超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

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NICO Touches the Walls「HUMANIA」全曲レビューその3「バイシクル」

2012-01-31 19:14:59 | 音楽(全曲レビュー)





NICO Touches the Walls「HUMANIA」全曲レビューその3「バイシクル」です。





3.バイシクル





ドラマ主題歌になった事もあり、今作の中でも特にキャッチーに作られた節のある「バイシクル」。
若々しい疾走感に加えて雄大なメロディも光っている地に足のついたキラーチューン、と言った印象で
ただ単に勢い任せではなくしっかりとメロディを練り込んで制作されたんだな、って
そんな風に思えるのが何よりNICOらしいですね。
ただ爽やかなだけでは当然物足りないので
要所要所でそれだけでは済まされない奥深さが付随してるのがやはり光村マジック、と言った所でしょうか。
特にサビの解放感と声の太さとの調和は半端ではないくらい気持ちが良くて
初めから名曲にすることを見据えて作られたんじゃないのか、ってほど堂々とした芯の太いナンバーで。
新たな代表曲の一つになり得る曲だと思いますね。

人間は知識や経験を得る度に変な達観が付いたり、臆病になったり、慎重になり過ぎたり
悪い意味で素直さや純真さがどんどん欠けていく
賢くなるのは賢くなるのでいいんだけど
その分純粋に気持ち良い、って思える事もどんどん失っていく訳で、
そんな自分に対してのアンチソングにもなってて。
何もかも忘れて、何もかも外して、もう一度だけ頭の中を空っぽにして。遠い白に近づく作業の一環。
それは傍目から見れば滑稽かもしれませんが、滑稽って言うのは人間らしさの証拠でもある。
少なくともガチガチに鎖で縛るよりは全然人間らしい生き方だとも思う訳で。
そういう気持ちを思い起こさせてくれる新しい名曲、って感じで個人的にもお気に入りの一曲ですね。




【隣の芝生はいつだって青くて いったい何の罰が当たってこんな惨めな気分になるの】

自分らしさを貫いて生きてきたら
自分らしさによって逆に苦しい気持ちになっていた。
あくまで望んだ風に生きてる筈なのに
他人の方が正しく思えたり
他人の方が恵まれてるように感じたり
そんな不安や不満を数えたらキリがなくて、時々本気で他人を羨ましく思う時がある。
誰々のようになれたら、だとかね。でもそんな自分は結局捨てれない訳で
ますます隣の芝生が青くなるばかりの日々を悶々と過さざるを得ない。


【神様僕はここにいますが 僕の悲鳴に気づいてますか?】

誰の所為にも出来ない日々は
必然的に何かの祟りか誰かの呪いか
でも
頑張っても頑張っても大して報われないのであれば
そういったものの所為にしたくなる気も分かるよなあ、って。
それで何かがどうなるわけでもないけれど
誰にも伝わらない心の悲鳴として。
そんな切実な嘆きが伝わってくる改心のフレーズだと思います。


【ペダルを漕いでるうちは 倒れず前へ進むでしょう】

ただ、そうやってボロボロになってもブレーキが軋む音を上げてもチェーンが外れたとしても
ペダルを漕いでいる限り、少しでも頑張っている限り、倒れないのもまた事実で。
壊れた部分は直せば良い
風が強くても諦めなけば前に進む仕組みになっている。
経験を積んで臆病になったとしたなら
少しでもその仕組みを思い出して、その度にゼロになればいい。余計な知識なんて足かせになるだけ。
だから、生きることだけは、生活することだけは諦めないで、と。時計の針は止めずに、
一歩でもいいから前に進む方法を選択するだけ。
選択してる内は、倒れることはないから。という視点を変えた見方に一つ学ばされる一曲ですね。





余談ですけど、歌詞の内容を追って行く限り、青春時代特有の青臭さがあるというか
それこそ青春映画のワンシーンを彷彿させるような描写の妙があって。
初期は渋さや完成された格好良さを押し出してたけど
こうやってちょっと甘酸っぱい勢いのあるロックチューンを思いっきり奏でられるようになった辺り
またバンドとしての一つの成長を感じましたね。今までのこの系統の楽曲と比べても全然振り切れてるな、と。

ライブでも聴きましたが、これ丁寧なメロディーラインが肝な楽曲なのに
思った以上に盛り上がりが凄くてビックリしました(笑)。
楽曲のスケール感がそのままライブの爽快感に繋がってる印象で、
大きいハコで演奏するのがホント似合ってる曲だと感じましたね。声の広がり具合も流石でした。


コメント

アクエリオンEVOL  第5話「恋愛禁止令」 感想

2012-01-30 02:29:52 | アニメ





しびれまくってます!!





しびれまくってますとか言われても―――――!って感じなんですけど
この人たちの感じやすさは最早ギャグですね(笑)。
何ていうのかなあ。
ギャグなんだけど、普通にラブコメとしても楽しめるのが更にニクいっていうか
肉食の良い部分が抽出されていて男子としては最高に面白いなあ、と。
正直おっぱいとかに過剰に反応するのはしょうがないって!
そういう生き物なんだよ・・・!
だからそれは是非寛容な態度をお願いしたい、って所なんですけど普通に考えてグラマー多いですよね今回。
Wヒロインは当然、他の女子キャラも見渡す限りにビッグバンのバーゲンセールじゃないですか。
今回のアクエリオンは男性向けなんですかね・・・?少なくとも前作はここまで極端じゃ無かった様な。
だがしかし、その意気や良し!
観ていて眼福も眼福。
凄まじい密度の男女のニヤニヤっぷりを堪能させて頂きました。しかもシュレード×カイエンも完備とかもうね。
至れり尽くせりって感じで戦闘こそなかったけどアクエリオンらしさは十分に出せてたかなという印象。

キャラの性格がねえ、ものすごく分かりやすいんですよ。
めちゃめちゃシンプルで短絡的なんですけど
それが魅力に繋がってる印象で
インスタントに展開を楽しめるような反応速度があるなあ、と。それでいて伝統とかかつての歴史とか
良い具合に深い要素があるので軽すぎる感じもしないのがまた絶妙ですね。
恋愛に達するギリギリのラインって言ってたけど
この作品こそギャグとシリアスのギリギリのライン、って感じでさり気にメタ発言にもなってた気がする。
っていうのはあくまで個人的な捉え方なんですけどそのオルタナ感はやっぱり好きだなあ、と。
男女間が隔てられた理由も明確に伝わったし、順調に面白くなってきてる印象で。


しっかし、アマタとミコノって既にもう確定じゃないですか(笑)。
なんかもうね、可愛いマスコットに夢中なミコノさんを見て「ミコノさんの方がずっと・・・」とか
早くも恋人気取りか、って言いたくなったけど
そんなミコノも早くも恋人気分で嫉妬祭り、っていう
何ともおめでたい二人ですよ。
すぐ運命とか言うけれど
その発言を早速受け入れてるあたり、もう既に二人の愛は揺らがないのかも・・・って思ってたらお邪魔虫が。
ああいう場面で乱入が来るのは逆にその後更に燃えるフラグですよね!って燃えちゃいけないのか。
何にせよ5話の時点で鉄板カップルに仕上がってると感じたのでそのニヤニヤは持続させて欲しいところ。
アマタの活躍に期待しましょう、って事で。んでさり気にメガネっ子の男慣れにも期待(笑)。
単純になびかない女の子を用意してるのもまた抜け目が無い感じで流石ですね。

それにしても、毎回言ってるけどミコノさん可愛いなあ・・・!
ここまで正統派なヒロインって逆に新鮮かもしんない。
純情丸出しなのが素敵だと思います。
今回は変化球ではなく王道要素が組み込まれてるのが前作との違いの一つなのかな、とも少し。





まあでも、ぶっちゃけ壁一枚の向こうに異性が居ると分かっていながら通っていた訳で
ああいうテンションになるのも半ば無理はないですよね。
この後どういう変遷を辿って行くのかっていうのも真剣に楽しみです。


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輪廻のラグランジェ 第4話「鴨川スイマーズ」 感想

2012-01-29 22:51:40 | アニメ





まさかのまどかの取り合い!




うおおお今週も面白かったぁ、っていうかいつから百合アニメになったんでしょう?(笑)。
ムギナミはきっと目的があってああいう行動に出てるんだと思うけど
ランの場合はガチで対抗しちゃってるじゃないですか!
クール系の美少女かと思いきや
ドジっ子かつ嫉妬深く、そしてまどかの事が大好きで力になりたくて。いやはやここまで頑張る子だったとは。
最後のオチも天丼的に面白かったんですが、今週は基本そんな3人の絡みと複線メインって感じで
ただ後述要素を出しただけではなくコメディ的にも十分面白かったのが秀逸な回でしたかね。
すっかり水泳メインになるかと思いきや
ランのまどかラブっぷりや、ムギナミの策士っぷりを披露する回って感じで狙いはようよう分かりました。
ランに関しては素直に可愛いよね、って感じなんですけど
ムギナミの場合は、逆に普段ニコニコな分何を企んでるのか未知数で怖いって言うか。
その分次回以降が楽しみになる仕掛けでもあるかとは思うんですけど
いつか敵対する時が来るんだとしたらちょっと寂しいな。
今は調査員として行動してるっぽいけど、いつか本当に仲良くなれればいいな、と思いつつ。

にしても、早くもまどかが鴨川を守るヒロインに抜擢されちゃったかー。
あまりにも反応が楽観的過ぎて逆に可愛かったけど(笑)。
ウォクスに対する想い入れがそんなになさそうな所を観る限り、本当に守りたいのはこの町っていうか
地元だったり、その風景だったり、人々だったり・・・
そもそもジャージ部って活動自体
ある種の人助けメインな訳だから、理由とか動機はもう十分に揃ってるんですよね。
おまけに天然な性格が加わって、満を持しての宇宙規模ヒロイン。うん、いいじゃないですか。
取り合えずまどかが活躍している所をもっともっと観たいので(笑)。
これからも思う存分暴れてくれれば幸いでございます。
次週はロボットバトル有りかな。


ムギナミが「メモリア」と呼んでいた紋章は伝説に乗る為の資格、ってところでしょうか。
っていうかムギナミってとんでもない位置にあるんじゃないの?(笑)。
まあそれはともかく
敵さんの様子やら水面下で色々な要素が複雑に動いてるようで。
そして何気にサブキャラもナイスキャラ揃いですね。
水着のシーンで「止めてくれ!」とかスケベネタがいちいち面白かった(笑)。
まどかだけで引っ張っていくのも単調なんで
こうやってどんどんサブキャラが目立っていく構成は楽しいですね。観てて飽きないッス。
基本単純な話だと思うのに、こうやって水面下で動く部分を描写する事で深みを与えているのは見事。
後はそれらの要素が後半どんな風に開くかどうか、ですね。
百合方面も含めて大いに期待しています(笑)。
・・・一緒に暮らすみたいだしね!





しかしランがカナヅチで泳げるようになる!って宣言するのも中々良いですよね。
可愛いと思います。基本的にはまどか派ですけど。
それと「わんっ」っていうのは犬のように忠誠心が強いです、って性格の現われになってるのかも。多分。

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bloodthirsty butchers「未完成 LIVE」@渋谷WWW 12.1.27

2012-01-29 19:16:32 | ライブレポ





一昨日、HMV主催の企画「GET BACK SESSION」に行ってきました。ブッチャーズのワンマンです。




去年の秋、名盤レビューとして「未完成」の記事を書いたんですけど
その直後にこの企画が決まったのには驚いた。
と、同時に嬉しかった(笑)。
「灰色の雲」とか「僕」とか、今ではもう滅多にやらない曲が最新のブッチャーズで聴けるなんて・・・!
それだけでも行く価値はあったんですけど、ブッチャーズの映画を観て以降ライブに行けてないのもあって。
久々にあの楽器と楽器のぶつかり合いを堪能しに行こうかな、と。
ますますライブの価値が高まった感覚もある訳です。

「未完成」完全再現ライブ、アンコールで演奏された曲も全部その付近の曲ばかり。
という事で本当にブッチャーズをワクワクしながら聴いてた中学生の頃に戻れたような、
そんな純粋に楽しくて涙腺的にもグッと来る最高の夜でした。
真剣にこのバンドのファンで良かった、と思える確認の一夜でもあったと思います。感無量でした。




通常のライブであれば流れに沿ってレポートも書くんですけど
流れって言うかほぼ決まってますからね(笑)。曲順も雰囲気も。
いつもとは違う形で書いていきたいんですけど
そもそも私がブッチャーズを好きになったきっかけって元々オリコンかなんかの記事で最初に見て
「こんなバンドがいるんだ~」程度に感慨を持ってたんですけど
その後当時聴いてたラジオでブッチャーズがゲストに来ますよ、と。「ああ、あのバンドか」的な感覚で
しかも何故か船の上で電波も悪い中無理矢理聴いてた、ってシチュだったんですけど(笑)。
でも不思議と・・・
そんな荒波とかどんどん見知らぬ土地へ向かっていく不安定な気持ちと
ブッチャーズの音楽の不安定な部分が合致しまして
これ以上ないくらい素晴らしく響いて。
衝撃の音楽体験ってヤツです。
それからは、帰ってきてから近所のレコード店回ったり、取り寄せなんかもしたり・・・・・。虜でしたね。

んで、その時の衝撃とか鳥肌が立つような音のエッセンスが「灰色の雲」を演奏してる時にですね
ジャストで蘇って来たんですよ!元々大好きな曲だったけど、生で聴くと想像以上にもがいてた。
不安定だった。嵐の中を歩くような厳しさのある曲だった。
でも、それが何より良かった。
勇気になった。そんな中学生の頃の感覚を本気で呼び起こされるようなライブでした。
「うかつにも素直になれないさ」のぶっきらぼうだけど、心に沁みるサウンドの妙だったり
堂々と力込めて歌われた「未完成」の温もり、
雄大な雰囲気も感じられた「僕」の完成度の高さ。
正にあの日あの時聴いたブッチャーズの力強さ、心の揺れ動きの繊細さ、ストイックな音像・・・
全てが真剣にブラッシュアップされて蘇ったあの空間は何者にも代え難いカタルシスがあって至上でした。
「灰色の雲」はその中でも格別でしたが、ようやく自分のいる場所を再認識出来たかのような。
そんなハッとする感覚もあったりして、
本当にこの日聴けて良かったと改めてしみじみと。
この嬉しさは替えが効かないですね。自分の中で宝物にします。


ただ、個人的なハイライトとして更にその上を往った曲がありました。
それが今でも演奏される「プールサイド」。
この曲は以前のワンマンでも聴いているし、その時の演奏も前述の映画に入ってるので
そこまでの感慨深さはないかも、とか思ってたら
ここ一番の「プールサイド」でした。
後半で鳴らされるツインギターの美しさやひさ子さんのメランコリックを極めたようなギターフレーズ、
情感込めて鳴らされるベースのうねりだったり、小松さんのドラミングも完璧に衝動的で
最早これは芸術レベルなのでは?とか盲目的に思ってしまうくらいの、
そのくらいの美しさを含んだ「プールサイド」で、
観てる時の感動のレベルが個人的にヤバい事になってました。ほぼ最前の位置で観てたのもあって
思わず最中に涙がこぼれてしまいそうだった。
実際はその寸前で留まったんだけど、
その時の鮮烈な印象は絶対に忘れない、それくらい魂の籠もった熱演で。・・・素晴らしかったです。ほんと。

そんな青春の原風景を思い返しつつ、
最後は当然「」で締め、
この曲も応援歌シリーズで書いたなあ。一年前の記事だ。
それもあって相応に感情移入しつつ
決して馴れ合いでも合わせて行く訳でもない、ぶつかりあって調和する絶妙なアンサンブルも至福で
それぞれの楽器同士の真剣なせめぎ合いを見せてもらった感覚、これもまた超絶レベルで
プロの凄みと言うものを思い知らされました。

ブッチャーズのライブをここ数年改めて観ていて思ったのですが
小松さんのドラミングは凄すぎやしませんか。
身体が心配になるくらい激しくて
それでいてめっちゃテクニカルで。小松さんの動きを観てるだけで退屈しないレベル。
個々のメンバーの技量はむしろ年々高まってる印象で、ただ昔懐かしい、だけではなくて、
今のブッチャーズの力量や圧倒的な存在感を知らしめるような・・・
そんなライブでもあったんじゃないか、って感じました。
吉村さんは昔から自分の憧れでしたが
一心不乱に「良い音」を追求する姿は今も余裕で憧れだな、と。そんな事を思いましたね。


アンコールでは「△」のシングル版のカップリングだった2曲と「さよなら文鳥」、
そして「襟がゆれてる。」の計4曲を演奏、時間にして2時間の公演でした。
初めて聴けた「さよなら文鳥」の疾走感、
「ピンチ」のギリギリだけど、その中で光る明るい気持ちだったり
受け取るものも多かったんですが、
これまた以前のワンマンでも聴いた「時は終わる」があの時よりずっと精度がよく響いて来て
感情もありったけ吐き出された印象で本編と同じ位グッと来る仕様で。
なんかアンコールも絶品って凄くないか(笑)。
それくらい緊張感の度合い半端ないライブ。
人の入りもほぼ売り切れじゃね?ってくらい入ってて期待値の高いライブだったと思いますが
見事にその期待に応えまくったライブの出来に個人的に大拍手です!

ブッチャーズ好きなら絶対に観て欲しかったこの東阪のライブシリーズ、
正に歴史に刻まれるべき恍惚の一夜でした。
「また頑張るさ!」というのは吉村秀樹の言葉ですけど
伝説は未だ終わってない、しかもまだまだ続くよ、って感じで、ここからも絶対に期待していきますよ!って。
本当にありがとうございました!!




セトリ
1.ファウスト
2.ソレダケ
3.うかつにも素直になれないさ
4.灰色の雲
5.未完成
6.プールサイド
7.僕
8. サンカク
en
9.ピンチ
10.さよなら文鳥
11.時は終わる
en2
12.襟がゆれてる。




思い出を呼び起こして、更にその思い出以上のカタルシスを与えて・・・
想像以上に意義のあるライブであったと同時に
今のブッチャーズのポテンシャルも十二分に出し切れた出色のワンマンでした。
あの頃の自分が蘇ったのは勿論
これからの自分も絶対に好きなまま生きてくんだろうな、っていうのが容易に分かってね。
感動しすぎ!ってくらい感動しましたが、それくらい重要で大切な公演だったって事で。
やっぱり名盤でしたね。今も昔も。


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DOPING PANDAの個人的思い出の3曲~ドーピングパンダ解散に寄せて

2012-01-28 22:54:02 | 音楽





DOPING PANDAが解散を発表しました。




ええと、正直解散の時期としてはこれで合ってるのかな、という感じがします。
他の方の意見を見ていて同意したのが「空洞です」後のゆらゆら帝国みたいだ、ということ。
確かに「YELLOW FUNK」は大傑作だったし、今まででも最も最先端の音楽を作れた、という印象でしたが
同時にある種何かを極めてしまった感じもしていて
到達点でもあったんじゃないかなあ、って。
だからこそ、ここで解散という道を選ぶ事に関しては実は納得すらしているのだけど
ネックとなってしまうのがこのバンドの目標というか野心ですよね。
結局セールス的な革命は起こせなかった訳で
その点だとSTAnや椿屋みたいな志半ば、って感じがしてどうにも残念であります。
もっと言うと古川裕のキャラって言うかバンドの立ち位置的にユニークな一面が目立ったバンドなので
純粋に寂しいなあ、、、って思いも強いですね。
とはいえ、前述のように不思議と納得している自分もいるので、今は大人になろうかな、と。

ただ、一つだけハッキリしているのは「YELLOW FUNK」はバンドの壁を越えた傑作だったという事
セールスの伸び悩みとかが原因で解散したのではないんじゃないか、ということ。
実際どうなのかは分かりませんが、
個人的にはあれが現時点での最高傑作だと思ってるし、後々に評価されるタイプの作品だと思います。
だから、せめてあのアルバムだけでも正当に評価されればいいのに、と願わずにはいられません。
音楽ファンが大満足するようなアルバムではありましたが
どうにも不遇な印象が否めませんので。
取り合えず今思うのはそんなところですかね。最後の最後に名盤を届けてくれたのは本当に嬉しかったです。



個人的にDOPING PANDAについて思い入れのある曲が3曲あって。
いつも同じ企画ばかりでも芸がないので
ちょっとつらつら書こうと思います。

①Hi-Fi

メジャーデビュー盤のリードトラックですね。
今でもこの曲が真っ先に思い浮かぶんですが楽曲自体のキャッチーさによってではなく
実はこの曲が出た当時に初めて就職したんですよ。その時の「ミュージックスクエア」のED曲がこれでね。
毎日体力仕事で疲れて帰って来て、夜遅くにラジオ聴きながらリラックスしてて
この曲が最後に掛かると何かいつも良い気分になって。
何故良い気分になってたのか?って考えると
やっぱり繰り返しの単語だったり、メロディだったり、ビートだったり最大限に聴き手を気持ち良くさせる、
全力で気分を高揚させるようなフックを作るのが上手かったんだと思います。
この曲だったらアイラブユー、だけど
後々ではファイヤ、とかミラクル、だとか、コマイネーだとか
単純だけど耳に残る単語の選び方が秀逸でだからこそいつまでも耳に残ってる。
それはアルバム曲でもナッシン、とかモラリストだとかね。
その分かりやすさを洗練させる作業こそこの時期のドーパンの中で最も印象に残ってる部分で
中でも思い出補正と相俟ってやっぱり自分はこの曲が一番好きで。
近未来的な雰囲気の演出も上手かった。


②Beat Addiction

その「Hi-Fi」以降で最も新しさを感じたのがこの曲。
この時期は所謂過渡期というやつで
とにかく話題を集めて一気に売れたい、あるいは評価されたいっていう
そんなムードがビンビン伝わってきたんですけど
この曲ってそんなモードから、というより売れる/売れないの問題じゃなくてドーパン的に凄く新しくて。
唯一セールス狙いから除外されてる曲って言うか、純粋に音楽の面白さを追求出来てた曲って印象。
勿論この時期の他のシングルやその後のアルバムも好きだし聴くけど
この曲の一つ限界を打ち破った感じと言いますか
自らの声まで放棄して新しい音像に向かった感覚は今聴いても素晴らしいな、って思います。
基本ダンサブルですが神秘性なんかもあったりしてもっと評価されるべき曲かな、と。


③the anthem

で、最後のアルバムからこの曲です。
この曲は「YELLOW FUNK」の一曲目で実質リードチューンなんですが
音が今までと全然違うというか
異様にシックだし落ち着いてるし、でもメロディはきちんとドーパンだしっていう
ある種新次元に突入したかのような、良い意味で変わりすぎって印象で面白かったんですけど。
ここまで緊張感のあるダンス・ミュージックのアルバムは初めて聴いたかもしれない。
取り分けこの曲はその中でも鮮烈な存在感を放っていて
この一曲だけでこのアルバムの世界観に引き込むには十分とも言うべき楽曲として成り立っていて。
今でもこの曲を初めて聴いた時の感触は忘れられません。
新しい扉が開けたような新鮮な感覚。
しかし同時に「空洞です」よろしくこの作品の後に何やるの?的な印象もまた拭えなかった訳で。
最後に収録されている「the miracle」が今聴くと本当にラストチューンに聴こえてくるから不思議なものです。


「気づいてるんだよ
 もし力つきて倒れたって
 どっちみち英雄になれるってことを」 (the miracle)





バンドが終わる、という事は完結するって意味合いにも取れるから
むしろ本当に評価されるとしたらここからでしょう。
個人的には「YELLOW FUNK」こそ評価されるべき作品って思いますが
ベストにせよ何にせよこのバンドがして来た事は確実に意味のある、意義のあることだったと思います。
AIR JAM以降の新しいパンク・メロコアシーンを切り開いた一角にこのバンドも位置するでしょう。
売れなくなったから解散って捉われる事がファンにとっては恐ろしい事ではありますが
個人的な考えではありますがこの記事で少しでも本質が伝われば。
ラストライブも頑張って行きたいところですね。
最近はあんまり解散ライブをやらない風潮もあるけど、やっぱり最後くらい見送らせてよって気持ちあるので。

しかし、椿屋やドーパンとかが解散って世代交代って単語がどうしても頭を過ぎってしまう。
同時にメンバーの今後の動向にも大いに注目しています。


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