超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

kocorono全曲レビュー その1「2月」

2010-02-28 23:53:51 | kocorono全曲レビュー


これは完全版がリリースされると決まった時からやろうと思っていたんですが、
bloodthirsty butchersの「kocorono」を全曲レビューしようと思います。
それも毎月。
月一で。

何故かというと、この作品は完全なコンセプト・アルバムで曲目が全部月の名前なんですよね。
2月~12月まで全11曲入っていて。
で、来月10日に出る完全版でオリジナル版には今まで未収録だった「1月」が入るという事で。
良い機会なんで、是非シリーズでやろうかと。

去年「Ghost Apple」全曲レビューと称して、月曜日から日曜日まで一曲ずつレビューをやったことがありましたが、
(あれ個人的にやってて面白かったです。自分だけかもしれませんが)
それのパワーアップ版みたいなものです。

という訳で今回は「2月」。
このシリーズは不定期ではなく毎月の月末に決まって更新するつもりです。



冒頭の一曲。
この曲はドラミングが独特で、馬が駆けて行くような、パカッとした感じでリズムが刻まれるのがミソ。
それに吉村秀樹の虚ろなボーカルが合わさって
何ともいえない雰囲気の楽曲に仕上がっています。
今でこそこういう楽曲って若手オルタナバンドでよく聴かれると思うんですけど
ある意味それの先駆者的楽曲、または存在ですかね。バンド自体が。

と、いっても私がこのアルバムを初めて聴いたのはリリースされてから数年後の2000年ごろだったと思うんで
この記述が確かなものなのかは定かではないですね(笑)。
勝手に思っているだけで。当時を経験してないわけですし。
ただやっぱりこういう白黒がはっきりしてない感じ、
曖昧な感じっていうのは今の若手にも受け継がれてると思うんですよね。それこそ前述のPeopleとかね。
 それを考えるとこのアルバムを象徴する「2月」って楽曲の存在感は大きいんじゃないかと思います。
なんせ一番盛り上がらないのがサビですからね。
普通逆でしょ、っていう。
こんな構成してたら普通売れないわ。
それでも自分はこの曲に流れる虚ろな感じ、行く宛てもなくフラフラしている感じがとても好きなのです。



「できすぎの姿に あこがれもなく」

この部分は後々の「未完成」に繋がる部分とも思えますね。そして何気に核心を突く良い詞。


「なぐさめ合うわけでもないし ただ夜もぼくも一人で ブルーにつつまれる」

ここの部分、サビなのにかなりトーン落として歌ってるから非常に盛り下がるんですが、
その分じっくり聴きこめる感じがとてもブッチャーズらしいと思います。
基本キャッチーさを重視してないバンドですからね。



2月っていうのは冬篭りというか、なんとなく寂しい季節なのかな、って思いますね。
丁度高校3年の時なんかにこの時期はずっと自宅待機だった訳で
これから自分はどうなるんだろうか、なんて漠然とした不安を抱いていた事を思い出した。
子供じゃいられなくなる怖さ。

「今を生き抜くために」って詞も、その時期にはピッタリなんじゃないかと思います。



という訳で「2月」、でした。では来月「3月」に、また。





津波警報

2010-02-28 23:10:12 | 日記

津波の所為でえらい目に遭った・・・。
車内5時間缶詰状態で、退屈で死にそうになるわ、酔うわ。あやうく憤死するところだった。

2月の終わりは散々だった。

と言う訳でこれからそんな2月にまつわる曲についての更新をします・・・。それにしてもマジで気持ち悪い。



bloodthirsty butchers@Shibuya O-nest 10.2.26

2010-02-27 12:44:57 | ライブレポ


昨日は雨の中ブッチャーズ久々のワンマンへ。
久々という事もあってチケットはソールドアウト。満員の中での参加でしたが
ご存知の通りブッチャーズファンは紳士が多いので非常に落ち着いて観れました(笑)。
こういうのが自分には一番合ってるかもしれないね。
APOGEEとかTHE NOVEMBERS、OGREもそうだけど。
 あと外人の方が結構多かった。


入り口付近では新曲のPVと楽曲が流れていました。「ocean」。すでに口ずさめるレベル。




「満員御礼あざーす!」という吉村秀樹の挨拶と共に新曲「フランジングサン」。
ゆったりとボートを漕ぐようなアンサンブルに
「フランジングサン~」というサビの決めフレーズがアクセントになっている非常に彼ららしい楽曲。
一曲目にはぴったりな感じ。

その後の「襟がゆれてる。」と比べても全然色褪せてないメロディ。
てかいきなり古い曲来てビックリ(笑)。
しかも今日も小松さんのドラミングが尋常じゃないレベルで。
小松さんはもっと超絶ドラマーとして評価されてもいい気がする。
小松さんの動きを見てるだけでも面白いです。

そこから新曲「散文とブルース」。これがまたグッと揺さぶられるような切実さが前面に出た楽曲。
サビのフレーズが非常にシンプルで良い。
ちょっと覚えてないけれど。

もう一つ新曲をやってから(これも軽快な感じで良かった)、
新曲「ノイズ」も披露。ここまでの新曲の傾向を考えると、結構じっくりと聴く曲が多いような。
良い意味でいかついというか、ゴツゴツしてるというか。
次のアルバムはガッツリと聴けるものになりそうな。


んで中盤からは懐かしの名曲も披露、「プールサイド」はイントロ鳴っただけで歓声が上がるほど人気!
メランコリックなメロディと爆音の調和が何ともいえない感情を引き起こす。
懐かしいような、でも今にも通じるような。
 ついでに言えばこの曲個人的に大好きだったんで、それも嬉しくもあり。
向井秀徳がカバーしてたのも良かったなあ。

そこから「ALLIGATOR」で上がり調子に。
続く「Dischordman」といい、中々に面白い選曲だなあと思いつつ。
アリゲーターは、ここでも小松さんのドラムがちょっとヤバすぎた。
もう職人芸としか言い様のない繊細かつダイナミックなドラミング。叩き方。
一瞬バッサリ止めてからバシバシと畳み掛けて叩く部分は観ててちょっと感動するくらい格好良かった。


ここからライブも後半戦へ。
MCで「真央ちゃんの分まで頑張ります!」とタイムリーな宣言をする田渕ひさ子。
この人いつ観てもスッキリした顔立ちしてるなあ。いつまでも若い感じがする。
 「この物販のTシャツ、完全に「ターミネター」のパクリだから。完全にパクってるから!」
と何故かパクってるという部分を強調して話す吉村秀樹。この日はずっと鼻をすすってました。
「ターミネーター~」の下りはもしかして2だったかもしれない。うろ覚えですいません。

ここから再び新曲披露。
タイトル分かんなかったけど、これがメンバーみんな楽しそうに演奏してて
特に吉村秀樹の顔が演奏してる最中にみるみる変わっていくパートがあって、
鬼のような表情になったかと思えばいきなり大笑いしてるような表情になったりと
色々と驚かされる立ち振る舞いだったのが印象的。

もう一つ新曲、「幼少」。
これはメロの強さが前面に出てたかな?
個人的にはブッチャーズの新曲でタイトルが「幼少」、ってだけでもグッと来る部分があったり。
だってピッタリだと思うから。音楽性的に。

田渕ひさ子と良い具合にデュエットする「アハハン」は明るさが前に前に出ていて
この日のライブの中でも一番賑やかだったのでは。
「僕らの人生は続く」と吉村秀樹に歌われると、言葉以上の深さがあるなと。曲調は明るいんだけどね。

最後は新曲「ocean」で締め。
入り口で既に一度聴いていたので他の新曲よりも素直に乗れた。
メロディーラインが王道のブッチャーズという感じで、これまた素直に気持ちいい楽曲です。
「オーシャンが~♪」って脳内でリフレインしてしまう。


アンコールがこれまた濃ゆい内容で。
MCで「最近色々インタビュー受けてるので良かったら読んでみて下さい。
それ読んだら「無題」がどうして出来たのとか、よく分かるはず。「kocorono」の事も語ってます」
と言った後、その「kocorono」から2曲披露。
「12月」と「2月」だったんですが、
今聴いてもこれらのリズム感は独特なものだったんだなー、って思いつつ。
今でこそブッチャーズっぽさを髣髴とさせるバンド一杯入るけど
当時は「2月」なんてかなり新しい楽曲として響いてたんじゃないかと思う。
そんな事を思いつつじっくりと聴き入る。
ここでもこまっちゃんのドラムが最高。

「ギタリストを殺さないで」は、逆に演奏よりも吉村秀樹の歌が印象に残った。
あの頃聴いてたよりも随分ストレートな歌いなったような。
こういうの聴いてるとやっぱりブッチャーズは日本人ならではのバンドなんだなあ、って思う。
オルタナだしエモだけど、きちんと郷愁感と歌心がある感じが。


2回目のアンコールにも応えて、
これ個人的に一番テンション上がったんだけど、「JACK NICOLSON」!
この曲去年からずっとヘビロテしてた曲だし
当時よりも曲の価値が分かってきたところだったので
このタイミングで鳴らしてくれたことは私的にとても嬉しかった。
やっぱこの曲、相当の名曲だわ。
この曲もイントロの時点で歓声大きかったけど、やっぱ人気曲なんだろうな。
2回目のアンコールということでメンバーの演奏も熱い熱い!

しかしそれ以上に振り絞って演奏してたのが最後の最後、「時が止まる」。
もうあまりに音が厚すぎてトリップしてしまうぐらいのカタルシス、迫力。
でっかい音の塊をひたすらに投げつけられている感じ。
それを投げつけているメンバー達は、正に大樹のような感じ。
最後の最後でまたも最高沸点更新して大盛況の中ライブは終了。全17曲、2時間弱の公演でした。



総評としては、まず単純に新作のモードが垣間見れるライブでした。
結構「ブッチャーズっぽさ」というか
「ブッチャーズってこうなんだよ」ってのを提示していた新曲群だったような。気がする。
ライブで聴く限りでは。
音源で聴いたらまた違った感触もあるだろうけれど。
中でも「ocean」が一番キャッチーな感じかな?

もう一つ思ったのは、新曲多目のライブでも旧曲が違和感なく溶け込んでいるというか
端的に言うと表現の変わってなさを味わったというか。
「襟がゆれてる。」とか「Dischordman」とか、正にそう。
演奏も職人的な格好良さがありますが、楽曲に関してもブッチャーズ節一筋、オルタナ一筋みたいな
そういったこだわりを強く感じられる、そういうライブでもあったと思う。
何よりもプロとはこうである!ってことを強烈に。


そんなブッチャ-ズの新譜は3月10日発売。正しく「ロック」な作品に仕上がっているはず。
心して聴きたいと思う。


最後にセトリ
1.フランジングサン
2.襟がゆれてる。
3.散文とブルース
4.新曲
5.ノイズ
6.プールサイド
7.ALLIGATOR
8.Dischordman
9.新曲
10.幼少
11.アハハン
12.ocean
encore
13.12月
14.2月
15.ギタリストを殺さないで
encore
16.JACK NICOLSON
17.時が止まる

新曲と表記している曲は、多分新譜からだと思われます。


にしても帰ってからピープルとかノベンバを聴いてたら、やっぱブッチャーズに影響受けた部分あるのかな、
ってふと考えてしまった。
年齢的にも世代なんだろうなあ。勝手な推測だけど。
でもそう思えるのってなんだか嬉しいな。遺伝子が受け継がれているようで。




おおかみかくし 第8話「錯綜」 感想

2010-02-26 02:39:12 | アニメ

今週の「おおかみかくし」の感想。

いよいよ物語りも大詰め、今週はその中でも台風の目的な、
これから始まる大きな出来事の予兆を中心に描いている気がしました。
ってかあそこで終わるのはちょっとズルいですね(笑)。引き逃げだ!


さて、今週も微妙に謎の一部一部が解けて行きました。自分が分かった、予想しえる範囲だと
・神人=人狼
・眠も五十鈴たちと同じく人狼
・博士は「蜜」と呼ばれる種族(?)で、人狼的には邪魔な存在、ってか無意識に誘惑してしまう存在?
・かなめはそれとは違うのか
・眠がリーダー格を下ろされてしまいましたが、下ろされると何か変化があったりするんだろうか。
通常の人狼と同じ様になるとか?赤い月に対する抵抗がなくなる又は弱くなるとか。
眠が今まで影響受けなかったのはそのせいもあるのかなあ。
あ、でもそれはあの仮面のお陰なのか。
 う~ん元々予想苦手なんで思いつくのがこんなんばっかでスイマセン(汗)。


眠が話の中心でしたが、眠自身は仕方なくやっているというか
あんまり自身のやっている行動に乗り気ではないみたいでしたね。
犠牲者は最小限に抑えておきたい、ってところでしょうか。
その所為でまんまと賢木の罠にハマってしまった彼女と、その囮になってしまった博士の運命は如何に。
先週今週とナーバスモードに入っていた彼でしたが、そろそろ活躍出来るかな。
今週は「眠に助けてもらった~」と余計な事を口走ってしまって利用されてしまいましたが。

あと何気に観てて思ったんですけど、衝動を抑えきれずに人狼化してキスしてしまったものだけが
処罰を受けるんだと思ってたんですけど
「蜜」と呼ばれる博士側の人間たちも処分するみたいな雰囲気にもなっていましたね。
今までははっさくか何かの力で抑えてきたけれど、今年はそれらが不足の為、止む無くって感じかなあ。
 人狼化してしまう根本から絶つ!みたいな。単なる予想ですけど。
何にせよますます物騒になりそうで非常に怖い!
けどある種のドキドキ感もあってやはり見逃せない面白さがありますね。

それにしても今週も五十鈴ちゃん出番なしかあ。やっぱ寂しいね。早めに戻ってきて欲しい。
そしてバイオリンのお姉さんは一体どうなってしまうんだろう。てか一体何者?見当つかないな・・・。
いけにえ的な人物とか?



と言う訳で今週も謎多き1話でしたが、来週以降話が大きく動いてきそうな予感を煽る、そういう8話でした。
眠と賢木のアクションシーンも何気に気合入ってて面白かった。
 それと眠の計らいで無事に牢屋を脱出出来たかなめ。その後家に籠もって調べ物をしてましたが
彼女も後半になって活躍してくれそうですね。
他にも眠が所属している集団で彼女を引きずり下ろした悪そうな男や
相変わらず新型カプセルの事について眠の父と話している男のことも気になる。
そんな中、いよいよ核心が描かれそうで来週が特に楽しみですね。


しかしこの流れでハッピーエンドは若干キツそうだ。どうなるか。



んぐるわ会報3巻読了!

2010-02-25 22:47:01 | 漫画(新作)

「んぐるわ会報」の3巻読んだ。 で、めちゃくちゃ面白かった。
でも、面白かったのもあるけれど、それ以上になんか感動した。けど、面白かったとも思うし。
要は凄く良かったという事です。
毎回絶賛してるけど、
毎回絶賛できるようなクオリティに仕上げてくれることが凄く嬉しい。
なんつーか、毎巻ハマってんなあ。
この作者と波長合うのかもしんない。でもそれだけでもないと思うし。

読んでて一番思ったのは、みんな青春してるなあということなんだけれども
その「青春」がいかにも、って形じゃなくて
さりげなく、そこはかとなく伝わってくる感じが非常に自分好みで。
それメインじゃないというか
その周りの細かい部分を丁寧に描いていくことによって、青春が浮き彫りになっていく、そういう感覚。
これは出そうと思っても中々出せるもんじゃない。
自分の漫画経験が浅いだけかもしんないけど、「んぐるわ会報」みたいな漫画ってあんまり読んだ事ないかもしんない。
近いのはあるけれど、どこかリアル過ぎたり、どこか記号的な部分が目立っていたり。
でも「んぐるわ会報」はそれを上手い形で両立しているというか。
その両立のさせ方のスキルがどんどん上がっていっている感じかなあ。



とにかくこの作品は今現在絶対支持!
つーわけで近々全話レビューUPする予定。正直ツッコミたいこと多すぎ。ああでも冗長にならないようにせねば。


ちなみに最初は会長が一番好きだったのに、2巻の幼稚園の話以降、里見が一番好きなキャラになってしまった。
ここまで等身大のキャラって中々いないような気もしてたり。
普通っぽさが逆に良い、っていうか。