超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

カウントラブル 6巻/奈央晃徳

2012-05-09 22:59:13 | 漫画(新作)





奈央晃徳「カウントラブル」6巻読了。






ついに吉沢さんと恋人同士に・・・!ってのはいいんですけど
ぶっちゃけメーコの方を応援していたので心境的には複雑ですね(笑)。
ただね、この主人公のコータって男は何気に今までも一度も揺らいだことのない男なんですよね。
ずっと吉沢さんだけっていうか、記憶を忘れたりもあったけど、好きに気付いた時でも
決して自分の思いを曲げなかったっていうか・・・
それを考えると
物凄く純情な物語にも思えてくるから、まあこの方向性で正しいとは感じるんだけど。
しかし、理屈ではなく個人的な感覚としてそれでもメーコを・・・!って気持ちはどうしてもあるよね(笑)。
すっごく健気で、すっごく良心的な女の子だし、嫌味な部分が全くないですし、
一緒にいても十分に楽しんで付き合えそうだし
そんな素敵な女の子を選ばないっていうのがまず信じられないぜ。
ってそれを言うなら吉沢さんも吉沢さんで十分素敵な女の子ではあるんですけど(笑)。
例えば、「美鳥の日々」だったら綾瀬よりも美鳥の方が好きだったから別にこういう感情にはならず
切ないなあって感触のみだったんですけど
それもまた場合によりけり、なんですかねえ。
ここまで幸せになって欲しいなあって思えるキャラってそんなにいない
コータが一途だったように、メーコもまた一途な女の子だったんですよね。だからこそ、報われて欲しいって
でもそれはコータにとっては一途さを捨てる事にもなるから・・・
ってまさか
読み始めた頃にはこんなにメーコに感情移入するようになるとは思わなかった(笑)。
元々好きではあったんだけど、5巻のラストを読んでたら無性に寂しい気持ちになっちゃって。
この6巻なんか、彼女の出番殆どないじゃないですか。付き合い初めだから当然なんだけど
なんかメーコの存在って言うか役割が終わってしまったようで・・・
微妙に個人的な切なさが胸を埋めた6巻でした。
それでも、自分の気持ちを殺してまで尽くすメーコを私は最後まで応援しますよ!って事でね。
7巻はメーコのエピソードも入るので実に楽しみです。吉沢さんとのホテルも普通に気になりますけど。


ところで、普通成就したらそこで物語の完結に入ると思うんですが
この漫画の場合普通に続いちゃってますね。っていうかそこがゴールではなく
もっともっと親密になってから、って話なんですかね。
あまりにもトントン拍子にイベントが続いていくから驚いたんですけど
まあ相思相愛なのは数巻前から分かり切ってはいた事なので、中途半端に引き伸ばすよりは潔い、かな?
それにしても初々しいカップル描写は流石の安定感とニヤニヤっぷりでしたけど(笑)。
こんな青春送ってみたい!って思わせられたらその時点で負けよね。
コータは頑張りながらも空回ってたりするんだけど
その頑張りを認めつつ寛大な心できちんと「彼女」やってくれてる吉沢さんは良い女だなあ、とも思いつつ。
基本メーコ派の私ではありますけど、ぶっちゃけ出番なくてもある程度は面白かったです。
でも、それもここまで6巻も使って関係性を徐々に徐々に高めてたからで・・・
気軽に読める作風ではありますが、丁寧な作りだとも感じますね。
吉沢さんの妹まで出てきて
コメディ的にも十分に面白いって思える良巻でした。7巻もまた楽しみです。

ところで、そんな吉沢さんの妹さんが何気に初めてか?パンチラしてましたね。
ゲストっていうかサブキャラなら一応可って認識なのかな。
要するにメインキャラに関してはそういうサービスは一切させないって方針なのかな、って
読んでて改めて思ったりもしました。まあ、この漫画の場合はそっちの方がいいかなとも思うけど。
健全さが一つのウリでもある作品ですからね。





最後に、読切版の「カウントラブル」も収録されています。
この漫画のヒロインをブラッシュアップさせたのがメーコって事は・・・
あ、読切で一度前身が成就してるって話なのね。でも絵柄が全然違くてそんな気もしないけれど(笑)。
今の方が数段上手いッスからね。それでも連載になるだけあってお話的には鉄板で
本編にも繋がる部分が色々垣間見れたり実に良い読切でした!
それにしても表紙の美麗さは半端ないですね。最高です。




La’cryma Christi 「15th Special Day」@赤坂BLITZ 12.5.8

2012-05-09 02:27:45 | ライブレポ






ラクリマクリスティのライブを観てきました。






ここ数ヶ月でいきなり再燃状態になって、思わずライブまで走ってしまったんですけど・・・
やっぱり凄いバンドでした。めちゃめちゃユニークで楽しかった。正直本当に行けて良かったです。
そもそも再燃のキッカケは「Without you」だった事も昨日あたり思い出したんですけど
そうやって過去音源だとか思春期の思い出とかを引っ張り出して
浸っているだけでもある程度幸せではあるのに、
それを生で観る事の出来る喜び・・・非常に有り難い話ですよね。復活してなかったら、当たり前だけど
こうやって生で観ることも出来なかった訳ですから。思春期の、多感な時期を共に過ごした音楽の一部なので
今こうして大人になって再び彼らの音楽に潤してもらってる事実を考えると
やっぱり一度気に入ったものって結構持続、半永久的に残っていくものなのかもしれないですね。

そんな思い出を携えつつ、新たな発見もありつつ、
何気に初ライブでした。代表曲に加えて普段はあんまやってないだろうナンバーも聴けて嬉しかった!
何より再燃のきっかけになった曲を演奏してくれたのが一番嬉しかったかなあ。
最近のライブはセトリを観てる限り代表曲揃いだったみたいなので
再び後期のナンバーも交えて力強く羽ばたく姿を観れて
その意味でも感慨深いライブでした。
んで、初期の名曲群に混じっても全然色褪せない後期の曲の良さも再確認出来たようなライブ
これから先の活動にも期待したくなっちゃいますねえ。また、追いかけます。






この日はベストデイって事で・・・インディーズの音源から比較的最近の音源まで
かなり満遍なく演奏してくれた感じですね。正に集大成的なセットリストだったように思えます。
場所は赤坂BLITZ、なんですが
個人的に相当久々に赤坂BLITZに行ったので(笑)。
色々と忘れてた部分(乗り換えとか)もあったんですが、まあそれでも何度も行ってる場所なので。
毎回思いますが他のハコと比べて音の良さを感じるので私的にはお気に入りのハコだったり。
調べてみたら、去年2月のMONOBRIGHT以来でした。1年3ヶ月ぶり!

それで・・・思ってた以上に男性客もチラホラ目に付きました。
自分も男性ファンなので、それがちょっと心強かった初ラクリマ(笑)。
まあある意味バンド自体がジャンル的なバンドですからね。
外国の方も数人見かけましたよ。


一曲目、「カメレオン」からきれいに始まるって流れにビックリ。
デビュー記念日なので、てっきりデビューシングルから始まるのかな?って思ってたので。
続く「Mystical Glider」で一気に弾けるテンションに小躍りしつつ、
この日最初のMCを挟んでから
代表曲の「偏西風」の美しい旋律と意外に太いベースサウンドをじっくり聴かせて
個人的にかなりのナイス選曲!って思った「Sweet Suicide」の渋い雰囲気に浸って。
この曲改めて聴いたマジシアの中でも特に好きな曲の一つで・・・
サビで一気に開かれる感情の放出もまた印象に残ったこの日の熱演の内の一つだと感じました。

そこから、件のパントマイムも初めて観れて感激な幻想感覚の強い「Forest」、
異空間に迷い込んだような空間演出が見事な一曲
ツインギターの旨みもたっぷりで、また更にこの曲が好きになりました。定番なのでまた聴きたいです。
「毎日頑張ってるお前たちにこの曲を―」って感じの前振りからの「情熱の風」!
ここ数年のライブではセトリ眺めててもやってる気配がなかったので
ここで組み込まれてくるとは驚き
そしてこの曲ははっきりと音源以上にドラマチックで興奮しましたね~。
こんなに良い曲だったのか・・・ってやや失礼ですけど、再確認出来て嬉しかった。ライブ映えしてましたわ。
そして「THE SCENT」のカップリングの「eternal colors」の際立ったポップさに感銘を・・・
ってこれもまたレアな選曲だなあって思いましたよ。本当に万遍ないね。

個人的にすっごく嬉しかったのが「Without you」を演奏して歌ってくれた事。
前述のように、この曲を久々に聴いてラクリマの音楽に再びハマったってきっかけがあるので
それを考えると初めてのライブでこの曲を聴けた、っていうのが
まるで一つの奇跡のようにも思えます。
確かにシングル曲だし、売れた曲ですが最近のセトリを見てると全然組み込まれてなくて
だからこそイントロが鳴った瞬間に思わず声出しそうになっちゃって(笑)。
歌詞も本当にシンパシーを感じれてやっぱり名曲だな、と。
ファンの間でももっと人気出て欲しい曲ですね。嬉しそうなTAKAさんの表情もまた印象的でした。


ここからは後半に向けて盛り上がりのパートが続々と飛び出していきました。
ラクリマでも随一の奇天烈ナンバー「イスラエル」のオルタナティブっぷりに圧倒されつつ
「君も消える 僕も消える」のラストフレーズに妙にゾクッとさせられた「Blossom」、
この曲もまた単純に盛り上がるし、
歌詞の深みもまた際立っていて最高のひと時でした。
そして、最大のヒット曲「未来航路」の素晴らしさは尋常ではなかった・・・!
この曲が名曲だとか、素晴らしい曲なんてのは誰でも分かることだと思うし分かってたつもりでしたが
まさかここまでグッと来る、ライブ映えする楽曲だとは個人的に予想外でした。
首の後ろで楽器を弾く動作を前の3人が全員やってたり、
TAKAさんがベースをいじってたり、
Cメロの部分では前方の4人がドラム前の中心に集まって写真みたいに集合したり、
そういった演出もまた凄く良くて、アウトロのシュッとした終わり方もめちゃめちゃ格好良くて
この瞬間に個人的にも相当興奮していて真面目に魅了された気分にもなれて・・・
一番のヒット曲で、楽曲のパワーを再発見出来るって素敵ですね。
やっぱり求心力の特に強い楽曲だなと感じた次第です。

「生まれてきてくれてありがとう。」というストレートな発言も交えてメンバー紹介。
幽霊担当のHIROさん、イケメン担当のKOJIさん、高い位置から見張るLEVINさん、クレーム対応のSHUSEさん
自らを船に例えてそんな発言をしてたTAKAさんでしたが・・・
クレーム担当って何なんだろう(笑)。
それはそうと、ファンレターの内容にも触れていて「会社勤めも頑張れます」とか
「嫌な上司もぶっ殺せるような気分です」だとか・・・ぶっ殺すのはダメだけど、って釘刺しつつ(笑)。
実直にファンに対して感謝を述べるTAKAさんの表情は非常に凛としていて素敵でした。

15年前のこの日にリリースされた「Ivory trees」を威勢良く堂々と奏でる
覇気のあるボーカリゼイションをめいっぱい楽しみつつ、知名度を上げたきっかけになった「With-you」
人生そのものを表現しているかのようなKOJIさんのギターソロが鮮烈な楽曲でしたが
同時にバンドの熱量も半端なくエスカレートしていて
全身全霊って言葉がよく似合う
それほどの迫力を以って奏でられたこの「With-you」、最高以外の形容が浮かばないですね。
本編最後はヘッドバンキングも見受けられた「White Period」の激しさと
会場一体となって歌われた合唱の素晴らしさで以って締め。
勢い重視のバンドではないんですけど
それでも振り返ってみれば後半は緩急を付けつつも、激しく一体化してくるようなカタルシスがあって
バンドアンサンブルの旨みを十二分に味わえたような極上のクライマックスでした。


アンコールでは、いきなり「yesterdays」を披露
そしたら近くの女性ファンが始まった瞬間に泣き出して・・・
この曲は、復活前にKOJIさんが抜けた後にリリースされた曲って事で
そういう曲をまた5人で演奏出来たのもまた大きいですよね。
本当に美しく雄大な一曲でした。

「my generation」で青春模様の表現を味わいつつアンコールは終了
当然例の恒例のナンバーを演奏してないのでアンコールの拍手は鳴り止まず、
期待に応えて登場してくれたラクリマの皆さん、
まずはこれまた初期の名曲「南国」で爆発的な盛り上がりを演出する。ライブだとすっごくパワフルですねえ。
そして、みんなで一緒に楽しめるようなアンコでは定番の「THE SCENT」、
確かにこの曲で明るく終わるのも雰囲気的には良いですよね。歌詞はそこまで明るいとは思わないけど、
そんな恍惚的なエッセンスに呑み込まれてフィナーレって感覚はやっぱ素敵だな、とも。

そういう訳で、観客側としても体力を出し切ったライブも堂々終了
2時間30分の熱演で大満足でした。
おまけに、終演後のアナウンスまでTAKAさんっていうサービスで最後までエンタメ要素を忘れず
チケット代以上のものが確実に受け取れたかな、って思えるくらいに素晴らしい一夜でありました。






セトリ
1.カメレオン
2.Mystical Glider
3.偏西風
4.Sweet Suicide
5.Forest
6.情熱の風
7.eternal colors
8.Without you
9.イスラエル
10.Blossom
11.未来航路
12.Ivory trees
13.With-you
14.White Period
encore
15.yesterdays
16.my generation
encore2
17.南国
18.THE SCENT





いや~なんていうか、本当にプロフェッショナルで個性的なバンドでした。
セットリストもインディーから4人時代のアルバムの曲まできっちりやってくれて
往年のファン的にも大満足のライブだったのでは、と。
個人的には再燃のファンという立場なので、思い入れの強いのはまだ初期の楽曲ではあるんですが
そんな自分でも後期の曲も後期の曲で昔の定番に負けないくらい楽しめたし
新鮮でもあったし、混じっても違和感もなかったし・・・
変わってるようで一貫している
マニアックな部分もポピュラーな部分も一切変えずに貫いてたバンドだったんだなあ、と
観ていて如実に思えるようなそんなセトリとパフォーマンスで
その地続きな感じも嬉しかったし
過去の曲も更に磨かれてるのも伝わってきたし・・・
思ってた以上に素晴らしいライブバンドなんだなと認識せざるを得ないような至福の一夜でした。

と、同時に全然衰えてないっていうか
生で聴いたTAKAの歌声は本当に惚れ惚れしちゃうくらい美しくてタフで
その変わらぬ美声に触れられたのも、昔の自分も一緒になって楽しめたような感覚もまた大きな宝物のようで。
デビュー15周年記念日にふさわしい魅せてくれたライブだったなあ、と個人的に素直に思う
そしてこれから先の公演のセットリストもまた気になっちゃいますね(笑)。
「人生で一番楽しい」とまでTAKAさん言ってましたが
ファンの熱気的な意味合いでも十二分に満足出来た名演になったと感じました。ありがとうラクリマ!
また再会出来る日を楽しみにしつつ。また音源も聴き込みたいと思います。