超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

大発見/東京事変

2011-06-30 07:00:48 | 音楽





東京事変のニューアルバム「大発見」を聴いた。





これは非常に面白い・・・面白いというか新しい。
ある意味椎名林檎っぽいって曲は少なめで
それよりも、もっと洗練された感じのトラックが多くなってて
その意味ではらしくないアルバム、とも形容出来るんですけど、でも感触はきっちり事変なんですよね。
だから前作のエッセンスを保ったままで、更にディープゾーンに踏み込んだ的な・・・。
彼女のキャリアの中でも特殊な作品って云えるんじゃないですかね。
同時にバンド的にも間違いなく新境地でしょう。

特に盛り上がります!とかライブを想定云々~って楽曲はあんまり入ってなくて
それなのに立て続けで聴ける気持ち良さがある。
海外のバンドを意識した曲から
バンドアパートっぽいアンサンブルの曲、
ミュージカルに近いエッセンスの曲も昭和歌謡に近い曲も、ポップパンクも入ってるのに
全体的なエッセンスは統一されていて、まあそれはタイトルからしてそうなんですけど
ある意味ノンストップのDJプレイ聴いてるような感覚でもあって
しかもそれがとても幅広い。
飽きさせない作り。
その上、王道の名曲「空が鳴っている」まで入っているというサービスっぷり。
前作でも明確に進化、明確な傑作っぷりを聴かせてくれましたが
今回も正直かなりの傑作なのではないでしょうか。

それと共にシックで大人な雰囲気でもある。
当然間間には明るい曲も混ざってるけど
基本的には大人の色香だったり、毒のスパイスだったり、そういうのが多めで。
過去に「大人」ってアルバム出してますけど
あれと似た聴き応えもあって、で、それを随分にポップにしたのがこれって印象もあって
その意味でも如実に今は「東京事変」ってバンドなんだな、って。
「娯楽」以降バンドとしての特色が強く出ていて
今回でそれが極まったようにも思えます。

と、言いつつ前作も極まったなあ、って作品だったので、またすぐ越えてきそうな予感もするけど。
凄い玄人向きな感じもするのに、それをポップに聴かせられるのは見事ですね。
ここ数年の事変の「無敵感」が凝縮された1枚です。





「今まで僕らは世界一幸せになる為にどれほど加速してきたか分からない
 神さまお願いです、あきらめさせて」 (空が鳴っている)

どの曲も好きですが、中でもこの詞が一番好きですね。



Steins;Gate 第13話「形而上のネクローシス」 感想

2011-06-29 02:56:48 | アニメ





終わらないゲーム。





ふむ・・・てっきりあの後オカリン達がSERNに連れられて云々って展開になると思ってましたが
そうでなく、寸前の所で鈴羽が助けてくれて
タイムリープによって過去に今の意識を移動、
そこからまゆりを何度も助けるって展開に相成りました。
これは面白いですよ。
非常に面白い。
ゲーム性が高い上に、その方法を探すのが一つの冒険みたいで面白い。
とはいえ、何回も何回もまゆりが死ぬシーンを見せられるのはショッキングではありますけどね(笑)。
この行為を繰り返してオカリンが辿り着くのは果たしてどこなのだろうか?
期待でもあり、不安でもあり・・・しかしこれじゃ本当に孤独の観測者ってフレーズがお似合いですね。
別に皮肉ではなく。
事情を話すことも出来ない。
たった一人の戦い。それはなんて寂しいんだろう。
そんな状況の中で一人奮闘するオカリンは確かに格好良いし尊敬にも値するけど
観てると色々とギリギリ過ぎて壊れないかが心配ですなあ。
何にせよ、展開としては真っ当に面白いですね。
初期の適当なダベりもあれはあれで面白かったんですが
こういうハードな展開もこれはこれで興奮しますねえ。次週から2クール目突入、って事で
更なる盛り上がりを期待したいものです。
いや、多分期待しなくても盛り上がっていくんだろうな。楽しみ。

オカリンとまゆりの過去も明らかにされましたが
肉親が死んだ時に、墓場でいつもあのポーズを、手を空にかざすポーズを取っていた、と。
それで本当に連れてかれちゃうんじゃないか、って心配したオカリンは
TVで観たマッドサイエンティストの真似をして、
おまえは俺の人質なんだ、と連れて行かれないようにした。
っていうのが今のオカリンの起源らしいですね。
そう考えると、今までの立ち振舞いもなんかいい話風になってきますね。
同時に、だからこそ人一倍仲間を大切に、って気持ちも理解できるような。
う~ん上手い構成です。

そんなまゆりは、彼女を生かす為の逃亡について
なんだか不満そう
訳を話してくれなくて、どことなく寂しそうです。
それはまゆり以外の人物も感じてるんだろうけど。
そんなオカリンの孤独な奮闘はいつまで続くのだろうか。
取り合えず、今はどんな手段を使ってでも、あの日の夜にこの街に居ないように。
何としてでもまゆりを死なせない為に。
頑張れオカリン、って〆で。




中々ストレートに面白い展開になって来ました。SERNの連中もかなり手強いですね。その壁を越えられるか、注目。



yoakemae/Base Ball Bear

2011-06-28 20:10:26 | 音楽






Base Ball Bearの新曲「yoakemae」を聴く。




えらいストレートな曲来たなあ・・・ってのが第一印象ですが
それ以上に明確に切り替わってる感覚があるというか
意識の切り替えの曲っていうか。
タイトルも夜明け前だし、要は一回ダメだった自分を捨ててまたゼロへ、って歌なんですけど
アレンジもポップだしメロディも90年代の歌謡曲みたい、若しくはアニメの歌にも使えるくらい直球で
割と前のミニアルバム2枚が実験要素の強い作品だったので
それを経てまたストレート投げてみるか的な、
そんな感じで出されたシングルだと感じます。

去年のミニアルバムは歌ってよりもアレンジだったり楽曲のジャンルだったりに面白味を見つける感じでしたが
今回のは本当に歌だけに焦点が当てられていますね。
もう歌をとにかく聴いてくれ、と。
この歌から何かを見出してくれと。
そんなメッセージ性も込められた楽曲だと思いました。
単純に元気とか勇気が出るなあ、って印象もあったかもしれないですね。
キラキラしたアレンジに耳が行きがちでしたが。最初は。


夜明け前ってテーマの意味合いって
昔よりも今のが分かってきている感覚があって
今のこの段階を夜とするならば
それが明ける、つまりはまた白い朝がやってくるって事で
気持ち的な生まれ変わりを示唆してるんじゃないかな、と。
或いは夜っていうのは割かし楽しい時間というか、まあ仕事とか終わってくつろいでる時間だとか、
そういうのを抜けて、また再び現実と対峙すべき時が来るってイメージもあったり。
その捉え方なんて人それぞれですけど
この曲は明確に生まれ変わる、って意志が曲間にあって
その力強さが耳を強く惹く曲にもなってますね。
久々の新曲としては中々の出来なのでは。




年明けにまた武道館、って事でその前にも色々出るでしょう。そこにもまた期待ですね。
カップリングの「Fragile Baby」はいつものファンキーな感じで(笑)。そこもまた良かった。



アスタロッテのおもちゃ! 第12話(最終回)「空越しのアスタリスク」 感想

2011-06-27 02:04:32 | アニメ






何にも言わずに、君に渡そう。





よくこのアニメを形容する時に「純粋」って言葉を使ってましたけど
もう一つピッタリな言葉を思いつきまして
それは「真心」だったんだな、と。
計算でも打算でもなく
純粋な愛
心からの気持ち・・・それを垣間見たような気がしました。
それは恐らく演出や流れの丁寧さもあるんでしょうけど
それ以上にやっぱり見た目サービスアニメで、でも内容は結構真面目っていう
ギャップが何より堪らなくて
だからこそ素直に胸に響く的な・・・そういう感触がありました。

また、個人的に上手いって思ったのは
これ原作付きで原作未読の状態で観たんですけど
全くといっていいほど過不足がないんですよね。
本当に丁度良く終わったというか
何かオリジナルアニメみたい。
少なくとも私は心残り全く無く、最後まで素敵だって思えたまま視聴を終えることが出来ました。
今期の中ではそこまで人気なかったかもだけど
毎週結構に和まされてたなあ。
そしてこの物語には、やっぱりハッピーエンドが似合います。
再会の方法も実に納得が行くものでしたし、本当に抜けがいい形での最終回と相成りました。
直哉もロッテも、
最終的には自分の気持ちに素直になれて本当に良かったね。
泣かせに掛かる感動でなく爽やかな感動がそこにはありました。

って事で感想も〆です。
ここまで読んでくれた方どうもありがとうございました。



このアニメの何が良かったといえば
人の根本的な気持ちを再確認させてくれるって点
それと前述のギャップ
後一番大きいのが釘宮さんの存在にそこまで頼らなかったことですね。
判で押したような構成ではなく
きちんとキャラを大切にし、展開を大切にし、雰囲気を大切にし・・・
とそればっかにならなかったのは非常に良かった。
こういうコツコツ頑張ってる作品もいいものですね。
かと思えば
時折思いっきりハジけてくれる、そのさじ加減も流石でした。温すぎないっていうね。

ダークホースって形容するならば
個人的には今期はこれが一番のダークホースだった気がします。
偏見を捨てて観てもらいたい作品の一つ。
毒の無さは人を選ぶかもですけどね。それでも推したい作品でしたよ。

あと、個人的に直哉の存在がずっと好きでした。
あの歳でちゃんと父親してて偉いよ(泣)。



日常 第13話「日常の第十三話」 感想

2011-06-27 02:04:18 | アニメ





京アニのドラマ力!





今回の視聴後の感覚は非常に懐かしいものがありました。
4年前の「らき☆すた」で見られたドラマ性が今回の「日常」でも生かされているようで
それが少しくすぐったかったのと同時に
なんかいいなあって思える雰囲気がそこにあって。
これぞまさに京アニのアレンジ力だよなあ、って感心してしまいました。


「らき☆すた」の時って姉と妹だったり
親子の関係性だったりで
血の繋がった肉親同士のあれこれを感動風のエピソードに仕立てて
それが原作ファン的に「おっ やるなあ」と思えてた訳ですけど
今回のこれって
本当に単なる4コマの一部っていうか
原作でも別に全然感動風ではない訳ですけども
それをこんなにしっとりと出来るのは正直凄いと思いますね。
今回もまた「原作ファンの歓び」それを味わった気分でした。
こういうのがあるから
好きな原作のアニメ化が楽しみなんだよなあ。

それにこれって何の血も繋がってない
製作者とロボットの関係性な訳ですが
それでも全然親子で、大切な関係なんだよってのがきちんと描かれてますよね。
それはここまで1クール使ったのも大きいと思うんです。
原作だと初めから学校普通に行ってるけど
アニメでは最初はずっと家の中に居させて、その間に小さなエピソードを重ねさせて
こうやって感動を演出できるまで粘ったわけです。
要は積み重ねの奇蹟。
これは上手いわ。
原作ファン大喜びだよ。
感謝の極みだよ。
そんな嬉しさが勝ってしまって、他のネタは感想には要らないやって思っちゃったけど(笑)。
でもその間の小ネタもいい潤滑油になってたよねー、って事で
全体的に大満足な出来でした。
このアニメの底力を見ました。




という訳で今週は完全に原作ファン視点で書いてみました。


出典
原作2巻 日常の33(ゆっこフロフロネタ) 日常の20(学校行っていいよネタ)
原作4巻 日常のショート5(ゆっこ80点ネタ)
原作3巻 日常の39(はかせ夜中におトイレネタ)