超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

THE BACK HORN「KYO-MEIライブ in KASHIWA」@柏PALOOZA 12.5.21

2012-05-23 23:30:24 | ライブレポ





月曜日の事ですが、THE BACK HORNの企画ライブを観に柏へ行ってきました。






バックホーンが定期的に行っている共鳴シリーズにノベンバが招待されたって形なのですが・・・
正直この組み合わせは個人的に最高ですね(笑)。共感と言うのならばもっと近いバンドはいると思うけど
ノベンバとバックホーンって似てるようで似てないバンドですし、
でも通じる部分もあったりして
これこそ「共鳴」って形に相応しい対バンなんじゃないかな~、って私的には思いました。別の場所で共に、って。
何よりバックホーンがノベンバを誘ってくれたって事実が嬉しいですね(笑)。
多分会場にはバックホーンのファンのが多かったと思うけど
でもそんな彼らにもノベンバの魅力が伝わってたらいいな、と思いつつ。ノベンバのお客さんは
基本地蔵スタイルなので結構にアウェイ感のあるライブだったと感じましたが
後々バックホーンのメンバーがMCでその空気を壊してくれたのも中々にファインプレイな一夜でした。
普段とはちょっと違うノベンバも全然面白かったですけど
久々に観たバックホーンは数年前より確実にパワーアップしているのを肌で感じられる程に強力なライブで
まだまだ全然伸び代がある、むしろここからなんじゃないかって思えるくらいの進化っぷりもまた楽しかったです。


気が付けば柏パルーザは約10ヶ月ぶりくらい?でした。去年のトライセラのワンマン以来か。
でも赤ブリやO-EASTほどは空かずにまたここに来れました。個人的にこのハコ好きなんですよね。
キャパもちょうどいい感じだし、多すぎず少なすぎず・・・
このハコが出来てから小ハコオンリーだった千葉のライブハウスに足を運んでくれるバンドも増えまして
何かと便利さを感じつつ、ノベンバが千葉にライブをしに来る事もあんまりないので
その意味でも新鮮。
ちなみに前回バックホーンを観たのが千葉LOOKのワンマンだったので
バックホーンに関しては2回連続で千葉なんですよね。それもまたレアな話だとは思うけれど。

駅に付いてから、取り合えず時間が余ってたので駅近くのラーメン屋「誉」で味噌ラーメンを食う。
さり気に柏に来る度毎回このラーメン屋で食ってるんですが、正直めちゃめちゃうまいです。
常に席が埋まってて外で待つパターンが常套なのですが
この日は運良くすぐに入れた。まあ夕方前だったからかな。若者向けと思いきや繊細な味が堪らないですね。





腹ごしらえもした後で、いよいよパルーザへ。
珍しく良い整理番号だったので最前列付近まで辿り着く事に成功、
こんなに間近でライブを観る事自体久々だわ。
パルーザはステージの高さ的にも本当に観やすいハコなのでなお更近くに感じます。
そんなこんなでノベンバのメンバーが開演時間ほどなくステージに登場!
一曲目は何だろう?って思いながら観ていると・・・いきなりの「dysphoria」!!
普段は後半の盛り上げどころに使われる楽曲なので早速意表を突かれて興奮しちゃいました。
初っ端から絶妙な感度のギタープレイで場の空気を温めた後は、
数年振りに聴いた「Figure 0」。
音源ではよく聴くのに、ライブでは本当にリリースツアー以来?に聴いたので出だし分かんなかったです(笑)。
恐らくはこのタイプの激しく妖艶な曲は他に候補曲が重なってるから披露の機会も少ないんだと思うけど
やっぱ久方ぶりに、しかも目の前で聴いてると魂を鷲掴みにされちゃいますね。
叫ぶパートの小林祐介は猿そのもののような原始的感覚で
正にノベンバらしさが随所に感じられた迫力のステージングだったなあ、と思いました。

個人的に嬉しかったのは「ブルックリン最終出口」。コンピに入ってる曲ですが
これは更に聴いたのが約3年ぶり?っていう、どれだけレア曲入れるんだよ!って感じの攻勢で、
まあ多分私が観に行ってないライブで「Figure 0」もこの曲も演奏されてる可能性は大なんですが
それでも・・・久々のこの曲は本当に優しくて爽快で、気持ち良かったなあ。
そんな滅多にやらないであろう曲を対バンで入れて来るっていうのもまたニクいですなー。
普通対バン、しかも誘われた側って代表曲連発がデフォルトですから。
数年ぶりの旋律を楽しみつつ、
後半も後半で印象的な場面が沢山

「二ールの灰に」では「Moire.1」でも顕著だったビート感の強化が好印象だったんですが
それ以上にこの日はギターアクションが凄くて派手で、結構対バン意識してる?って勘ぐっちゃう位に
先天性のあるパフォーマンスの妙が個人的には強く印象に残りました。
いつもより歌もよく聴こえたかな。
同時に、「こわれる」のギターソロの迫力も更にパワーアップしていて
この辺の派手にガッと攻める楽曲群は程よくバックホーンファンにもアピール出来た気がする。
そんな激しめの楽曲に舌鼓しつつ、盛り上がりパート最後は「彼岸で散る青」。
この曲は生で聴くと音源以上にボーカルの必死さが増しているんで
何割か増しぐらいで感動しちゃうんですよね。それはこの夜も同じでしたが、サビの最後の部分は
いつも以上に叫びを強調して歌われてた気もしました。それもまた新鮮な印象で。

ただ、この日のハイライトは間違いなく「holy」にありました。
この曲も去年のツアーファイナル以来で半年以上ぶりですが企画ライブで聴けなかったので
なんか随分久々に感じたけど、それまで以上に声の張りと染み渡る感触が洗練されてる様に感じれて・・・
個人的には絶品だったし、ちょっと救われたような感覚にも陥りました。
「笑っていた」、
このフレーズだけで色々な映像や記憶がフラッシュバックして頭の中に流れ込んでくるような。
そんな想起させる感情も沢山受け取る事が出来た万感の対バンラストのプレイ、お世辞抜きで最高でした。
いつも思うんですが、光に照らされて歌う小林祐介の神々しさは異常ですね(笑)。
そのフレーズの数々だけで、しばらく生きていけるって思えるような。
また、次のライブも楽しみです。





続いてはバックホーンの登場。主催側って事で当然盛り上がりの激しさが予想されたので
ちょっと後ろに下がりつつ、でも身体を揺らす事は忘れずに参加。
冒頭からテンションの高いメンバーたち
そしてお客さんのテンションもまた高い高い!
一曲目「シリウス」から早くもモッシュ連発で大盛り上がりのライブホール
この曲は思ってた以上にライブ映えする楽曲だなあと思いながら聴いてたんですけど
シンガロング出来るようなアンセム感と、後半の尖ったフレーズの格好良さが同居してる曲だから
結構一粒で二度美味しい的な感触のある曲なんだなあ・・・と生で聴いて再発見することもあったり
初っ端からライブ参加の意義を強く感じたりもしましたが、
続く「フロイデ」の山田将司は確かに物凄く美しさを感じるほどに決まってるステージングで
この格好良さはバクチクの櫻井さんと怒髪天の増子兄を合わせて更にブラッシュアップしたようだ、って
ボーカリストとしての逞しさを肌で感じることの出来た楽曲、
観客の一体感も凄まじいものがありましたね。

その一体感は、「声」で大爆発を起こし、この時にはもう後ろに下がったはずの私も
いつの間にかモッシュの波に巻き込まれてました(笑)。
でもいいんだ、「声」めっちゃ好きな曲だし、和製バンドって事実をまじまじと感じさせてくれる曲でもあるから。
「響け 本当の声よ―」そう叫ぶ山田将司は真面目に美しさを感じる男気だらけで正直惚れるレベル。
続く「白夜」みたいな変り種の曲を挟んでくる緩急の付け方も流石だなあ、って感じつつ
「君にさよならを告げて 晴れて俺は自由になった」って冒頭の部分から香る
やりきれない哀愁の表現もまた胸にグサッと刺さったパートで、
そこから「人間」っていう流れが個人的にはもう最高で!この曲大好きなんですよね。
不穏で妖しくて、ゾクゾクずるビートの応酬に何度も音楽的なオルガズムを与えられつつも
最後の人間、人間って叫び倒すパートの破壊力もまた凄まじいレベルで、マジもんの狂気を感じたりしつつ
ここでまさかの「怪しき雲ゆき」!この曲もまた改めて聴くと相当の変態曲ですよね。
恐らくインディー以来だという柏でのライブだからこの曲演奏したのかな?
この日は両バンドともセットリスト凝っててえらい楽しかった(笑)。


初めて「世界中に花束を」を生で聴けたけど、想像以上にライブで披露するには相応しい楽曲で
震災云々抜きにしても貴重な歌い継がれるアンセムになる可能性を秘めた曲だな、と。
続く新曲「シンフォニア」もライブで聴く限りでは
ブランキーみたいな鋭さを感じさせる始まりとポップに弾けるサビとのコントラストが面白い曲に響いて
好印象のままに鉄板曲「コバルトブルー」に突入!ライブでは行く度に聴いてるけど
不思議と何度聴いても飽きない破壊力がある楽曲ですよね。
栄純のギタープレイも間近で観ると本当に優れて神懸かった出来だったんですが、
山田将司のBメロの丁寧な歌声も個人的には印象に残りました。「泣く為だけに生まれたはずじゃない―」
豪快でテンション高くて、爆上げって感覚の強い曲なのでそういう繊細な部分とのギャップが素晴らしくてですね
代表曲なのにこの日ライブで聴いたことで更に好きになれたような・・・そんな感覚さえありました。
この時にはもう結構前に近い位置で観ていたので余計に印象に残ったのかしら。
本編ラストの「戦う君よ」は正直こんな良い曲だったっけ?って聴いてて思いました(笑)。
「閉ざされた世界」のが印象が強かったのか、あのシングルはそこまで印象には残ってなかったんですが
本当にライブの最後に演奏すると締まる曲なんだなー、って。何だか目から鱗でしたね。

アンコールでは初期のカップリング曲「サイレン」を披露、
ゴーイングの松本さんも大好きだって言ってた記憶がある曲(確か)
「何にも媚びるな―」そんな力強いメッセージもフルパワーで伝わってきた名演
しばらくライブでは聴いてなかったけど、本当に今のバックホーンって良い状態なんだなー、って
そんな脂の乗り具合を再確認するには絶好のライブだったなと感じましたね。
秋の全国ツアーの関東公演は大ハコのみって感じなので
ここでこのサイズのハコでバックホーンの強靭さを体験出来たのは貴重な体験だったと思う。
アルバム、是非買って感想もきっちり書くよ。このイベントを企画してくれて本当にありがとうでした。






セトリ

THE NOVEMBERS
1.dysphoria
2.Figure 0
3.瓦礫の上で
4.ブルックリン最終出口
5.ニールの灰に
6.こわれる
7.彼岸で散る青
8.holy


THE BACK HORN
1.シリウス
2.フロイデ
3.声
4.白夜
5.人間
6.怪しき雲ゆき
7.世界中に花束を
8.シンフォニア(新曲)
9.コバルトブルー
10.戦う君よ
encore
11.サイレン





バックホーンは「アサイラム」のツアーぶりにライブを観たんです。
つまりは前のアルバムのリリースツアー以来って話になると思うんだけど
そんな、そこまで長くない期間の内に、
ここまでパワーアップ感や更に達者になった感覚を受け取れるのって凄いな、と。
後この日のセットリストが正に変幻自在とでも言うべきフリーダムなセットリストに仕上がっていて
あらゆる観点から最高だって本心で言い切れるライブだったのは確実、
全員格好良かったと思うけど
確かにノベンバ小林祐介が呟いてた通り、山田将司の色気は年を重ねる毎に増してる印象で凄かった!!
バックホーンは既に色々な軌跡を残してるけど、本当に濃くなってくのはむしろこれからなのかもしれない。

一方でお客さんの性質がいつもとは違う中で、精一杯実力を出せてたノベンバも相当に良かった。
対バンなのに数年ぶりに聴く定番以外の曲が何曲もあったり、
一曲目からクレイジーさのアピール、
いつも以上に過剰なリアクションときちんと対バンを意識した作りになってたのが新鮮だったな、と。
でも一番カタルシスを感じたのはラストの「holy」であの歌声はきっと忘れらないと思う。
そしてノベンバ小林祐介がバックホーンを知ったキッカケは
高校の時ダブりの先輩に教えてもらったという事実も判明したり(笑)。
ちょこっとだけ「サニー」の「有刺鉄線を越え~♪」のフレーズも歌ってくれたりと
その後の栄純と将司のノベンバベタ褒めっぷりも含めて相思相愛って雰囲気も感じられたのもまたベターでした。
ちなみに山田さんは昔柏の駅前で弾き語りをやって五千円貰った事があるそうです!!
いつもより明るい話し方で相当にご機嫌の様子でした。
地元でそんなノリノリのライブが観れたって事が嬉しかったな。ま、同じ千葉でも遠い方だけど(笑)。


相互リンクブログの「炭鉱のカナリア」のディムさんもレポを挙げられていたので
それをこの記事の最後に乗っけておきます。

THE BACK HORN/THE NOVEMBERS KYO-MEIライブ @柏PALOOZA 5.21


いつもお世話になってます!この場を借りて、お礼を。