東京事変のニューアルバム「大発見」を聴いた。
これは非常に面白い・・・面白いというか新しい。
ある意味椎名林檎っぽいって曲は少なめで
それよりも、もっと洗練された感じのトラックが多くなってて
その意味ではらしくないアルバム、とも形容出来るんですけど、でも感触はきっちり事変なんですよね。
だから前作のエッセンスを保ったままで、更にディープゾーンに踏み込んだ的な・・・。
彼女のキャリアの中でも特殊な作品って云えるんじゃないですかね。
同時にバンド的にも間違いなく新境地でしょう。
特に盛り上がります!とかライブを想定云々~って楽曲はあんまり入ってなくて
それなのに立て続けで聴ける気持ち良さがある。
海外のバンドを意識した曲から
バンドアパートっぽいアンサンブルの曲、
ミュージカルに近いエッセンスの曲も昭和歌謡に近い曲も、ポップパンクも入ってるのに
全体的なエッセンスは統一されていて、まあそれはタイトルからしてそうなんですけど
ある意味ノンストップのDJプレイ聴いてるような感覚でもあって
しかもそれがとても幅広い。
飽きさせない作り。
その上、王道の名曲「空が鳴っている」まで入っているというサービスっぷり。
前作でも明確に進化、明確な傑作っぷりを聴かせてくれましたが
今回も正直かなりの傑作なのではないでしょうか。
それと共にシックで大人な雰囲気でもある。
当然間間には明るい曲も混ざってるけど
基本的には大人の色香だったり、毒のスパイスだったり、そういうのが多めで。
過去に「大人」ってアルバム出してますけど
あれと似た聴き応えもあって、で、それを随分にポップにしたのがこれって印象もあって
その意味でも如実に今は「東京事変」ってバンドなんだな、って。
「娯楽」以降バンドとしての特色が強く出ていて
今回でそれが極まったようにも思えます。
と、言いつつ前作も極まったなあ、って作品だったので、またすぐ越えてきそうな予感もするけど。
凄い玄人向きな感じもするのに、それをポップに聴かせられるのは見事ですね。
ここ数年の事変の「無敵感」が凝縮された1枚です。
「今まで僕らは世界一幸せになる為にどれほど加速してきたか分からない
神さまお願いです、あきらめさせて」 (空が鳴っている)
どの曲も好きですが、中でもこの詞が一番好きですね。