ランクヘッド「青に染まる白」全曲レビューその6「群青の降る夜」です。
6.群青の降る夜
人間には血筋っていうものがありますけど、ただ単に自分だけの命のように思えて
そこに「至るまで」には様々な事柄やドラマがあったと思うんですよね。
むかしむかしのまだ何もなかった時代から、
今現在2012年に至るまで受け継がれてきた命のバトン
20年以上の年月を過ごせば分かるとは思うんですけど、生きるのって苦しいし辛いしスパイスだらけで
絶対的に悲しみや憎しみの方が先に立ってしまうものだと個人的に思ってるんですけど
そんな人生ってやつを最後の最後まで全うして、
その上で更に他の誰かの人生もむかしの血筋の方々は作り出してくれた訳で
その線の上に点として自分が立ってるんだと思うと・・・何だか自分だけの命って言うのもおこがましい気が。
一体どれだけの人が頑張って苦しんで、それでもほんのちょっとの喜びを掴んで
時には涙に濡れて、歩くのすら躊躇うほどに傷付いて、でもそれでも立ち上がって来たんでしょうね。
それを考えると、自分が自ら命を絶つって事はその人らの想いも踏み躙る事だから
そう考えると、まだまだ終われないな、このままじゃ終われないな、って。
今の時代を生きる代表の血筋として、
また自分も誰かにバトンを託してみたい。この世界を見てもらいたい、生きてもらいたい。
そんな高尚な、でも大事でもある考えを想起させてくれるようなナンバー
でもそれを押し付けがましく言うのではなく
ただただその様子を描いて、その答え自体は聴き手に託しているようなそのニュートラルな感覚もまた好みで。
「長い」を繰り返すサビの演出も印象的ですが、A~Bメロの純度の高さも好きですね。古き良き歌謡曲の匂いが。
【物語は 続いていく】
でも、最後のこのワンフレーズに意図だったり意志が託されているようにも思えます。
そこにある、だけじゃなくてそこで続いていく、まだこの先があるっていうこと。
・・・続けてみせようじゃねえか、って思えますね。見てろよ、と。