超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

あっちこっち 第6話「プールとYシャツと⇔宿題」 感想

2012-05-11 03:28:38 | アニメ





違和感のないハーレム。






普通、男1人と3人の女子が一緒にいれば、皆から好かれているならば
「なぜこいつがこんなに!?」ってなるのがラブコメの様式美だと思うんですが
「あっちこっち」の場合、むしろ「ですよねー」って言いたくなるのが凄いっていうかユニークな部分で(笑)。
まったりとかほのぼのって形容も間違ってないし観てると平和な気分になって癒されもするけど
実はちょいちょいクレイジーさも漂っている作風だと思うんですね。それと毒も。
今回はそんなこの作品ならではの描写が多かった印象なので
通常以上に満足度の高い傑作回でした。
最初から最後まで隙間なく面白かった感覚ですね。

何が一番面白かったかっていうと・・・つみき達が伊御のシャツの匂いに顔をうずめてるところ、かな(笑)。
例えば男子が女子の制服とか下着云々だったら、ある意味仕方ないよねーって済まされますが
逆だと凄く生々しい感じがして引かれちゃうケースもあると思うんですけど。
でも、「あっちこっち」の場合は
むしろそれやった方が面白いし、可愛いなあって感じられるという何とも不思議な構造なんですよね。
それはなんでかって言うと、つみきの場合は最初からデレデレで、伊御の登校を早くから待ったり
彼の側にいつも居たいって気持ちをちょいちょい露にしてくれてるんで
それもあって素直に可愛く面白く観れるし、和むし、イラ壁状態にも普通になるし(笑)。
そんな積み重ねのキャラ描写がより活きて来たなと感じた今回
伊御のナチュラルな格好良さにも磨きが掛かって来て
その意味でも嬉しかった至福の6話でした。


その伊御くんなんですけど、随分と人間らしく、肉付けされて来ましたよね。
今まではハンサムな朴念仁的な立ち位置だったんですけど、今回はつみきの下着にデレたり
真宵の不真面目さに珍しくイライラしてる様子を垣間見せたり
いつも以上に表情豊かな彼になっていて。
でも、ぶっちゃけそういう部分があった方がより人間らしくてある意味好感度も上がる物だと思うし。
元々伊御は最初からナチュラルボーンハンサムでしたけど、今回のでより説得力は増した気が。
特に下着に恥ずかしがるのにはギャップ的な意味合いでもグッジョブ!って感じで
その後の勉強会の様子とかみんなと話してる様子を観ても
本当にみんなの世話役みたいで・・・
こりゃ、こいつがモテなかったら嘘だな、と(笑)。本気で思える雰囲気が生まれてたのが素敵でした。
そういう描写の細かさやゲーム的な演出の面白さなど見所だらけのお話で
何気に基本日常ものなのに観ていて時間過ぎるの早いんですよね。それもまた凄いと思うけど。

後は、アクションネタとか突飛なネタが普通に笑えるのも大きいですね。
つみきの回転モップとか、タワシに榊さんだとかほのぼのの中にもスパイスがある感じ
先生に差し入れのネタもどんどん過剰になる描き方が面白かったり(笑)。
プール掃除にスイカを持って冷やしてるネタとか
普通に羨ましくも思ったり
雨の帰り道で男の伊御でなく女のつみきの方が送り狼疑いを掛けられてるのとか正にこのアニメならでは。
って思うし今週は本当にネタの宝庫で退屈しなかったですね。後個人的に笑ったのは
よくある「天使と悪魔」ネタの天使が姫で悪魔が真宵だった事ですね。
確かにいたずらっ子ですけど、それでも悪魔扱いって何気に酷くないですか(笑)。
普通に二人ともつみきにしときゃいいのに、とも思いましたが、それもまた小さな毒の一つ
上手い具合にまったりほのぼのと毒スパイスが混ざり合ってるのがこのアニメの秀逸な部分でもあるんだな、と。
そんな風に細かい良い部分がいっぱい自然に見つかる辺り実にスムーズな回だったんだなって。
それにしても榊居ない方が割としっくり来たのは内緒です(笑)。






今回から夏服になった、という事でいつも以上に爽やかで気持ち良い空気感も存在してましたね。
段々と伊御のツッコミ/存在感も冴えてきてその意味でも見応えのある第6話でした。
それにしても、伊御と姫ちゃんって組み合わせも案外悪くないよね。
予想通り傘を忘れるその裏切らなさもまた(ある意味)素敵な今週の姫ちゃんに乾杯!




さんかれあ 第6話「あなたに…出会えたから」 感想

2012-05-11 02:49:52 | アニメ





萌えシチュからの卒業。





千紘はこれまで「死んだ女の子」っていう属性に夢中になってた訳ですけど
いざ蓋を開けてみたら・・・むしろ理想とは逆に寂しくなる一方っていう現実があって
それって一つの成長だったり大人の階段をのぼったって事だと思うんですよね。
実際に死んだ女の子を眺めていたら
過ごしていたら
自分とは違う存在に、ずっと一緒にいれないっていう事実に困惑して動揺して、寂しくなって・・・
萌えシチュエーションどころかリアルに憂鬱になるくらいに救われない感情と報われない顛末が待っていて
当初のバカみたいに明るい千紘は今はもういない訳ですけど、でもその分・・・
一緒にいて、一緒に笑って、服も着替えもよく考えて
普通の恋人みたいに街を歩いているだけで少し満たされている彼女がそこにいて。
本人はずっと悩んでるけど、その実礼弥も礼弥で少しずつ希望は叶い始めてるとも思える仕掛けで
そんな微笑ましいラブコメ模様と共に、切なさも十分に垣間見れるような
センチメンタルなコメディ回でした。
今回は礼弥の体は永久にはもたないって事が明かされた重要回でもあった訳で
ますます悲劇的なオチしか浮かばないんですけど、だからこそ「これからをどう過ごすのか?」っていうのが重要で
その辺の描写や変遷に大いに期待したくなるような良回であり、感情に作用するおセンチ回でもあり
観ていて寂しい気分にもなったけど
でもその中で笑い喜ぶ彼女の笑顔にも嬉しさをもらったような。
ある意味では死を求める事に対してのアンチテーゼにもなってる構造の作品なのかも。


一方で、蘭子さんとの確執・・・っていうか三角関係も生まれ始めましたね。
予定調和といえば予定調和なんですが、それでも複雑そうな彼女の表情は印象的で
しかも次回は蘭子回が来る!って事で関係も加速しそうで楽しみです(笑)。
その辺はバックボーン待ちなんですけど
ただ一つ個人的に思うのは、礼弥を幸せに、救ってあげられるのって正直千紘くらいしかいないので。
ゾンビ以外のものに夢中になってる、って言われた時彼心の中でツッコミましたが
本質的には礼弥を生きた人間として扱いたいって考えている訳なので、
結局その言葉は正しいと思うんですよ。
それまでゾンビゾンビうるさかった彼が、今やむしろアンチゾンビ的な視点で彼女を観ているっていうのは
初期と比べて真逆で面白いなあって思うのと同時に、彼の心身の成長も感じさせてくれて。
それらを考慮してしまうと
彼女の介入って他のラブコメと比べても随分厳しそうだ。
でも、だからこそグッと来るエピソードに期待してしまうのだけれど(笑)。
丁寧な展開に、正しく少年誌的な成長も垣間見れて
派手さはないけれど良いエピソードだったと思います。何気に、キスした/してないの描写が良かった。
ああいうのは普通に設定を忘れてニヤニヤしてしまいますね(笑)。更なる盛り上がりにも期待をしつつ。






しかし、礼弥は本当に不安定に描かれていますねえ。
時折ゾッとするあたり、何気に手加減のない作風だと思う。