超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

あっちこっち 第7話「山だ!川だ!⇔バーベキュー!」 感想

2012-05-18 04:06:36 | アニメ






幸せすぎて胸がいっぱいです。





このアニメ、所謂美少女系の日常兼ラブコメって体裁の作品だと思うんですけど
やってる事と言えば美少年に憧れる女の子って内容がもうほとんどになってるわけで
ぶっちゃけそれだけでもうある程度新鮮だと思える訳ですよ。
美少女のご機嫌を取る男子~って方向性はもうそこらじゅうに転がってて、それはそれで良いものですけど
でも女子も女子で色々妄想も想像も期待もしちゃってるんだよ~っていうのがこの作品の本質の一つで
もうそれを観れるだけで有り難いっていうか
なんか幸せでいいなあって気分になれるんですよね。
そんで、伊御って男がそういう扱いを受けるに足り得てる雰囲気を持ってる人だから。
だから、派生のようでいてその実物凄いユニークで記名性のある日常アニメだなあ、とは思います。
その上ネタの一つ一つが面白いんだからもう言う事もないねってくらいに好き!
理屈じゃなく感覚で思いっきり楽しめる類のアニメだと思いますね。
気付けばトップクラスにワクワクして観てる作品に。


う~ん、冒頭から京葉線のホームの描写とか・・・京葉線のヘビーユーザーなのでたまらないですな(笑)。
まあそれはさておき女の子に対して5tって言う榊と玉葱をぶっ掛ける女子たちにまず笑いました。
その発想はなかったわ・・・っていうか何気に物凄く失礼な奴だよな。
その反動が後半の花火攻めだったのかもしれない(笑)。
あれパッと見榊いじめに見えるかもしれないけど、勝手に花火が飛んで行ってるだけだから。
普通の日常アニメよりもネタの自由度の高い「あっちこっち」はやっぱり一つ飛びぬけてるんじゃないかな、と。

一方で、今回も今回で身体を張って調子に乗る真宵の描写も逐一面白かった。
丸太の橋に乗っかるパートは予想通りのオチに笑ったし
珍しく姫にぶっ飛ばされるシーンもある意味凄く印象に残ってくれて良かった(笑)。
流石に妊婦扱いは温厚な姫ちゃんでも許せなかったかー。でもそんな真宵の勇気は十分に伝わったシーンで。
そもそもそんな勇気は要らないとは思うけど。一本釣りとか女芸人の域ですよね。もはや。


で、やっぱり伊御とつみきの一連のシーンが個人的に好きなんですけど
なんでしょうね・・・決して不幸設定も切なさを強調している訳でもないのに
観てると不思議とグッと来る節があるんですよね。その「幸せ」に泣きそうな気持ちになるっていうのか
女の子のいじらしさやドキドキ、相手を求める気持ちがきれいに過不足なく表現されていて・・・
寒い中で延々と待っていた一話からそうでしたけど
今回も今回で電車の窓から脱出した伊御に対して、「女の子を一人にさせておけないからきたの?」って
そういう自分を守って欲しい気持ちの表れの言葉だとか繊細な感情表現が素晴らしくて
その後の河辺でのお昼寝のシーンとか、
髪をドライヤーで乾かしてもらうシーンだとかは
ニヨニヨアニメのキャッチコピーに恥じないレベルのニヤニヤ感で
正につみきが一人の恋する少女で堂々といられた至福の時間だったと思います・・・。
この作品は女子の変態性を描いているのが他と違ってユーモラスな部分ではありますよね。
なんつーか、そういうのって逆に新鮮で微笑ましいっていうのが持論なので。
そんな方向性のネタばっかで大満足の一話でしたね。

勿論、日常ネタも冴えてました。焼肉ネタのリズムの話も線香花火も
榊が良い具合にオチというか損な役割を負ってくれてるなあっていうか、
ある意味陰の功労者的な立ち位置で(笑)。
伊御くんは伊御くんでペン回しならぬ線香花火回し、、、っていうか普通に危険な行為だ(笑)。
そして最後の嫌になるくらいのキザセリフで女子達を落とす伊御の破壊力!
このネタもはやこの作品の様式美になってて良い感じですね。
それに、伊御だったらなんとなく許される感じもありますしね。それにしても、
瞬間の美しさを語るシーンも何気に良かったと思う。瞬間っていうのはある種永遠でもありますからね。
割と最初から最後まで適度にいいネタが詰まっていて退屈しなかった7話目でした。やっぱり好きだわあ。







個人的に伊御の「母さん・・・」ってセリフは流石にキュンと来ました(笑)。
でも、言っちゃえば伊御自体が面倒見の良い母親みたいなものだとも思いますけど。
そんな彼は時折仏さまのようにも見えてきちゃって、
普通覗きイベント発生必須な時間帯に見張り役を請け負うその聖人っぷりにも痺れたお話でした。
いくら榊でも、伊御の心は動かせなかった感じ。でも「スペクタクル」って感覚は確かに理解出来ますが。



さんかれあ 第7話「おさな…なじみ…」 感想

2012-05-18 03:00:33 | アニメ






今も昔も。





蘭子にとっての敵、ライバルって昔から一人で「ゾンビ」だと思うんです。自分という女の子がいるのに
ゾンビ映画ばっかり観て、ゾンビ系の雑誌ばっかり読んで、千紘の目に彼女は映ってなくて。
それでも肝心な時にはいつも助けてくれるって感じで惚れたんだろうけど
でもあの年代の好きって気持ちって今よりもずっとシンプルですよね。大人になると、
好きって思う前に条件相性云々で考え込んじゃって素直に好きって気分にはなれなくなるから。
だからこそ、子供の時の気持ちっていうのは純粋だし大切なものなんだと思う。
一切打算のない純粋な恋愛感情、側に居たいっていう気持ち。

ところが、大人になってある程度分別が付いた年頃になったにも関わらず
ここでまた彼女にとってのライバルが登場してしまうんですよね。それが礼弥だった訳なんですけど。
大人になればゾンビっ子とキスしたいなんて夢は自ずと覚めていく年頃ですが
その夢が現実のものになってしまった、
更に言えば今の千紘がその夢を維持する為に頑張って努力もしている方向性なので
そう考えるとある種のモラトリアムのお話って捉え方も出来そうですけど
でも、彼女がもしいつか本当に朽ちてしまったとしても、そこに付随する想いは残る訳で
約束された未来だとか自分にとって都合の良い結末に辿り着く確率は相変わらず低いままで
今も昔も「ゾンビ」という概念と存在は半永久的に彼女を悩ます種になってるんだけど。


蘭子が千紘を好きになった理由の一つ・・・まあそんな理由なんて求めるもんじゃないと思うけど
やっぱりそんな「振り向いて欲しい」「振り向かせたい」って思いや感情も往々にしてある気がして。
一つの意地って言うか、彼女の人生に於ける一つのテーマでもありますよね。
あそこまで諦めだとか意地が悪いと。
でも、いくら礼弥を本当の意味で幸せに出来るのは千紘だけだって思っていても
蘭子は蘭子で千紘を振り向かせる、相手から好きになってもらうっていうのが目標の一つなのは明らかなので
そう考えると蘭子も蘭子でこの物語でくっ付くに値する存在理由のあるキャラだなあ・・・とか思えて。
でも、単純に意地云々以上に純粋な気持ちも当然の如く付随はしているだろうし
生半可な描写じゃ感情移入の隙間すら開かないだろうって思ってたけど
今週観てたら普通に蘭子に感情移入してる自分もいたりなんかしてね。その辺はすっごく上手いなっていうか
やっぱ丁寧な作品だなあ、って実直に思いましたね。丁寧過ぎるのでまどろっこしさも感じるかも
でも詰め込みすぎて破綻するよりはスローペースでも丁寧な作品のが好きなのだ。
キャラの掘り下げに関しては定評のあるアニメなだけに
個人的には相当に気持ち良く作品世界に浸る事の出来たお話でした。それでも諦めない蘭子が好きです。
届かなくても、伝わらなくても、精一杯気付けしてノックし続けるその姿勢に勇気を貰える。
って思うと彼女も彼女でまた逞しいキャラなんですよね。
これでダブルヒロインの魅力のバランスが整った気がしてその意味でも良かったですね。

それにしても子供時代の千紘って普通に可愛いね(笑)。
今現在のスレっぷりが嘘のように無邪気で含みの無い表情の数々
その幼少時代の描写もいちいち洗練されてて本当に良かった・・・!
言い過ぎかもしれませんが、日本のアニメを好きでいて得したなって思いました。
こんな素敵で心のこもったお話を観れるのだから。面白かった。







じゃじゃ馬や野次を受け流す千紘にいちいち反応するのも、
それもまた「自分を見て欲しい」っていうサインなんでしょうね。
画面からそれが伝わって来る秀逸な一話でした。絶品。