃんと毎回の楽しみになってるくらい、派手ではないけどいい映像と曲だと思います。