超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

kocorono全曲レビュー その12「1月」

2011-01-31 23:12:45 | kocorono全曲レビュー





最後の「kocorono」全曲レビューです。「1月」です。



去年の2月から月イチで始めたこの企画ですが
果たして誰かの目に留まったかどうかも現段階では不明瞭です。
でも、それでも、このアルバムに関しては時間を使ってじっくりと書いてみたかったので
完全版の発売はそれを書くキッカケになった良い出来事でした。
 来月はこのアルバムについて、ちょっとしたまとめなんかを書こうと思ってますが、
その前に、色々不手際もありましたが(笑)、毎月一曲企画の締めくくりとして「1月」の感想を上げたいと思います。
もし毎回読んでくれてた方が居たら、本当にありがとう。




この曲は、元々の盤には入ってません。
旧盤はこの「1月」を抜かした2月から12月までの構成で
じゃあこの「1月」はどこに入っていたのか?っていうと昔はよくあったコンピ盤ですね。
 ただ、自分がこの盤を手に取る頃には、もう既にそれは売ってなくて
当然中古でもなくて
今まで聴けず仕舞いでしたが、去年の完全版のお陰でようよう聴く事が出来ました。有り難い話ですね。
自分と同じような境遇の方々も多かったのでは?
そういえば元くるりの大村達身もこれ好きって言ってた気がする。ちなみに岸田繁は「2月」、だったかな?
昔のOH!MY RADIOより。


「4月」では道を分かつ状況のもの悲しさ、が、見事に描かれていたんですが
この「1月」はその先を描いているような気がする。
「1月」って言うと年初めで他の月よりも元気っちゃあ元気な気がするんですが
この曲はむしろ痛み明け、といいますか
ようやく混沌とした状況から立ち上がる、みたいな。

思えば、決して「1月」から始める必要もないな、っていうか
「1月」で本当の始まりを迎える、っていうのが面白いというか。
「2月」から迷いの季節が始まる、っていうのもリアルと言えばリアルです。
 でも立ち上がったは立ち上がったものの
当然そこに明るさや前向きさはない。ボロボロの状態での再スタート。スマートさが全然ないんです。
でも結局は・・・そういうものですよね。
引きずってんなら、忘れるまで引きずればいいし。無理に忘れる必要もない。
そのままで行け、っていうのはちょっと違うかもしんないけど
傷付いたまま歩いていく、っていう意志。
それは決して強い意志ではないかもしれないけど、でも確かに感じるもので。

自分の中の「kocorono」は今まで「12月」の焦燥で終わっていたけれど、
これからは「1月」の微前進、で終わる事になりそうです。
といっても旧盤も聴くけどね。
大切な一枚ですから。


基本的には重めのロック・サウンドが中心の曲ですが、サビでちょっと明るく?なるのがツボな一曲です。
暗闇から差し込む一遍の光、みたいな。
ちょっとクサいかな(笑)。

あと、なんとなくLOST IN TIMEの「ひとりごと」にも通じてる気がした。





毎月更新と言いながらも
途中でそれを守れなかった事が何回かありましたが、
それでも一応公言通りの形で終わらせる事が出来てホッとしています。
知名度もキャッチーさもそれ程無いバンドですが
一度ハマれば抜け出せない中毒性・・・いや、そんなキャッチコピーは要らねえか。
とにかく響く人は響く、とは思います。
出来れば聴いてみて欲しい。って思いを込めて締めさせて頂きます。 それではまた、来月の総評にて。




INDIE ROCK STRIKES BACK/BBQ CHICKENS

2011-01-30 23:34:47 | 音楽(旧譜レビュー)





久々に聴いたらかなりスカッとした。
という訳で、
ちょっと間が空きましたが旧譜レビューとしてBBQ CHICKENSの「INDIE ROCK STRIKES BACK」です。
もう10年も前の作品になります。
全然そんな感覚もないけれど。
リアルタイムで聴いた時の興奮がそのまま蘇って来ましたよ。ここ数日ね。



まず、全部で19曲入ってるんですが、トータルタイムは18分です。
19曲で18分・・・これはある意味凄いですよ。
これだけである程度の記名性があります。
ほぼ1分にも満たない曲ばかりで構成されていて。一曲来たらすぐ終わって、はい次!みたいな感じ。

一応バンドの説明をさせてもらうとハイスタンダードの横山健が中心になってるバンドなんですが
いくらパンクバンドとは言えこの短さはちょっと他に例を見ない。
しかも、それできちんとアルバム一枚分聴いた気分になれるんですよね。
きちんとバランスを考えた配分になっていて。

とはいえ、流石に全曲ほぼ1分切って収めるとなると
展開の似たり寄ったりが出てきてしまう訳ですが、これを恐ろしい方法でカバーしていて。
端的に、ボーカルを下手なヤツにする、って事です。


ボーカルの名前はホンゴリアンと言い、正直歌は全然上手くないです。元々デザイナーらしいですから。
でも、それがパンクのメロディとかテイストには非常に合ってるんですよね。
汚さが芸になっていると言うかね。
同じような曲調でも、後半の頃になってくると「またこれかよ!」みたいな感じで逆に笑えるんですが
その要因の一つとして、ホンゴリアンのパンキッシュな歌声が常に痛快、っていうのがあるかと。
 下手は下手でも、ポップな下手さっていうか。
英語の発音は全然なんですけど、それも彼なら何か許せちゃう感じ。
もっと言うと絵が浮かんでくるんですよね。
ホンゴリアンが必死で歌ってる様が。
特に16曲目のラストの「ファックオフ」の部分とか。なんか切実さを感じる。切実なファックオフですよ。

そういういい意味での汚さ、乱雑さ、ガシャガシャ感が癖になるんですが
多分オリジナルアルバムはこれ一枚で終了だったと思う。
きっと一発ネタみたいなものだったと思うんだけど。
でも、逆に言えば凄く個性のある作品って表現してもいいと思う。一枚目で完全燃焼、みたいな。



で、パンクバンドらしく歌詞が攻撃的で批判的な内容が多いです。
後半の曲で示唆されてるように、これが真実ではもちろんなく、聴いて考えて欲しい、って要素強いと思うけど。
それを踏まえてその一部を紹介します。


「誰かがウチの窓を割って、オレが110番した時
 奴らはやる気なく、話を聞こうともせず、知ろうともせず

 青い服を着た使えない奴ら」 (I HATE THE COPS)


「奴らは質問し
 オレたちは答える
 でも話は何かねじまげられてる
 奴らはそれを
 ロックジャーナリズムと呼ぶ
 でもそれは音楽産業の奴隷に過ぎねえ

 買うな 買うな
 間抜けな雑誌なんか」   (STUPID MAGAZINES)


もう一つ、かなりよく分かる詞を。

「オレは部屋で一人
 電話をワキに置いてチンコをいじくるしかない
 テレビをつけても
 何もおもしろいものはやってない

 何てこった 何てこった 誰かオレの言うコトが聞こえるか?
 何てこった 何てこった 誰かいるか?

 (中略)

 俺は通りに出てみた
 会いたい奴は一人もいなかった
 オレが愛するあのコはどこだ?
 彼女は他のクソ野郎とファックしてた」   (FUCK YOU)



更に、こういう曲に混じってくまのプーさんについての歌だったり、ポップコーンの歌だったり、
ビッグマックの歌だったり、サッカーの応援ソングがあったりと
展開こそ似通ってるものの、多種多様な曲がたっぷり詰まっています。
その展開についてもホンゴリアンの個性的なボーカルでカバー、と意外と隙が無くて。
 結構に尖ってる作品だけど
ポップな面も往々にしてあるので、是非ロック好き、パンク好きには一度聴いてみて欲しいです。
多分、考える暇も無くヤラれると思う。
一気にガガーッって攻めてきて、ササーッと引いていく感じ。これほど擬音が似合うCDもない。
本気のパンク・アルバムだと思います。


ちなみに最後にはなんと1秒の曲が入ってます。
果たして曲と呼べるかどうかは疑問ですけど(笑)。
でもそのアイディアが既にパンク的。




お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!! 第4話「妹が水着に着替えたら」 感想

2011-01-30 01:25:45 | アニメ







好きだから困らせたい~♪





今週の「兄好」の感想です。
タイトル通り、海に行く話。監視カメラの地図から察するに神奈川の海?
まあそれはそれとして、今週も冒頭から奈緒の妄想炸裂ですよ。
まずそんなにスタイル良くないだろ・・・って言いたいんですけど
確かにそっちの方が嬉しいは嬉しいですよね。
近い将来、なくはないかもね。

で、そこには何故か奈緒の同級生だったり、土浦さんが居る訳で。
いや、後者に関しては何故でもないか・・・。
むしろ当然か(笑)。
当然といえば、まあ奪い合いになりますよね。この時ばかりは奈緒も遠慮しない。
仲のいいクラスメイトとは言え、兄が懸かってるとなれば話は別よね。
もうお互い一心不乱に攻めまくりな訳さ。
時折胸の誘惑に走る修輔を牽制し合いながら(笑)。でもそれはしょうがないと思うんだよ。W水鉄砲はキツいな。
その後のボート突撃とか、アホくさい助け方の数々も酷かったなあ。

とはいえ、彼は彼で夢の中でいい思いしてたんだよね。
憧れのエロゲキャラとのご対面です。
スク水での出会いから
剃毛プレイ、
触手プレイに
憧れのキスシーンまで。悪夢じゃなかったのが救いかな(笑)。

でも起きたら、AGE探検隊に人工呼吸されてる、ってオチが。
しかし何気にリーダー格の男美形なんじゃない?
ある意味嬉しいのでは。
その手の方にとっては。
その手の方じゃなかったので、この場合は実直に不幸ですけど!
「Aまで済ませた仲だろ」って
こいつもこいつで両刀の素質あるんじゃなかろうか?そんな展開誰も望まないだろうけど。


最後、電車の中のシーンはほのぼのとしてて良かったんですけど
奈緒にとってちょっと都合が良かったので一瞬これも夢かな?って思いましたが
普通に現実でしたね。
修輔も修輔で時にはあんな事言ったりするんだね。
でも結局はスク水好きか・・・なんか今週は修輔のが手に負えない感じだったかな(笑)。
楽しかったけど。





余談ですけど
このアニメってOPEDも良いですよね。すぐ覚えられるし、ちょっと口ずさみたくなるし。何より内容をイメージしやすい。
「一線だって~」って口ずさむのは中々アレですけどね(笑)。
でもちょっと新しいよね。
そういう点では他よりも群を抜いてる感じがします。

それと、もう一人のライバルキャラが登場するみたいですね。
まあルックス的には奈緒が一番なのは変わらないと思うんですが、期待して次回待ちたいと思います。
今週は今までと比べるとストレートな話だったかもしれない。




from the NEW WORLD/FoZZtone

2011-01-29 00:47:55 | 音楽





FoZZtoneのオーダーメイドアルバム「from the NEW WORLD」が届きました。
や、正確にはもう一週間以上前に届いてたんですけど。
どう記事を書こうか迷ってて。
だって、曲順とか完全に個人個人のものでしょ?それにもう注文は締め切ってるし。

とはいいつつ、自分なりの形で書いていこうと思います。
ちなみに2枚選曲して買ったので
2パターン載せる事にする。




パターン1
1.海へ行かないか
2.4D
3.猿飛
4.レインメイカー
5.slow flicker
6.Jaugar in the Stream
7.stone in the black boots
8.ロードストーン



パターン2
1.猿飛
2.レインメイカー
3.HELLO,C Q D
4.海へ行かないか
5.白鯨
6.4D
7.Jaugar in the Stream
8.ロードストーン



自分の場合はこんな感じ。
折角面白い企画なのに1枚だけじゃなあ・・・って感じで、コンプリートも出来るし2枚買ったんですが
正直ほぼ同じ楽曲でもこんなに印象変わるんだなあ、って実感しました。
全然聴き応え、感触が違うんですよね。
全曲ライブで既に聴いていたので、選曲自体は楽にやったつもりなんですが
思ったようにハマるパターンと、思ったようにハマらないパターンがあって。
何となく勉強になった?そんな気もしました。
これと同じ曲順の方居るのかな。

自分なりのこだわりとして、まず「猿飛」と「レインメイカー」は絶対セットにする、っていうのと
「ロードストーン」は最後だろう、ってのを最初から決め込んで選曲しました。
ここは譲れないポイントですね。
やっぱりライブの印象も選曲に活かしたいな、って。

ではそれぞれの盤についての印象でも。



●パターン1
個人的に一曲目がバラードで、次から勢いのある曲ってパターンが好きなのです。
だからそれをまず試してみたんですけど
思った以上にハマってて嬉しかった!
その後の流れとしてはまず真ん中にバラードを再び配置して、その後また徐々に盛り上がっていく感じにしようかなと。
元々個々の曲が良い、ってのもあるけれど
正直この選曲は相当自分好みで、かな~り聴きやすい印象でした。
こっちのが基本的に好きかな。


●パターン2
で、こっちは逆に一曲目から勢いのあるパターンでいってみたかったんです。
それは成功したんですけど
真ん中がややディープ過ぎたかもしんない(笑)。
正直聴きやすさはあんまなかったです。こっちはそんなに成功したとはいい難い・・・が
「白鯨」~「4D」の流れは何気に気に入ってたり。
「Jaugar~」と「ロードストーン」の流れは、ちょっとキレイ過ぎたかな?
とはいえ最後くらい聴きやすい方が良いか。
こっちは中々にコアな選曲になってしまいました。





でもやっぱ、選曲させるだけあってどの曲も質はかなり高いです。

ポップな曲からロックな曲、プログレっぽい曲まで幅が広く
総じてキラーチューンを多めに揃えて来たな、って印象で。
またそれぞれの曲に漂う空気感が良いんだよね。
自由にのびのびと唱って、演奏してる感じが。
確かにいい作品揃いだけど、気負いはあんまり感じないかな、と。
結果的に風通しのいいアルバム、というか選曲に仕上がる事が多いんじゃないかと思う。

それでクレジットにもちゃんと自分の名前が載ってました。
こういうの嬉しいですね。
ブックレットも意外と凝ってるんですよ。曲によって歌詞のフォントが違かったり。
特に「4D」が印象的ですね。
タイトル通り、っていうか。
なんか思い出に残るアイテムになった、なりそうな予感ですね。面白かったッス。

後は、数ヵ月後に全曲レビューでもするかな。
その頃にはワンマンあるしね。
ライブ映えする曲ばっか、ってのは既に承知の上なので安心して楽しめると思う。



という訳で、構想に時間が掛かりましたが、ニューアルバムのひとまずの感想、という事で。





放浪息子 第3話「ロミオとジュリエット」 感想

2011-01-28 04:00:49 | アニメ





真夜中に3本は流石にキツい。でも書きがいはある作品たちです。毎週木曜深夜が楽しみで仕方なし。




今回は高槻さんがブラジャーをしないといけないっていう、
ある意味正念場からのスタート。
男らしく在りたい、って思ってるのにそりゃないよって話だわな。
その場でブッ倒れる高槻さん。
その場で大笑いする更科さん。うむ、面白いなあ(笑)。
 更科さんは普通と違う人間を受け入れられる度量のある人なんでしょうね。
だからこそ彼女の存在は重要なのでは、
とか思っちゃったりする訳ですが。果たして。

今回の話の大本として
クラスの出しものとして劇をやる、というのがある。
それも倒錯劇。
男子が女子を、女子が男子の役をやる、っていうもの。
その話にまんまと乗った形になった二鳥くん。
女の子になりたい男の子と、男の子になりたい女の子の話をやろう、と。
そこには高槻さんの後押しが入った形になった訳ですが。

ただ、発案者の千葉さんも同様に倒錯劇のストーリーを考えていて
それはオーソドックスに「ロミオとジュリエット」。
けど、それを組み合わせるっていう先生のアイディアが発端になって
どうにかして二人で凄いものを作ろう、と。
 普段は正直にやりたくないって言う千葉さんもこの時だけは乗り気。
それは多分、二鳥くんだからでしょう。
嫌いな相手、どうでもいい相手とは絡まないけど
好きな相手とは積極的に絡む。それもまた一つの人間としての選択、ですかね。
なんだかそんな千葉さんはとっても楽しそうだ。
途中までは。
二鳥くんが考えたアイディアは、二鳥くんと彼が想っている高槻さんを髣髴とさせる
自分自身を重ねているようなストーリーだった。
それに気づいてからは悔しそうな千葉さん。


だけど、二鳥くんは二鳥くんで、遂にブラジャーをしてしまった高槻さんを見て
色々と想う所があったんだろうなあ。
複雑な心境だったとは思う。
自然な流れなんだけど。
彼にとっても他人事じゃなく、変声期という逃れられない事象が来てしまいますよね。
どうやっても変わっていってしまう切なさ。
その過程には大いに興味がありますね。
彼が彼のままで
彼女が彼女のままで居られるのか・・・注目してます。

にしても、スポブラって所が一応の抵抗、みたいな感じで面白かったです(笑)。




二鳥くんの姉は姉で頑なに二鳥くんの女装行動を否定してますが
あれはあれで、ある意味思いやりのある行動だとは思います。
逆にそのまま肯定するほうが不自然。
そこにどう折り合いを付けるか、にも期待ですね。今週も独特の見応えで楽しかった。
楽しいって言うよりは興味深かった、の方が正解かもしんないけど。