超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

さよなら絶望先生 29巻/久米田康治

2012-05-17 23:09:33 | 漫画(新作)





久米田康治「さよなら絶望先生」29巻読了。






次の巻で最終巻。思えば、全30巻で終了っていうのは本当にサンデーの漫画みたいっちゅうか、
サンデーは30巻前後で終わる漫画が多かったからなんだかその感覚が凄い懐かしかったりもしましたね。
「南国アイス」とかだと割と最後の方は息切れしてる印象だったんですけど
でも絶望先生は最後まで絶望先生らしく終われたな、って気がする。
最盛期は勿論過ぎてるけど、
でもギリギリ余裕は残ってる感じ?そんな状態で長期連載を畳めるのってたぶん初めてじゃないかなあ。
今回は改蔵以上に最終回に向けての仕込みが大げさで、
あれ以上のインパクトを出せるかどうかが楽しみだったり(笑)。
何にせよ、キャラ人気で生き残ってきた訳ではなく
あくまで卑屈で毒のあるネタで今回も地力で勝ちあがってきた印象の作品なので
そんな漫画が最後にキャラに対して華を持たせている、見せ場を作ってくれてる感覚は新鮮で面白かったし
何だかんだいってキャラに愛着はあったんだなっていうのもハッキリ分かって良かった。
落とし前を付けるエピソードの数々は最終巻でも引き続き行われると思うので
その意味じゃ最後を読むのがめちゃくちゃ楽しみ
サンデーでは無理になったからマガジンに拾ってもらった連載のラッキーパンチは痛快でしたが
まあ元々そんな大々的に出回るような作風でないのもまた確かなので(笑)。
この辺で幕引きって判断は非常に正しい気がいたします。はい。


29巻の内容なんですけど、めるちゃんのネタの「そこにあって初めて~」っていうのはよく分かりますね。
バンドで人気だった人がソロになったり誰かのサポートに回っても
思ったほどは目立たず人気も出ず
でもまたバンドに戻ってくると人気が出るって言うのはいかにその場所が強力か?っていうのを
概念の強さを物語ってると言えます。更に言えば、ジャンプの漫画家なんかもそうで
大抵週刊を卒業して青年誌に移行するとあんまりパッとせずに結局はヒット作の続編で食いつなぐ
それもまたいかにその場所が強力なオーラを放ってるのかを物語ってますよね。
それに関しては色々意見もあるだろうけど
そんな場所がまずあることって事自体ある意味偉大な事なんだろうなー、とか思う。良くも悪くも影響的っていう。

ザイコメトラーは・・・うん、完全に在庫ってますね(笑)。
いや、まだ在庫と呼ぶほど年食ってるわけではないんですが・・・
でもきっと在庫になっちゃうんだろうな。
抱き合わせ商法なんだろうな。
そして適当に福袋の中身を増やして、、、って考えると人生嫌になってくるから困るな(笑)。
その他にも某占い師ネタだったり(女芸人のね)、東電ネタだったり今回もまた懲りない御代で
でも物凄く破壊力のあるネタはもう出し尽くした感はあるのに
決して低調な訳ではなく
コンスタントに笑えてネタを楽しめるその安定感は今回の連載で得た確かな財産のようにも思える。
紙ブログやおまけページの次回作予告漫画(笑)のサービスっぷりといい
適度にネタを与え適度に我々を楽しませ続けてきてくれていた
そんな絶望先生の終わらない底力を感じさせるような巻で。まあ要するに今回も今回で面白かったという話です。





最終回間際の状況に対してみんなでどうやって畳むか考える、ってネタは
正にこういう時事ネタを扱うギャグ漫画ならではの展開でひねりが効いてて面白かった。
その一方で空きページを含めて複線がバリバリ顔を出して来ているので
本格的にこの後の展開もお楽しみに出来る方向性の新刊でした。
南国アイスは下ネタ星の王子、改蔵は病院入院オチ&エヴァネタでしたが、今回は一体どうなるやら。